不惑オヤジ(と娘)の将棋な日々

アラフォー親父と小学生娘の悪戦苦闘の記録

[棋譜並べ]天野宗歩vs和田印哲 1852/11/17

※この棋譜並べシリーズは棋力初段レベルのブログ主が、自身の学習のアウトプットとして書いているものです。解説とかではない旨をご承知の上で、お読みください。

今回の棋譜並べは、1852年11月17日、江戸城で行われたという天野宗歩vs和田印哲の平手戦です。

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △4四歩 ▲2五歩 △3三角
▲4八銀 △3二銀 ▲5六歩 △5四歩 ▲5八金右 △5二金右
▲7八銀 △4三金 ▲7九角 △4二玉 ▲2四歩

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この時代の棋譜を見ていると相居飛車戦でも左美濃に組む将棋を結構見かけます。本局もその一つですが、図のように無条件の角交換を強要されやすいので、若干損ではないかなぁ、という気が個人的にはします。

△同 歩 ▲同 角 △同 角 ▲同 飛 △2三歩 ▲2八飛
△3一玉 ▲6六歩 △2二玉 ▲6八玉 △8四歩 ▲6七金
△8五歩 ▲7七銀 △6二銀 ▲7八玉 △7四歩 ▲5七銀
△7三銀 ▲6八金上 △8四銀 ▲3六歩 △9四歩 ▲1六歩
△9五歩

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先手の天野矢倉に対して後手は棒銀の構え。しかし、この9筋の突き越しは何なのでしょう。今ひとつ意図が見えません。当然、ここは銀が出るべき場所のはずです。宗歩と平手で指すような指し手がそんな基本を理解していないとは思えないので、何らかの意図があるのでしょうが…最後までそれはわかりませんでした。

結局この銀は最後まで立ち往生してますしね…

▲1五歩 △3三桂 ▲4六銀 △4五歩 ▲5七銀 △5三角

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これもまた意図のよくわからない角打ちです。乏しい想像力を駆使して推測するに、「△7五歩からの攻めの補強」「先手の飛車先の牽制」といったところ?

しかし△7五歩から攻めるつもりなら別に角の支援はすぐにはいらないはずなんですよね。△7五歩▲同歩△7五銀に▲7六歩とされても、先手陣は天野矢倉なので△8六歩が入ってしまいます。▲3七角と飛車の小ビンを狙う手に△6四歩などと一時凌ぎはできますが、そのためにわざわざ角を投入というのもいかにも重い。同じ一時凌ぎなら後から△6四角と合わせて打つ方がまだ良さそうです。

飛先の牽制にしてもちょっと弱い気がする。いざというとき飛先を止めるなら、やはり2六よりは2七で止めたいところです。

…もしかして▲7一角の打ち込みを防ぐ、ってことでしょうか?そうだとしたら、そのために角を手放さなければならない後手が既に指しにくい気がします。

先手はここから5筋で戦いを起こします。この構想が、後手の棒銀を最後までニート状態にしたようです(笑)

▲3七角 △7三桂 ▲5五歩 △同 歩 ▲同 角 △5二飛
▲3七角 △3五歩 ▲2六飛 △4四金 ▲3五歩 △5五歩

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ここ、私ならノータイムで△3五同金としそうです。が、それには▲5六飛と回って先手優勢とソフト先生(変化図1)。

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なるほど、こりゃ後手の角がいかにも動きづらくて先手が指しやすそうです。

なので後手はこの飛回りと▲7三角成を同時に消す△5五歩。今度こそ次に△3五金があるので、先手も▲2八飛と先に引いておきます。

▲2八飛 △6四角 ▲2四歩 △3五金 ▲3六歩

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直前の▲2四歩は、△同歩なら▲同飛で十字飛車が決まる手筋の合わせ歩。なので後手も取らずに△3五金と出てきましたが、ここで先手は金頭を叩く▲3六歩。

初見の時は思わず「は?」と声を出してしまいました。一見歩のタダ捨てな上に、わざわざ角当たりに金を呼び込むことになりますからね。しかも本譜で後手は、この歩を取らず金を引いている。ますます「?」です。並べ間違えたのか?と思いましたよ正直。

ところが、調べてみると△3六同金には▲3四歩が入るんですね(変化図2)。

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ここで△3七金と角を取っても、▲3三歩成が王手で入る。△同玉の一手に(△同銀は▲2三歩成で潰れる)、▲3七桂と手を戻してみると、結果として角と金桂の二枚替えで駒得。しかも後手玉を不安定な位置に引きずり出し、先手としては大満足でしょう(変化図3)。

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ふえー、これは凄いわ…

歩切れを防ぐために、▲3七桂の前に▲2三歩成を入れておくのがいいかな?

