不惑オヤジ(と娘)の将棋な日々

アラフォー親父と小学生娘の悪戦苦闘の記録

森を見すぎると木が見えない?

棋力向上という至上命題を下ろし、じゃあこれからどうやって将棋に取り組み、このブログを運営していくかを書こう思っていたら、ちょうどタイムリーに、前回の記事にコメントをいただきました。

まずは全文引用します。

おさけ 2019年4月5日 04:25

昔から将棋ブログを読んでおりますが、共通問題として、上達しない問題があります。それでモチベが低下し、更新しなくなります。しかし、私が思うに、上達していないのではなく、上達を自分で実感出来ていないだけという気がします。24や81のR点やウォーズの達成率は上達が感じられる一要素ですが、その数字が全てを適切に表しているかといえばそうとは言えないと思います。将棋は実力差がない同じ棋力同士でも大半は引き分けではなく勝敗がつきます。両者に差は無いのにR点や達成率は大きく変動します。勝敗という最終的な結果だけで判定されるからです。

将棋は結論として先手か後手が必勝、あるいは千日手や持将棋による引き分けになるのはご存知の通りです。そして序盤で小さな損をしたとすれば、損をした側が理論上はほとんど負けです。つまり最初に損をした側はその時点で自力勝利はなく、他力勝利の道になります。そういう意味で、最終的に負けはしたが、最初に有利を築いた、というのは本来評価に値すると思いますが、R点や達成率システムでは一切評価されません。

R点や達成率にやる気やモチベを支配されないようにするには、自分の中に評価基準を持つことだと思います。私の場合は先に書いた、最初に有利になったか否か、を大きく評価するようにしています。最初に少しでも有利になっていた場合は、どこかに勝ちの目があったということです。ゆえに私の中では「負けはしたが実質的には勝ったも同然」という強引な解釈をしています。

もしブログを継続なさるのでしたら、R点や達成率だけでなく、ぜひ、定性性や定量性がある別の目標や基準に沿ったご自身の上達評価もしてみて欲しいなと思っています。そういう意味でも、最初に有利になったか?は有意義だと思っています。

とりあえず、本当に成果ゼロだったのか?上達しなかったのか?今一度、評価してみてはいかがでしょうか?R点や達成率に現れにくい形で効果あった可能性は残されていると思います。

おさけさんにはいつも示唆に富むコメントをいただいており、本当にありがたいです。

今までも、感覚的に「手応え」みたいなものを感じることが無かったわけではないのです。いやむしろ、そういった手応えを感じる機会は結構多かったかもしれません。

ただ、それらが目に見える結果に結びつくことが無かった。

上達は結果に結びついてこそ意味がある、という考えを持ってます。それも、主観の余地の入らない客観的なもので。

「手応え」や「感触」みたいな感覚的なもので上達は計れないし、計ってはいけないと思ってました。そういった、根拠の無い感覚などアテにならない、客観的な結果として表れなければならないと。そして客観的結果として一番解りやすいのが、ネット将棋のレーティングということになってしまうんですね。

このブログのコンセプト上、客観的に結果を評価できるものが必要だったという側面もあるかもしれません。

「手応え」はあるのに、「結果」に結びつかない。じゃあこの「手応え」は気のせいか。この手応えを得るのにかけた時間と労力はただの無駄か。…そんな思考に陥ってしまい、モチベーションが急降下しました。時期的に、身内の不幸と仕事のトラブルが続き、メンタル的に弱っていたのも拍車をかけたと思います。

そして上達を命題とするのをやめました。

皮肉なことではありますが、ある種上達への執着を手放してみて、初めてそういった定性的・感覚的なものに意味を感じられるようになってきました。

たとえ負けても「あー、一応身についてはいるなぁ」みたいな。

本来、小さな進歩をきちんと評価してプラスに捕らえていくことが、将棋に限らず、何かを学び身につけるためには必要なことだと、私は学んでいたはずなんですけどね…。勝敗のみで評価されるレーティングだけ見てると、そういった小さな進歩はどうしても過小評価しがちになりますね。

小さな進歩を認めず、ひたすら結果のみを求める。

人に何かを教えるときに、これやるとやる気無くすよと一般的に言われてることを、自分自身にやっていた気がします。

結果を追うと疲れるので、もう結果にこだわらずやりたいことだけやっていこうと開き直って、ようやくモチベーションが回復してきた次第です。

やったことが身についていると感じられればいい。結果に至らなくても。そんな感じでゆるく取り組んでいこうかと思います。

そして今後のブログの運営ですが、このブログのもう一つのコンセプトに、「上達への悪戦苦闘を包み隠さず明かす」というものがあります。

こうした挫折やその後の方針転換も含め、悪戦苦闘の一環でしょうし、同じように結果が出ずに苦しんでいる大人達に共感してもらえる部分もあるかなと信じ、とりあえずブログは続けようと思っています。