△3四金 ▲2三歩成 △同 銀 ▲5六歩 △2六歩 ▲5五角
△5三角 ▲7五歩

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これまた軽妙な歩の突き出しです。△同歩は▲7四歩、△同銀は▲7三角成、放置は当然△7四歩なので△同角の一手ですが、ここから歩をうまく使って軽妙に角をさばく手順は鮮やかとしか言いようがありません。

△同 角 ▲3五歩 △2四金 ▲4四角 △6四角 ▲5五歩
△8六歩 ▲同 歩 △4二飛 ▲7一角成 △8五歩 ▲2六飛
△8六歩 ▲8八歩 △3二金 ▲5六銀 △4六歩 ▲同 歩
△9六歩 ▲同 歩 △9七歩 ▲同 香 △2五金 ▲2八飛
△4六飛 ▲3四歩 △2七歩 ▲同 飛 △3六金 ▲3三歩成
△同 金 ▲4七歩 △5六飛 ▲2三飛成

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こういうところで、私だと何も考えずに▲5六同金とよくやっちゃうんですよね。冷静に見ないといけない。

△同 玉 ▲5六金 △5九飛 ▲4五桂 △5六飛成 ▲3三桂成
△同 玉 ▲3四歩
まで115手で先手の勝ち

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初見時は「ここで投了?」と首をかしげましたが、即詰みなんですね。

玉を引く手は銀からベタベタ貼っていけば簡単ですし、△2四玉には▲3三銀以下、△3四同玉には▲5四飛か詰みます。実戦で読み切れるかと言われたら多分今の私には無理ですが(汗)

65手目▲3六歩の意図がわかったときは感動モノでした。wikipediaの記載では、宗歩は角使いの名手とありますが、今のところ私にとっての天野宗歩は、むしろ歩の使い方がうますぎるという印象がありますね。

以下、棋譜です。

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将棋倶楽部24のサークルに加入しました

上達するためには強い相手と指すべしとよく言われるので、将棋ウォーズを主戦場に、対戦相手の選別を「かなり強め」に設定して対戦してましたが、確かに強い相手と当たるのですが、どうもしっくりこない。

やっぱ、単に強い人とやるだけでは不十分なんですよね。感想戦が無いと。ソフトを使えば一人でもある程度振り返りはできますが、急所の局面で、強い人は何を考えて指しているのか、それを直接聞くのがやっぱり一番勉強になる。それは、実際にオフラインで高段者に教わっていると痛感します。

なので、オンラインでも上位者と対局・感想戦ができる環境を持ちたいなあとは思ってました。

81Dojoや将棋倶楽部24ではチャットで感想戦はできますが、実際に感想戦に付き合ってくれる人はごく少数です。

じゃあどうするか。考えた末の結論は、「強い人がいるサークルに参加する」でした。真面目に取り組んでいるサークルなら、感想戦もきちんとやるところが多いようですし。

というわけで、81Dojoや将棋倶楽部24のサークルを色々リサーチしました。リサーチにあたって、参加候補とする条件は以下の3つ。

  • 自分より強い人が(できれば大勢)いる
  • 直近の活動実績が確認できる(休眠状態でないことがわかる)
  • 毎回例会に参加できなくてもよい

2番目の条件が意外と難しく、これだけで8割くらいのサークルが候補からふるい落とされた気がします。

最終的に、将棋倶楽部24のサークル、のりたま将棋クラブさんにお世話になることにしました。

先日、早速例会に参加しました。対局もさせてもらいましたが、実力差もあっていいところ無く完敗。ただ、やはりその後の感想戦で有益な示唆をたくさんいただきました。これこれ、これが欲しかったんですよ。

今後もなるべく都合を付けて例会には極力参加するつもりです。

[棋譜並べ]伝説の遠見角:天野宗歩vs伊藤宗印(八代) 1856/11/17

※この棋譜並べシリーズは棋力初段レベルのブログ主が、自身の学習のアウトプットとして書いているものです。解説とかではない旨をご承知の上で、お読みください。

今回紹介する棋譜は、1856年11月17日の、天野宗歩vs伊藤宗印(八代)の平手対局です。ある意味、宗歩の棋譜で一番有名なものかもしれません。そう、伝説のあの角が登場するアレです。

それでは、早速。

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △5四歩 ▲5六歩 △6二銀
▲4八銀 △3二金 ▲7八金 △5三銀 ▲2五歩 △6四銀
▲2四歩

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宗歩の棋譜を見てると、歩を交換できる場面ではとりあえず交換しておくというのが目立ちますね。よく言われる飛先の歩交換のメリットとして、「飛先が軽くなる」「自分だけ一歩を持駒にできる」「攻め駒の進出経路ができる」などがありますが、一方で「手損する」というデメリットもあり、序盤の手損を嫌う現代将棋では飛先の歩交換ひとつとっても慎重を期する傾向ですよね。

△同 歩 ▲同 飛 △5二飛 ▲6九玉 △4一玉 ▲2八飛
△2三歩 ▲2二角成 △同 銀 ▲6八銀 △5五歩 ▲同 歩
△同 銀 ▲5四歩 △7四歩

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直前の▲5四歩がまた宗歩の棋譜らしい歩の垂らしですね。おそらく、△5四同飛なら▲8二角と打ち込もうって事でしょう。放置しても▲5三歩成から同様です。▲5三角の打ち込みから馬を作る筋もありそうです。

それに対する△7四歩。初見では意味がわからなかったのですが、なるほど、▲5三歩成△同飛▲8二角なら、△6四角と合わせて▲同角成△同銀▲8二角△7三角と銀を引きつけて駒損を防ごうということですか。

折角前に出ていた銀が引っ込むので微妙な気もしますが…

先手は▲5三角の打ち込みを選択。

▲5三角 △4四角

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しかし、こうして角を合わされてみると、▲8六角成では馬の働きがイマイチです。▲7五角成とできればまだマシな気もしますが、直前の△7四歩にはそんな意味もありましたか。

▲同角成 △同 銀 ▲1八角

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そしてこれが、宗歩伝説の象徴とも言うべき、伝説の遠見の角打ち▲1八角!

初見時は、「△5三歩くらいでなんともないんじゃないの?」とか思ってましたが、天野宗歩伝説の一手がそんな単純なわけはなかった。△5三歩なら単純に▲同歩成でよく、△同飛なら▲5四歩で手損するだけ。▲5三同歩成に△同銀なら▲6三角成で、これはもう先手勝勢。

この角のライン、見た目ほど簡単には振りほどけそうにありません。

△4二金 ▲5七銀右

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△5三歩と合わせて角の睨みを解消するならここだったと思うんですよね。▲同歩成には今度は△同金と取れます。ただ、代償として玉がかなり薄くなるので微妙ではあります。ソフト的には△5三歩もアリ、という判断みたいですが。

とはいえ、ここで解消を選ばなかった後手、今後もこの角のラインに散々苦しめられることになります。

△3二玉 ▲5六銀 △6二金 ▲5八飛 △3三銀上 ▲6六歩
△1四歩 ▲7九玉 △8四歩 ▲5九金 △8五歩 ▲2七角
△5一飛 ▲4五銀 △5五歩 ▲6七銀 △8六歩

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3手かけて8筋の歩を突き捨ててますが、そこまで手をかける価値があったんでしょうか。正直意図がわかりません。そしてここまで進んでなお、角筋の呪縛が後手を苦しめています。

▲同 歩 △7五歩 ▲同 歩 △4五銀 ▲同 角 △4四銀
▲1八角 △5六銀 ▲同 銀 △同 歩 ▲同 飛 △5五銀打
▲5八飛 △6六銀 ▲6七歩 △7七歩

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単に銀を引くのではなく、一発叩いてつり上げてから引くことで桂頭を叩く余地を残す。見習いたい軽妙な手筋です。ただ、本譜では右桂をさばかせて逆に苦しくしてしまったようにも見えます。

▲同 桂 △7五銀 ▲6八金上

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玉から離れていた金を玉に引きつける。金を守り駒として活用すると同時に、小ビンも塞ぐ落ち着いた手です。こういう手がいわゆる「決して局面を悪くしない【普通の手】」なんでしょうね。