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久しぶりの更新&今後のこと

ずいぶんと久しぶりの更新になってしまいました。ほぼ1.5ヶ月ですか。ここまで間隔を開けたことは当ブログが始まって以来のことですね。

年末あたりから仕事がシャレにならないレベルで忙しかったりという理由もありますが、やはりモチベーションの低下も否定できない事実です。

なかなか思うように上がらない棋力に悩み、一昨年より1局30回を基準に棋譜並べを繰り返すという勉強法に賭けて一年間頑張ってみたものの、ほぼ成果ゼロ。この時点で自分の中で将棋熱が一度燃え尽きてしまいました。

このブログの趣旨のひとつは、自分を人柱にして上達法を追求するというものだったわけですが、その目標がもう見えなくなってしまった。

その後、少し将棋への入れ込みを控え(仕事のせいで物理的にそうせざるを得なかったとも言う)、低空飛行で細々とやってましたが、最近はようやくモチベーションが復活してきました。

ただ、もう以前のようにがむしゃらに棋力を伸ばそうというところまでは戻ってません。躍起になったところで成果なんて出ず、疲れるだけなのだと悟ってしまった。

なので、もうこれからはゆるーく取り組んでいくことにします。

棋力を伸ばすという至上命題はもう下ろす。やりたいことだけをやる。もう純粋に趣味として楽しむ以上のことはしない。それで伸びれば儲けものだが、伸びなくても知らない。一応の目標として「将棋クエスト三段」を挙げておくけど、そのためにしたくもない勉強を無理してまでしない。

…と決めてから、ようやく将棋熱が戻ってきました。

このブログの趣旨が揺らぐということもあって、更新停止・閉鎖も考えましたが、このスタンスでもうしばらく続けてみることにしました。

その結果、どうしてもしっくりこないということになれば、やはり閉鎖するかもしれませんが、もうしばらくお付き合いいただければ幸いです。

[自戦譜]将棋センターA級リーグ vs S三段

今日将棋センターで最後に指してきた将棋、印象深い将棋だったためか、対局が終わって帰途についてもまだ棋譜を覚えていました。私にしては珍しいことです。

というわけで、折角なのでご紹介。

なお、A級リーグとあると、なんか偉く強い人が入るリーグという印象があるでしょうが、実際には上にさらに「選抜リーグ」が存在しており、A級といいつつ、実際には下位リーグだったりします。(実際にはさらに下に、子供の級位者が参加するB1, B2リーグがあります。娘達はB2リーグで奮闘中)

相手のS三段は、こちらの記事でチラリと触れた、私が四間飛車を持って撃退した振り飛車党の高校生です。以前はほぼ互角の好敵手だったと思いますが、最近は先に選抜リーグへ上がられてしまい、昇段も先を越されるなど、ちょっと差をつけられた感があります。ちなみに私はこのセンターでは二段で指してます。

今回も居飛車で向かってきましたが、居飛車党に転向したのかな? 私は先手番では飛車を振らないことにしているので、相居飛車になりました。

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩
▲7八金 △3二金 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △8六歩
▲同 歩 △同 飛 ▲3四飛 △8八角成 ▲同 銀 △2八歩
▲同 銀 △4五角 ▲2四飛 △2三歩 ▲7七角 △8八飛成
▲同 角 △2四歩 ▲1一角成 △2六飛 ▲6八飛

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横歩取り△4五角戦法です。直前の△2六飛がS三段の研究手だったらしい。

すぐに浮かぶのは▲3八金ですが、これは△2七銀から力任せにガジられてどうも駄目っぽい。結構な長考の末、この▲6八飛をひねり出しました。△2七銀なら▲3九銀と引いて、もう手が出ないでしょというわけですね。後手は歩切れなので次の▲3六香が楽しみになります。

ただ、局後の感想戦でS三段が言うには、ソフトは▲2七歩を推してくる、と。確かに、私のソフトもそう言ってます。以下、△同角成▲同銀△同飛成▲3九金△2八銀▲4五角△2五龍▲6三角成△5二銀▲3六馬△同龍▲同歩△3九銀成と進みます。

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確かにこうなると、後手は攻めるには戦力不足ですし、自陣は堅そうに見えても▲2一馬~▲3五香みたいな手も見えて、先手の方が指しやすそうですね。

とはいえ、本譜の▲6八飛もソフトの評価は悪くない。ただ、▲5八飛の方が勝るという評価です。後々、香車を渡す攻めになった場合に△5四香の筋を未然に受けるという意味ですかね。

△3三桂 ▲3六香 △2二銀 ▲2一馬 △4二玉 ▲2三歩

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これが悪手。単純な勘違いがありました。△同銀に▲2七歩△2五飛▲3三香成~▲3五桂を見てましたが、飛車でタダで取られますね orz

ここは後手からはこれと言った手が無い局面なので、慌てることなく▲2七歩△2五飛としてから▲4八玉や▲7七桂の陣形整備で良かったようです。銀香交換の駒損ではありますが、後手は歩切れなので多分バランスは取れている。

△3一金で馬が死ぬようですが、▲同馬△同玉に▲2六金や▲3五金で取り返せるので何も慌てることはありませんでした。

△同 銀 ▲2七歩 △2五飛 ▲3三香成 △同 玉 ▲3二馬
△同 玉 ▲2六金 △同 飛 ▲同 歩 △5四香 ▲4八金
△3八金 ▲8二歩 △4八金 ▲同 玉 △5七香成 ▲同 玉
△5六金 ▲5八玉