△7六歩 ▲6五桂 △6四銀 ▲5三銀 △同金右 ▲同歩成
△同銀左 ▲同桂成 △同 銀 ▲6三角成 △7七銀 ▲2四歩
△同 歩 ▲2五歩

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△6七銀を手抜いて2筋を継ぎ歩攻め。後手には金気が無いし、先手玉も堅いので多少守り駒を剥がされてもまだまだ寄りは遠いってことですか。

この▲2五歩を△同歩なら、▲2四歩や▲2四銀ってことでしょうね。なので後手はこれを取らず、△3三角と7七に駒を足してきますが、先手の対処は落ち着いてます。

△3三角 ▲5五歩 △7八銀成 ▲同 金 △7七金 ▲4五銀
△6一飛 ▲7四馬 △2五歩 ▲3四銀 △2四角 ▲4六銀
△3三金 ▲同銀成 △同 玉 ▲3五銀打 △8七桂

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既に先手がかなり優勢ですが、この桂打ちを▲同金と食いちぎった手が詰めろになってしまい、勝負あり。

▲同 金 △同 金 ▲2四銀 △同 玉 ▲3五銀 △同 玉
▲4六角 △4四玉 ▲3四金
まで111手で先手の勝ち

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以下、△同玉▲2四金△4四玉▲3六桂△4五玉▲5六馬までですね。桂が入ったことでピッタリ詰んでます。素晴らしい。

音に聞いた伝説の▲1八角。初見の時は「ん?これがそんなにいい手なのか?」と思った未熟者は私です。簡単に振りほどけそうに見えて、考えれば考えるほど難しい。さすがは伝説の一手というべきですか。

まったくの余談ですが、この棋譜を30回並べ終わった頃、将棋倶楽部24で指していて、こんな手が出ました。

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先手が私です。

間違いなくこの天野宗歩vs伊藤宗印の棋譜が頭にあって出てきた角打ちです。善悪の確信は正直ありませんが、ソフトにかけてみると形勢はほとんど動いてないので、最善手かはともかく、悪手ではないでしょう。最後もこの角のラインがモノを言って解消しました。

以下、棋譜です(もちろん天野宗歩の棋譜)

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反復練習で叩き込む

棋譜並べ中心の修練は継続中です。

1日に少なくとも3回、多ければ10回くらいのペースで1局をまずは最低30回並べ、スムーズに並ぶようになったら、その後に詳細な検討を入れてノートに残す、という流れですね。

この棋譜並べ中心のやり方にシフトしてから4か月が過ぎましたが、効果のほどはどうか。正直言うと、わかりません。

最近は天野宗歩ばかり並べていたせいなのか、以前より歩を垂らす筋を意識するようになった気がしますが、目に見える結果として成果が現れているというわけではない。

ただ、この「1局最低30回並べる」というやり方が私には合っていたようで、以前は全然楽しくなかった棋譜並べが、最近は楽しんでできるようになっています。

手間はかかりますが、意識しなくても繰り返し繰り返し並べているうちに、「ここがポイントだな」というのがおぼろげに浮き上がってくるのです。繰り返すごとに並べるのもスムーズになり、そのうち棋譜を見なくても並べられるようになる。そうなると面白くなってくる。

まず30回通しで棋譜の流れを叩き込みつつ、ポイントの目途をつけ、その後に詳細に検討するという流れになるのですが、棋譜の流れの把握と検討を同時に進めていたような従来の棋譜並べのやりかたに比べると、より深い検討と理解ができてるような感じはあります。

ただ、このやり方に変えてから1年間様子を見る、としていましたが、1年間で成果を出すにはもう少し密度を上げる必要がありそうな気もしてます。

今は1局30回ならべるのに大体1週間強かかってますが、これを3~4日でやっちゃうくらいな。ペース的に1か月で4局も並べられればいいほうですからね。無理をしない範囲で、もう少しノルマを上げてみることにします。最低1日8回、月のべ180回、局数にして月6局くらいかな…。興味深い棋譜であれば30回以上並べることもあるので、局数はあまり意識しないほうがいいか…

で、棋譜並べとは別に最近は詰将棋の取り組み方も見なおしてます。

少し前のエントリでも述べてますが、「3手詰ハンドブック」1冊を、10分で解き切る訓練を進めています。当然、10分間で1冊解くには、考えていては無理なので、初めは答えの丸暗記な感じにはなります。ただ、この形ではこういう詰み筋、という直感を磨くにはよいはず。

1日1~2回程度、10分計って時間内にどこまで行けるかを計ってますが、最初は120問程度、今は160問程度と徐々に上がってます。まあ、同じ問題を何度もやっているわけで当たり前と言えば当たり前ですが…

まずは、10分で200問に到達するのが第一目標。その後はいくつか解き方のバリエーションをこなし、一冊をしゃぶり尽くす勢いでやりこむつもり。

棋譜並べにしてもそうですが、ここ最近は「体に叩き込む反復練習」の方向を強化する感じでやってますね。

[棋譜並べ]天野宗歩vs大橋宗珉 1845/07/13

今回ご紹介する棋譜は、1845年7月13日の、天野宗歩vs大橋宗珉の対局。手合いは平手です。

戦型は、現代で言うところの四間飛車vs居飛車急戦です。もっとも、この当時の対抗型に居飛車の持久戦策があったのかどうか私は知りませんが…

それでは早速見ていきましょう。

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △4四歩 ▲2五歩 △3三角
▲4八銀 △3二銀 ▲5六歩 △5四歩 ▲5八金右 △4二飛
▲6八玉 △6二玉 ▲7八玉 △7二玉 ▲9六歩 △9四歩
▲3六歩 △8二玉 ▲7七角 △4三銀 ▲6八銀

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▲7七角としてから▲6八銀とするのは近代の居飛車急戦ではあまり見たことの無いカタチですね。振り飛車側から角交換されたときに玉ではなく銀で取るための工夫でしょうかね。

ある意味スピードが命の居飛車急戦では、評価が微妙な構想ではあるような。

△7二銀 ▲4六歩 △5二金左 ▲4五歩 △6四歩

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▲4五歩の早仕掛けを手抜いて堂々と囲いの完成を急ぐ後手。確かに素直に△4五同歩とすると、▲3三角成△同桂▲2四歩とするおなじみの手順に入るわけですが、ソフトによるとその場合は△4六角から歩を抜いてしまえば大丈夫だと。

ただ、居飛車の銀が5七にいて△4六角が打てないような場合だと、本譜のような▲4五歩を手抜く指し方を知っておかないといかんのでしょうね。

この後は4カ所で歩が衝突するというものすごい状態に。

△7二銀 ▲4六歩 △5二金左 ▲4五歩 △6四歩 ▲3五歩
△5五歩 ▲2四歩 △同 歩 ▲4四歩 △同 角 ▲2四飛
△2二歩

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うーん、私の感覚では△2三歩としてみたいところです。▲同飛成なら、△2二飛とぶつけるみたいな。△2三歩に飛車を引くなら、△3五歩~△3四銀としてみたい。

うーん、でも△2三歩▲同飛成△2二飛には▲同龍△同角▲2三飛と角当てで先着されて居飛車有利とソフトは言ってますね…確かにそうか…

ただ、この後の振り飛車側、なかなか飛車を捌くタイミングに苦しむことになるんですよね…

▲5五歩 △6三金 ▲2三歩 △3五角 ▲2七飛 △7四歩
▲3六歩 △4四角 ▲4五歩 △6二角 ▲2四飛

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二歩を使って無理矢理角を追って▲2四飛。なんか次の一手に出てきそうな指し方です。そのまま▲2二歩成とすると△2六歩と飛先を先手で止められてしまうからですね。

△2三歩 ▲同飛成 △2二歩 ▲2七龍 △7三桂 ▲4七銀
△5四歩

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結果的にこの△5四歩が決定的な不利を招いたような。5筋の位を奪うもくろみだったのかもしれませんが、結果的に居飛車の右銀をスルスルと5五まで出してしまい、銀の裏に歩を垂らす手筋を見せたものの…

▲5六銀 △5五歩 ▲同 銀 △5六歩 ▲4七龍 △6五桂
▲8六角

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こうなってしまうと、次の▲6四銀の狙いが厳しく、△5七歩成から銀桂交換に持ち込んでも、その銀を後の本譜で△7三銀打と受けに投入しなければならないようでは振り飛車が面白いはずがないですね。