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▲2三歩から香車も渡してしまい、△5四香が刺さってからはもう駄目ですね。しかし、この▲5八玉が最後の悪手。▲4八玉なら悪いながらもまだ粘りの利く形でした。△5七銀▲3八玉△6八銀成▲同金で、まだもう一山、という感じでした。

△5七銀 ▲6九玉 △6八銀成 ▲同 金 △6七金 ▲5六歩
△同 角 ▲3六飛 △3四角打 ▲7九金 △3八飛 ▲5八香
△6八金 ▲同 金 △7八金 ▲同 金 △同角成 ▲5九玉
△6八金
まで74手で後手の勝ち

4五角戦法は正しく受ければ先手有利というのが定説ですが、いろいろな変化があってそれを全て正しく受けるのはウォーズ初段程度の棋力では無理でしょうね。私も一時期連採して、結構白星を稼がせてもらってました。今回は敗れはしたものの、▲6八飛をひねり出せたことに満足もしてたりします(^^;

以下、棋譜です。

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対抗型党宣言!:藤井猛「四間飛車上達法」

事前に予想できていたことではありますが、年明け早々仕事がハードモードに突入し、ほとんど将棋指せてません(お遊びのウォーズ3切れとかは除く)。昨日も仕事で、ようやく今日休日ですが、疲れが溜まりすぎていると休んでもさっぱり休まらないんですよね…倦怠感に苦しんでいます。折角休みなので24ででも指そうかと昨日は思ってたのですが、いざ休みになってみると、そんな気力出てこない。ちなみに明日も仕事です(涙)

ああ、そういえば昨日今日は小樽の将棋冬祭りでしたね…無理無理、絶対無理だわ(笑)。

というわけで、仕事始め以降、将棋関連は本を読むくらいしかできてません。

これまでは、今持っている棋書を全て身につけるまでは無闇に新しい本に手を出さないことにしてましたが、棋力向上を優先事項から引きずり下ろした今は、そんな制限も撤廃することにして、気になった本を片っ端から読む方針に変えました。積読上等ですわ。

で、年末年始を実家で過ごしている間に購入した本が、コレです。

意外に思われた方もいるかもしれません。私は居飛車党を公言してましたからね。

ただ、自分って本当に居飛車党なのか?と、ある日ふと疑問に思ったのですよ。だって、横歩取り嫌い、角換わり苦手、相掛かりは断固拒否、矢倉は好きだけど得意とは言えない。…こんな居飛車党居ます?

じゃあなんで居飛車やってるのかと自問自答すると、私は対抗型が大好物なのだと気づきました。じゃあ、相手が居飛車の時はこっちが飛車振ってしまえばいいんじゃね? ということで少し真面目に振り飛車を勉強してみようかと思い、この本を手にしたわけです。

で、結論から言うと、私にとってはかなりの良書でした。

四間飛車の指し方と言うだけでなく、居飛車側から見ても大いに参考になる内容だったというのもありますが、それ以上に将棋に対する基本的?な考え方が随所に示されているのが私的に大当たりでした。

とくに、『「攻める」とは持駒を増やすこと』という考え方は目からウロコでした。激しい駒交換は「攻め合い」ということになるので、基本玉形に勝る方に有利に働くと。

だから居飛車急戦の形では、玉形で劣る居飛車は駒交換を挑むような指し方よりは、押さえ込みを目指すような指し方になる。相飛車でも対抗型でも棒銀はありますが、相居飛車の棒銀は相手の守りの銀との交換を目指すのに対し、対抗型の棒銀は相手の銀との交換を目指すというより、銀の力で押さえ込みを目指すという根本的な違いがあるのだということに、今更ながら気づかされました。

全体的には急戦6割、持久戦4割くらいの配分。それぞれの形における考え方の解説が中心で、定跡というよりは、対抗型将棋の本質を理解することを目指した内容と言えると思います。もう6回ほど通し読みしてますが、そのたびに新しい気づきがあります。棋書では久々に、いい買い物だったと断言できる本でした。

対象レベルとしてはおそらく私レベルでちょうどいいくらいかと思います。

この本のおかげで、相手が居飛車で来た場合は、自信を持って飛車が振れそうです(笑)。

そういえば、仕事始め直前に出かけた将棋センターでの対局。振り飛車党の高校生が、私相手に居飛車で向かってきたので、逆に私が四間飛車に振って快勝しました。最近は分の悪い相手だったのですが、多分、半分くらいはこの本のおかげです(笑)

私は今後、居飛車党を名乗るのをやめ、「対抗型党」を名乗ることにしようと思います(笑)。

 

2018年を振り返る

さて、今年もあと三日を残すのみとなりました。

今年は主に悪い方面にいろいろあって、お世辞にもいい年とはいえない一年でした。

年頭にはいきなり人生初のインフルエンザを罹患しました。体質なのか、タミフルがあまり効かず、なかなか熱が下がらずかなりしんどい思いをしました。胆振東部地震もありましたね。二日程度の停電で済んだとは言え、まさか自分が「被災者」になるとは思いませんでしたね。