ちなみにソフトは54手目△5四歩の代わりに、△5七歩と桂のふんどしを狙う手や、△4四歩と合わせて銀のせり出しを狙うような手を提示してます。

△5四歩もそんなに評価は悪くないんですが、▲5六銀△5五歩▲同銀に△5六歩が悪手で、変わって△5四銀とぶつけろと言ってます(変化図)。

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なるほど、これだと飛角銀が一気に軽くなった感じがします。それでもまだ居飛車が指しやすそうですが、本譜よりはかなりマシそうですね。

△5七歩成 ▲同 銀 △同桂成 ▲同 龍 △8四角 ▲6六桂
△7三銀打 ▲4六龍 △4一飛 ▲5四歩

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ソフトの評価ではこの局面は既に先手がかなり優勢。後手の大橋宗珉も同じ認識だからこそ、このままではジリ貧だと次に△6六角と切ってきたのでしょうが、私はぱっと見でこの局面を先手優勢と判断する自信は無いですね。

だって、損得で言えば銀桂交換で後手。玉の堅さも後手。ついでに手番も後手です。それでも先手優勢ということは、駒の効率でそれらさえもひっくり返す大差がついているってことですが…

やはり4一の飛車と4三の銀の働きが悪いのと、先手は竜を作っているというのが高評価ということなんですかね。

後手は△6五歩と突ければいいのでしょうが、▲5三歩成があるのでそれもできない。予め▲5三歩成を受けて△5二銀も、▲4四銀で受けにならない。なので、△6六角と強行して勝負に出るのですが…

△6六角 ▲同 銀 △5四銀 ▲4四歩 △3三桂 ▲3七桂
△6五歩 ▲7七銀 △4五歩 ▲4九龍 △4四飛 ▲1五角
△2五桂打 ▲同 桂 △4六歩 ▲3三角成 △4五飛 ▲3七桂
△4三飛 ▲同 馬 △同 銀 ▲4六龍 △5四銀 ▲4一龍
△2八角

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完全に後手の勝負手は失敗した格好ですね。駒の損得も飛桂桂と銀の交換と大損してますし、玉が依然堅いとはいえ、ここまで駒損していては勝負ありでしょう。そもそも、この期に及んでこんなところに虎の子の角を打ち込まざるを得ないのが窮状を物語っているようです。

実際、この後は後手に手番が回らないまま押し切られることになります。

▲5五歩 △同 銀 ▲4五桂 △6四銀引 ▲3一飛 △5一歩
▲5二歩 △6二銀 ▲5一歩成 △同 金 ▲同 龍 △同 銀
▲同飛成 △5七歩 ▲7一銀 △7三玉 ▲5三桂成

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▲7一銀を決めて、玉を近づけてからのこの桂成が心憎い。

△5八歩成 ▲6四角 △同 玉 ▲5四金 △同 金 ▲同成桂
△7三玉 ▲6二龍 △8四玉 ▲7二龍
まで123手で先手の勝ち

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全体的に後手の駒捌きが重く、先手の右銀が調子よく5五まで出張ってきたことでますます窮屈になり、駒効率で大差を付けられたって感じでしょうか。私の認識では、先手側に目を引くような妙手は無く、後手側の全体的な指し手の重さが明暗を分けたように思います。

以下、棋譜です。

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3月の修練まとめ

2月の修練状況のまとめです。

  • 必死問題 0問
  • 次の一手 292問
  • 棋譜並べ  4局のべ102回
  • 詰将棋 2601手
  • 実戦 25勝39敗

思うところあって詰将棋を再強化中なのですが(3手詰ハンドブックを10分で解く特訓中)、さすがにハンドブックレベルの3手詰はかなりスラスラ行けるので、100問解けばそれだけで+300手ですからね…これが利いてます。

他にも、「詰将棋道場」の7手詰や9手詰を解いたりしてました。どうも私はあまり強くは無いけど詰将棋が好きみたい。

ただ、仕事は先月より落ち着いていたのに棋譜並べの量が先月を下回ったのは猛省です。とくにサボっていたつもりも無いのですが…記録を見ると月頭に棋譜並べがほとんどできていない。はて、何かあったっけな…?

実戦では、まあコメントで色々いただいたのを機に思うところもあり、将棋ウォーズからは少し足が遠のいています。最近は切れ負けの無い、81Dojoや将棋倶楽部24へ戻りつつありますね。

81Dojo、知る人ぞ知るサイトというのは変わりませんが、以前は多くても200人いればいい方だったのですが、最近は多いときは300人くらいはいるようです。カロリーナ女流効果かなぁ…まあ、他の大手と比べると、まだまだ文字通り桁違いなのですが…

でもシステム的には私は81Dojoが一番好きです。

 3手詰ハンドブック
浦野 真彦
4861370329

気がつけば5年目

2014年4月に本ブログを開設し、気がつけば5年目に突入していました。

正直、ここまで長く続くとは自分でも思ってませんでした。

…と書くと、「飽きっぽい性格なのによく続いたな」という文脈が大体続くんでしょうけど、私の場合は、さっさと棋力向上を果たして完結、という結末を考えていたというのが正直なところです(笑)。

ブログ開設当初と比べると確かに棋力は上がっているのでしょう。当時は81Dojoで4級、将棋ウォーズでも3級、24だと13級くらいだったはず。当時の棋譜は取ってあるので、たまに眺めてみると、当時の将棋の拙さがよくわかりますし。

ただ、4年間の成果としてはどうなのでしょう。世間様の平均がよくわからないのでなんともですが、それなりに真面目に取り組んできた成果としては、個人的に少々不満ではあります。

娘達も結局11級で止まったまま一歩も進まない。やる気があるのか無いのかわかりませんが、まあこちらは基本的に放置です。

そうそう、おかげさまで4年間の間にアクセス数も大きく伸びてます。月間ページビュー数は開設当初はせいぜい200くらいでしたが、1年ごとに1000、1800、2500とのび、今はだいたい4000くらいです。日割りにすると大体130~150くらい。下手すると1日で開設当初の月間ページビューに迫りますね(笑)

別にこのブログでアフィリエイトを稼ごうというつもりは無いので、今後もページビューを気にするよりは書きたいことを書く自由なスタイルで行くつもりです。(一応、棋書を紹介するときなどはアフィリエイトのリンクを貼ってたりもしてますが、まあ稼ぎはよくて子供の小遣いレベルですw)

というわけで、今後とも当ブログに、ゆる~くお付き合いいただければ幸いです。

成長だねぇ…

成長…と言っても棋力の話ではなく…

娘たちの棋力向上については、基本的に見捨てたとは言え、本人たちが希望するので今も週一の将棋教室通いは続けています。

私はその傍らで、席料を払って大人客として指すというのがいつものスタイル。

ただ、子供の将棋教室は午後3時でお開き。それ以降は基本、帰宅ということになっています。当然、娘達も例外ではありません。

ただ、私は道場内リーグに参加している関係で、3時以降もいることが多い。リーグに参加している大人は、子供教室の喧騒を避けて3時以降から来る人も多いので、子供と一緒に3時に帰ってしまうと、なかなかリーグ戦を消化できない事情があります。

なので、3時以降も娘たちを待たせて4時とか5時くらいまで粘る、という状態になってました。

そこのセンターは基本7時まで営業してますが、さすがにそこまで娘達を待たすわけにもいかず、消化不良感を抱えて帰るのが常でした。

娘たちが自分たちだけで帰宅できるようになればなぁ…と少なからず思ってました。

次女一人だとさすがに無理でしょうが、4月から5年生の長女ならば、もう何度も通っている道ですし、交通費はKitaca(Suicaの北海道版)で持たせてるので、やろうと思えばやれるはずとは思ってました。が、打診はすれど、自信ないとのことで、色よい返事は無く。

が、とうとうその日が訪れました。

先日、姉妹だけでバスを使って祖母(妻の母親)の家を訪れたことで自信が付いたみたいで、自分たちの方から「明日の教室では先に帰るから」と言ってきました。

で将棋教室の日。とりあえず、万一迷子になった時のために、私の連絡先を書いたカードを持たせ、「迷子になったら、駅員さんか近くのお店の店員さんにこれを見せて助けを求めろ」とだけ言い含めて、教室が終わった後先に帰らせてみましたが、どうやら無事に帰りついた模様。

「JRはバスより楽だった」などとのたまってました。

子供子供と思っていても、娘達も着実に成長しているんだなぁと感じました。

…棋力はさっぱり成長しませんけどね:p

[棋譜並べ]久米鉄次郎vs天野宗歩 1844/05/19

現在は棋譜並べを修練の中心に据えていますが、最近は天野宗歩を集中して並べています。棋譜並べは天野宗歩だけでいい、などという人も居るくらいで、さすがに極論だとは思いますが、本筋の手が身につくという言葉もあり、まずは並べられるだけ天野宗歩を並べてみようと思ってます。