ただ、それらもほんの序の口。

7月には妻の祖母が他界したと思ったら、9月には私の祖母が他界。私の方は、これが最後の祖父母の見送りとなりました。

そして今年ももう終わろうかという12月となって、今度はまさかの実父の他界。

さすがに実父についてはショックが大きかったです。病死でしたが、何しろ、半年前にはピンピンしていて、こんなことになる予兆は全くなかったのです。あまりにも病状の進行が急すぎて、心の準備をする間もなく逝ってしまいました。正直、今も完全に吹っ切れたとは言えません。

せめて、来年はいい年になってほしいですね。

さて、前置きが長くなりましたが、今年も一年の将棋を振り返ってみますかね。


<私>

はっきり言えば、棋譜並べを中心に据えて結構がんばったにも関わらず、成果は限りなくゼロに近いという有様。

ことここに至って、もうさすがに心が折れました。

ここまでやってもまったく成果なしということは、頑張り方を間違えているのか、才能の限界か、あるいは努力とは別の何かが必要なのかだと思うのですが。

頑張り方に関してはもういろいろやって成果にならなかったあげくに、最後の手段としての棋譜並べ主体にして一年がんばってきたわけですから、もうこれ以上どうすればいいのか考えるのも疲れました。才能の限界だったとしても、努力以外の何かが必要だったとしても、要するにもう努力ではどうにもならない状態に陥っていると思わざるを得ません。

なので、もう棋力向上を無理に追い求めるのはやめにしました。今後はもう少し肩の力を抜いて、将棋を楽しむことを大事にしようかと。

なので最近は今まで指したことのない戦法を使ってみたりとか、実験的な手を試してみたりとか、いろいろやってます。

上達法を追求するという本ブログの趣旨の一つが揺らぐことになりますので、今後このブログをどうしようかというのも少し考えないといけないかもしれません。

<長女>

相変わらず長い足踏みが続いてますが、最近、駒落ちで相手をしていると、なにやら筋のいい手がちょくちょく出てくるようになりました。

年初の頃は六枚落ちでもほとんど負けることがなかったのですが、最近は四枚落ちでもちょくちょく負かされるようになりました。とくに歩の使い方に目を見張るような向上が見られます。こちらの駒の裏から歩を垂らしてみたり、金銀の頭を叩いて隙を作るという小技を使うようになって来ました。

一時期、教室の講師には「次女の方が進んでいる」と言われてましたが、最近次女の方がちょっと後退している感があるのも手伝って、今はおそらく長女の方がだいぶ進んでいると思います。リーグ戦の成績も上向きつつあるような。

本人も手応えを感じているのか、最近は対局をねだられることが増えてきました。

娘たちの向上は、自分の向上よりもかなり早い時点で諦めましたが、長女についてはちょっと楽しみが出てきました。

<次女>

一時期は長女を越えたかと思わせた次女ですが…長女とは逆に、最近ちょっとひどい。とにもかくにも、やることが雑です。

ろくに考えもせず適当な手を指しているとしか思えない将棋が増えており、年初と比較すると棋力はむしろ下がったように思います。

私相手には六枚落ちでもぜんぜん勝てない有様です。

実力的には再びひっくり返って、長女とは結構差が開いたように思います。

思えば、長女にも同じようなことがあったような…一時期、ちょっと筋が良くなったと思ったのに、元の木阿弥以下になってしまったということが。


こんなところでしょうかね。

もう棋力向上のために努力することは諦めましたが、将棋をやめるわけではありませんので、来年以降もおつきあいいただければ。

それでは皆様、良いお年をお過ごしくださいませ。

[自戦譜]のりたま名人戦 C級リーグ vs nasukingu74

引き続いて更新しようとしたら仕事が突然修羅場に入って、連日深夜帰宅…昨日仕事納めとなって、ようやく更新の余裕ができました。

まあ、仕事納めと言っても全然納まってませんけどね…。年明けから頭抱えることになりそうです。はぁ…. orz

で、のりたま名人戦C級リーグの最終戦です。相手はnasukinguさん。この対局、私が勝てば3勝1敗でトップ抜けですが、負けると5人全員が2勝2敗で終わるという珍事になります。

▲7六歩 △7四歩

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いきなりチェンジアップが飛んできました。袖飛車宣言なワケですが、これって異筋に見えて実際にやられると意外と面倒なんですよね。

▲2六歩 △6二銀 ▲2五歩 △3二金 ▲3八銀 △7二飛
▲2七銀 △7五歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲2六銀

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「よくわからない異筋にはひとまず棒銀」というのがマイ格言とでも言いますか。

△7二金 ▲1五銀 △3四歩 ▲7八金 △8八角成 ▲同 銀
△2二銀 ▲7七銀 △7六歩 ▲6六銀 △7四飛 ▲2四歩
△同 歩 ▲2三歩 △同 銀 ▲5五角

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両睨みの角がきれいに決まって、優勢に進む…はずだったんですが。

△3三角 ▲9一角成 △7三桂 ▲7五香 △5四飛 ▲7三香成
△同 銀 ▲8一馬 △6二金 ▲5八金

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こうなってみると意外と容易でない。桂得で馬もできているものの、棒銀が立ち往生してますし、歩切れもあってなかなかいい二の矢が無い。対局中は劣勢を意識していたと思います。そしてこの次に悪手が飛び出します。

△6四香 ▲6五桂

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もう振り返るのも嫌になるような手ですね。ひとまず香筋を遮ったというだけの手ですが、本譜のように△7四銀と出られると香と銀桂の交換確定でなにもいいことが無い。単に△6五同香▲同銀△5五飛とかでも困る。まあこちらの手順は立ち往生の棒銀のお相手をすることになってしまうので、本譜の方が間違いなく後手にとって良いでしょうが。

当然ソフトも悪手認定していて、この一手で一気に800ほど後手に形勢が傾いています。

とはいえ、じゃあ代わりに何が良かったのかというとそれも難しい。ソフトに訊いてもコレという答は返ってきません。▲1六桂とかでとりあえず棒銀の捌きを狙うくらいですか。それでも後手優勢です。

じゃあここに至るまで何が悪かったのかというと、ソフトによるとここらしい。

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本譜はここで▲7三香成と突っ込みましたが、これが疑問手であると。代わりに提示されている手は▲5八玉とか▲2六銀など、自陣整備や体制立て直し系の手です。

桂香交換くらいではたいした得にならないと?

△7七歩成と成り捨てて、▲同桂なら△7四歩と香を取りに行くような手が嫌だったのですが、それには▲8一馬と金を取りに行き、△6一金▲同馬と強引に食いちぎって、△同銀に▲4五金と飛車を取りに行くということらしい。

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こちらの陣形もバラバラなので優勢とは言えませんが、後手陣のまとまりの無さも相当なので、飛車を取ることができれば、本譜のように攻めあぐねるということは無さそうです。

△6四香 ▲6五桂 △7四銀 ▲8二馬 △6五香 ▲同 銀
△同 銀 ▲2七香 △4五桂 ▲6八金左 △9九角成 ▲2四銀
△同 銀 ▲同 香 △8九馬 ▲4六馬

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この馬引きも酷い。なんとなく5筋が手薄なのが気になって引いてみたのですが、具体的に5筋から潰される手順が見えていたわけではなく、なんとなく引いただけ。桂当たりになってはいるものの、後手玉の挟撃体勢を自ら放棄している。具体的な脅威が見えていたわけでも無いのに。当然ここは▲2二香成と突っ込むところ。

ソフトの評価はこの時点で「後手勝勢」。

△4四香 ▲2三香成 △7七歩成

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これが後手の悪手でした。私も対局中、「これは助かった」と思ってました。▲3二成香が詰めろなので、明らかに先手の方が早いと思っていたので。

△7七歩成では、△4二金とかわされるとちょっと手間だな…と思ってたのですが、△3一金の方が勝るらしい。なるほど、▲3二成香と入ってきただけではまだ▲2一飛成ができず、続いて▲3一成香~▲2一飛成まで進めても王手にならないので、より手数が稼げるということですか。

▲3二成香 △6八と ▲同 金 △6一玉 ▲2一飛成 △5一桂
▲4二成香

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ここまで来るとさすがに決まってますね。

△6四銀 ▲5一龍 △7二玉 ▲8五桂 △6一金打 ▲7三歩
△同 銀 ▲同桂成 △同 金 ▲8一銀
まで75手で先手の勝ち

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これで3勝1敗の単独トップでリーグ戦終了となりました。

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[自戦譜]のりたま名人戦 C級リーグ vs A_wawawawa

とても久方ぶりの更新になってしまいました。ここ1ヶ月ほど、とある個人的な事情があって、正直ブログどころではありませんでした。

その辺の事情はいずれ別エントリででも触れるとして、ブログをサボっている間に、のりたま名人戦リーグ戦を2戦ほど消化しているので、そちらの自戦譜から参りましょう。まずは3回戦、A_wawawawaさんとの対局です。

戦型は四間飛車vs居飛車急戦。

▲7六歩 △3四歩 ▲6六歩 △8四歩 ▲6八飛 △6二銀
▲3八銀 △4二玉 ▲1六歩 △1四歩 ▲4八玉 △3二玉
▲3九玉 △8五歩 ▲7七角 △5四歩 ▲7八銀 △5二金右
▲5八金左 △7四歩 ▲2八玉 △4二銀 ▲9八香 △5三銀左
▲6七銀 △4二金上 ▲9六歩 △9四歩 ▲4六歩 △6四銀

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最近色々あって、これからは勝利への執着レベルを少し落として、エンジョイ方面に比重をずらすことにしました。そのあたりの心境の変化も近く別項で書こうと思いますが、今回左銀急戦を採用したのも、その一環ですね。最近は急戦策では棒銀か早仕掛けが多かったのですが、なんか久しぶりに使ってみたくなって。

勝てる戦法よりも指したい戦法を指したいと思ってます。

ただ、左銀急戦はA_wawawawaさんの研究範囲だった。

▲7八飛 △7五歩 ▲5六歩 △7六歩 ▲同 銀 △8六歩
▲同 歩 △7二飛 ▲7四歩

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この垂れ歩が嫌なんですよね….。何度やっても対処が覚えられなくて。

△同 飛 ▲6五歩 △7七角成 ▲同 飛 △5三銀引

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本当はここで△3三角と打ちたいんですよね。▲6四歩と銀を取れば△7七角成▲同桂△7六飛▲6七金△8六飛という定跡通りの攻めが決まる…とは飛車が7二に居ればの話で、実際は△7七角成には▲6五銀と飛車当たりに出られ、△7五飛に▲7七桂とされると、△7七飛成としても銀桂交換の駒損と玉形の差、次に▲5四銀と出る味も残って振り飛車指しやすし、です。

▲7五歩 △7二飛 ▲8五歩 △8六歩 ▲4五歩 △6六角
▲4六角 △7七角成 ▲同 桂 △8八飛 ▲9一角成 △8七歩成
▲8一馬 △7三飛 ▲8二馬 △9八飛成 ▲6六角 △3三桂 

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これが迂闊で、形勢を大きく損ねてしまいました。本譜のとおり▲4六桂でも困りますが、▲2五桂がより痛い。

ここは△3三香で辛抱するところでした。

この後、持駒の桂を守備一辺倒に投入することになったり、飛車を殺されたりで一方的な展開に。あとは投了までどこまで悪あがきできるかって感じで指してましたが…

▲4六桂 △7七と ▲同 角 △2二桂 ▲7四香 △同 飛
▲同 歩 △7八龍 ▲6八金 △7九龍 ▲5九飛 △7七龍
▲同 金 △6八角

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この角打ちが入って少し元気が出てきましたね。多少は紛れが出てきたかなと。

▲7八金 △5九角成 ▲同 金 △8九飛 ▲4八金 △5九飛成
▲8四角 △4四歩 ▲8一飛 △4一香 ▲7三歩成 △同 銀
▲同 馬 △4五歩 ▲3四桂 △同 桂 ▲3五銀 △4六桂

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守備一辺倒に2二に打たされた桂馬がきれいに捌ける形になり、優勢を意識しましたね。直後に銀も手に入ったことで△3九銀が入り、必勝になりました。

▲同 銀 △同 歩 ▲3四桂 △3九銀 ▲1八玉 △4八銀成
▲4二桂成 △同 金 ▲4八角 △同 龍 ▲4九金 △7八龍
▲4三歩 △同 玉 ▲4四歩 △同 銀 ▲4六馬 △4五香
▲7九歩 △8八龍
まで114手で後手の勝ち

▲1一角成を睨んだ▲6六角みたいな手に、思わず△3三桂と跳ねてしまうことが多いんですが、あまりいい思いをしたことが無いんですよね。常にこれが正解、という応手があるわけでもなく、毎度悩みどころです。

あと、舟囲いは桂馬を渡すといろいろ面倒なのに、8一の桂馬をあっさり取らせてしまったのも失敗だったかも。▲9一角成に△7一飛と引いてなるべく粘るべきでした。

ともあれ、これでリーグ戦は1敗をキープ。残る1戦に勝利できれば、C級単独首位で次期の昇格が決まりますが、はてさて。

以下、棋譜です。

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[棋譜並べ]久米可六vs天野宗歩 1833年(天保四年)5月19日

※この棋譜並べシリーズは棋力初段レベルのブログ主が、自身の学習のアウトプットとして書いているものです。解説とかではない旨をご承知の上で、お読みください。

今回取り上げるのは、天保四年5月19日、久米可六vs天野宗歩。手合いは平手です。

▲7六歩 △8四歩 ▲2六歩 △8五歩 ▲2五歩 △3二金
▲7七角 △3四歩 ▲8八銀 △7七角成 ▲同 銀 △2二銀
▲4八銀 △3三銀 ▲6八玉 △6二銀 ▲7八玉 △4二玉
▲5八金右 △6四歩 ▲5六歩 △6三銀 ▲5七銀 △5二金
▲6六歩 △5四銀 ▲6七金 △4四歩

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内藤圀雄九段によると、現代では常識ともなっている、角換わりの将棋で腰掛け銀の型を使い出したのは宗歩っぽいとのこと。

確かにこの対局でも先手の久米可六は普通に5筋の歩を突いている。腰掛け銀ではなく、片矢倉でやや中央にバランスを取った構えにして打ち込みに備えようというのが、この時代の角換わりのトレンドだったようですね。

▲4六銀 △7四歩 ▲5五歩 △4三銀 ▲6八金上 △3一玉
▲3六歩 △9四歩 ▲3五歩 △2二玉 ▲3四歩 △同銀右
▲3五歩 △4三銀 ▲5七銀 △9五歩 ▲5六銀 △1四歩
▲4六歩 △1五歩 ▲5七角 △7二角

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先手は4六の歩越し銀を起点に5筋3筋から攻めを作ろうとするも、うまいこと後手にかわされて続かない。で、2手かけて4筋の銀を5筋に繰り替えている間に後手は両端の位をがっちりと抑えました。

確かに、腰掛け銀相手だと5筋の位を取っても△4三銀と形よく銀矢倉に引かれ、3筋を攻められてもびくともしない。銀矢倉って玉の脇の金にも紐付いている分、普通の矢倉よりも実は堅いんじゃないかと思っているのですが、いかに。

そしてこの角打ち。飛車の頭越しに遠く1筋をにらみ付けたなんとも味わいのある自陣角。そして、この数手後の…

▲6五歩 △同 歩 ▲同 銀 △3六歩

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この垂れ歩。どちらも内藤九段絶賛の一手です。次に△3七歩成▲同桂△3六歩が狙い筋でしょうか。

ところが、ソフトは50手目の角打ちもこの垂れ歩も疑問手認定してます。

50手目の角打ちでは△3四歩と合わせて、▲同歩△同銀右と3筋方面から盛り上がっていくべきということらしいです。さらに△4三金と上がって玉頭を分厚くすると。後手の駒が左に偏り過ぎな気もしますが、先手は先に画を手放しており、その働きもイマイチなので、このような押さえ込む指し方で駒効率の差を主張するってことですかね。

ただ、その後のソフトの読み筋をひもとくに、△7二角自体が悪いと言うより、△3四歩という最善手をスルーしているので疑問、という意味らしいです。

54手目△3六歩の垂らしは、△3七歩の方がよいと。ふむ、▲同桂なら同じように△3六歩であるし、放置なら△3八歩成▲同飛△2七角成の狙いってことですかね。確かに、この3六の歩が自陣角の効きを遮っているのがちょっと気にはなったんだよなぁ。

そんなわけで、△3七歩成は許せないので▲3八飛。これも▲2七飛の方が勝るという評価ですが、正直違いがよくわからない。後者の方が、攻め味が残るってことですかね。

いずれにせよ、△3七歩なら▲3八飛も▲2七飛も無かったことになりますが。

▲3八飛 △1六歩 ▲4五歩 △同 角 ▲3四歩 △同銀右
▲5四歩 △6二飛 ▲6四歩 △7三桂

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この時点でソフトの評価は1000ほど後手に傾いているわけですが…そこまで差のある局面ですかね?

損得:互角
効率:後手。先手は飛角の働きが今ひとつで、右桂も使えない。後手は角が間接的に玉を睨んでいることに加え、桂も手順に活用できそうな雰囲気
堅さ:互角
手番:後手?順番は先手だが、先手は銀当たりをなんとかする必要がある。

確かに後手が指せそうな局面ではありますね。先手はもう少し後手の自陣角の効きを邪魔するような手立てを講じなければいけなかったのかも。

先手はここで▲6六銀と上がりましたが、これが決定的な敗着になったもよう。

ぱっと見、▲7四銀と出たくなりますがそれも悪手で、△6四飛と銀取りで出られ、▲7三銀不成には△6七飛成とズバっと切り捨てて、▲同金に△5六金で必勝であると。

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▲同金は△同角が王手飛車ですし、かといって▲6八歩などとと支えたところで△5七角と角をタダ取りできてしまうので処置無しです(角が玉を睨んでいるため▲5七同金とは取り返せない)。

▲6六銀では▲5六銀と引いておく方がまだよかったいう評価です。△同角▲同金△4七銀みたいな手が気になりますが、両取りに構わず△8四角と飛び出してもう一勝負、と。

▲6六銀 △6五桂 ▲同 銀 △5五銀 ▲5六桂 △6六歩
▲同 金

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第4図は、△6六歩の叩きを▲同金と取ったところ。タタキの歩による宗歩の狙いは単なる金銀交換では無く、角筋を通すことにあったもようで、ここから動けない5六の桂をあざ笑うかのような指し回しが続きます。

それはそれで見ていて面白いのですが、ソフト的には素直に△6六同銀と取る方が勝るという評価。▲同角に△6四飛と切り飛ばし、▲同銀に△5六角と出て王手飛車。飛車が取れれば駒割り的には桂1枚得をしているので、確かにこちらの方がわかりやすいのかも。

△6四銀 ▲同 銀 △同 飛 ▲5五金 △6五飛

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図は、先手が6四の飛車に当てて▲5五金と上がった手に対して、単に△6五飛と一路上がっただけの手。ひと目意味がわかりませんでしたが、▲同金なら△5六角が三方にらみの激痛ってことですか…

さすがに先手もこの押し売りの飛車は取りませんでした。

▲4五金 △同 銀 ▲6六銀 △5六銀 ▲6五銀 △5七銀成
▲同 金 △4五桂 ▲6六金 △6九銀

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取れば△4七角なので▲7七玉と逃げましたが、続く△3七歩成がさらなる王手飛車含みの一手で、先手投了。

▲7七玉 △3七歩成
まで88手で後手の勝ち

今回の教訓:腰掛け銀のオプションに銀矢倉。

以下、棋譜です。

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「棋聖 天野宗歩手合集」を買った

掲題の通りです。以前から迷ってはいたんですが、ついに買ってしまいました。

棋聖 天野宗歩手合集

今まで、天野宗歩の棋譜については、kifu for Windowsやkifu for Androidなどで再生できるkif形式の棋譜ファイルをネットで探してました。

ただ、そうして集めた宗歩の棋譜の中には、いくつかおかしなものもある。

どう見ても投げる場面じゃないだろってところで終わっているものとか、あるいは宗歩が手を緩めてるとしか思えないものとか

調べてみると、まず前者について、宗歩の棋譜には「差し掛け」のものもいくつかあるらしいということが分かった。ただ、kif形式のファイルは差し掛けには対応できていないので、最後に指した方が勝っているように見えてしまう。

そして後者については、やはり将棋の家元やその関係者にはある程度忖度を働かさねばならないケースもあったらしいことがわかった。

差し掛けについては、調べればわからなくもないですが面倒ですし、忖度の入った棋譜については緩めた手を正しいものとして身に着けてしまうリスクがある。そういった特殊な棋譜を正しく判断するためにも解説書が欲しくなったわけです。

宗歩の棋譜は駒落ちが多いのですが、本書では手合い別に分類されているので見やすいです。

とりあえず、平手の1局目から並べ始めました。これからどっぷり宗歩の世界に浸かっていくことにします…

[棋譜並べ(ダイジェスト)]羽生善治vs森内俊之 1996/04/11 第54期名人戦七番勝負第1局

※この棋譜並べシリーズは棋力初段レベルのブログ主が、自身の学習のアウトプットとして書いているものです。解説とかではない旨をご承知の上で、お読みください。

今回題材として取り上げたのは、1996年11月4日の、第54期名人戦七番勝負第1局、羽生善治七冠vs森内俊之八段の対局です。

下記書籍に掲載されているものです。

羽生VS森内百番指し
羽生 善治 森内 俊之
4839937613

タイトル戦を舞台に数々の熱戦を繰り広げてきた両者ですが、本局は名人戦での初対局だったらしいです。当時羽生さんは前人未踏の七冠王で既に絶対王者。しかし、この後永世名人位を獲得したのは森内さんが先だというのだから面白い。

さて、名人戦での初対局は矢倉となりました。

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比較的オーソドックスな矢倉の序盤戦だったと思いますが、この△2二銀が一つの分岐点。羽生さんによると、「△6四歩は攻勢の手で△2二銀は守勢の手。バランスを取るのが難しそう」とのことですが、さっぱり解りません(^^;。

△6四歩より△6四銀の方が攻勢っぽいイメージがありますけどね…。△7三角との兼ね合いもあるのでしょうが。

ここで△2二銀と引くのは中原vs米長の棋譜で何度か見た記憶があるのですが、あまり自分ではやりたいと思わない手ですね。なんと言っても玉の囲いが中途半端な上に壁銀ですからね。実際、この壁銀が最後に祟る展開になっているように見えます。

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チキンな私はすぐにでも8六歩を払ってしまいたくなるんですが、取ると何かあるんですかね。自戦記によるとこの後のとある手をずっと狙っていたらしいので、その狙いを急いだということかもしれません。

羽生さんは結局この8六の歩を最後まで相手にしませんでした。

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放っておくと、▲8二歩成△同飛▲8五歩がスマッシュヒットですね。というわけで後手は△6二飛と回ります。

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この金打ちによる角の捕縛が狙い筋だったらしいのですが(ただ、これにこだわりすぎた、とも書いていた)相手玉と反対の端に金を打つとか、ちょっと私なら選択肢にも上がらないかもしれない。角を取れたところで遊び駒になる未来しか浮かばないからですが、金が遊んでもそれ以上に価値のある角をタダ取りできるならOK、という判断なんですかね。それはそれで合理的なのか…。角を取れば7三の桂も怪しくなりますしね。

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飛車のぶった切り。こうなると△2二銀の壁銀が見事に祟ってる格好ですね。やっぱ矢倉で2二銀型は怖いですよ。

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図は、5七のと金を馬で払ったところ。馬をと金と交換するというなんとも気前のいい一手ですが…

本譜はこの後△同龍▲7三金△6八金▲3四桂と続きます。

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これで先手の方が早いと見ているわけですね。確かに、ソフトの評価では400少々先手に寄ってます。先手玉も金銀に囲まれているとは言え、6七の歩の存在もあったり退路が無かったりでそれなりに危ない状態ではあるはずですが…

先手玉を寄せる手は△7八金くらいしかないんだけど、▲同金△6八金▲7九金で千日手模様。

一方で後手玉は…むずかしいなぁ…

ソフトによれば放っておけば▲4二桂成△同玉▲4四歩が狙いで先手勝勢…らしいんだけど、これで本当に捕まるんだろうか。3三の地点に桂が利いているから、意外とコレで狭いのか…

で、以下が投了図。

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なかなかソフトの評価が大きく動くところがなく、どこが後手の敗着だったのかがイマイチですが、103手目の時点では後手がやや優勢との評価です。

その後、△6八金とロコツに打ち込んで行ったのが低評価で、代わりに△4七角と打ちべきだとソフトは示します。先手玉は狭いので、穴熊攻略と同様、角よりも金銀、ってところなのでしょうか。