並べた棋譜はもちろんノートに全て取ってますが、ブログで他者向けにアウトプットしてみるのも勉強になるかと思い、今後並べた棋譜は極力ここで紹介してみようと思います。

で、今回は1844年5月19日の、天野宗歩vs久米鉄次郎の角落ち戦をご紹介します。宗歩の棋譜はこれで5局目くらいかな…

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下手三間飛車というのは角落ちでよく見られる定跡形の一つですが、こんな昔からあったんですね。私も角落ちの下手を持つことが結構多いのですが、その場合はだいたい矢倉模様にします。

上手の宗歩はまさかの棒金の構え。棒金は石田流の対抗策として昔からありますが、どちらかというと棒銀のように攻め潰すというより、金銀二枚のスクラムで押し潰す指し方です。下手は今で言うノーマル三間飛車の構えですが、同様に押さえ込みを図る方針でしょうか。

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ここ、なぜ▲同桂と取ったのか。桂を渡せば本譜のとおり△8六歩からの桂の打ち込みは見えると思うんですが。▲同歩△同桂▲同桂△2四歩の展開なら(変化図1)、△8六歩からの筋はすぐには来ませんし、その間に攻勢を取ることもできたかもしれません。

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△2五歩と取られたときに、玉頭に手順に歩が伸びてくるのを嫌ったんですかね…2018-03-29d.png

桂を入手して△8六歩からここまでの一連の手順は、初見では見えませんでしたね。うまい手順です。応用も利きそう。下手としては44手目の▲7九飛が迂闊だったということでしょうか。一見、何気ない手なんですが。

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この桂ハネはどうだったんでしょう。△8七成桂と当てられる前にさばいてしまおうということかもしれませんが、結果として本譜のように遊び駒になりかけていた棒金をさばかせ、上手の飛車先も軽くなってしまった感があります。

▲6六銀△8七成桂▲6四歩とかでどうでしょうか(変化図2)。

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そして軽手が飛んできます。

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本譜のように▲同飛なら△8五飛で飛車がさばけ、▲同角でも△8五飛で、次に△6六歩を狙おうってことでしょうか(▲6六同銀なら△6七香が激痛)。▲同角△8五飛に▲8六歩なら、6五、2五の歩をパクパク食べながら下手の玉頭に回ればよさげですし。

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うーん、私が上手なら自分から遊んでいる下手の飛車と竜と交換はしたくなかったところですが….。せめて向こうから取らせて△同歩と手順に歩を進めたい。なのでここは△2六桂を先に打ちたい気がしますが、既に7筋からのと金攻めが間に合う状態ではないってことかな…。実際、ここから上手玉の寄りが早かったですしね…

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時既に遅しではありますが、宗歩の棋譜にはこういった垂れ歩の筋が頻出しますね。とても勉強になります。

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銀で取らせて質駒にするぞってことですか。△5三玉だと▲4一飛成△同金▲4三飛△6二玉▲5三金で寄り。△6二玉なら▲7二金△同銀▲同飛成△5三玉▲4五桂△4四玉▲4二竜△同飛▲5四金まで…かな?途中▲7二金に△5三玉でも▲4一飛成でほぼ受け無さそう。

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ここで投了。

初見の時はなぜここで投げるのかわかりませんでしたが、▲7二飛成以下の詰めろになってるんですね。一方で下手玉には寄りが見えなので投了と、そんなところでしょうか。

図面にはしませんでしたが、83手目の△2六桂の打ち込みに対して▲4五歩と手抜いて玉頭をこじ開けにいく指し方は、今の自分には無い感覚ですね。銀を取られてもすぐに寄るわけではないので、玉頭から攻めかかる方が強いってことですか。よく「攻めの相手をしすぎ」と言われるので、この感覚は見習わないとですね。

以下、棋譜です。

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攻めの休息

突然ですが、毎週月曜日は一切将棋に触れない日とすることに決めました。

修練はもちろんのこと、対局やネットでの観戦など、とにかく将棋に関することすべてを、この日一日だけは一切遮断する。

突然こんなことなんで決めたのかというと、理由は2つ。

  • 最近は将棋の棋力を伸ばすことに入れ込みすぎて、時間があれば将棋関係のことばかりしている。結果、本業関係の勉強がやや疎かになっているし、その他の読書量も以前に比べて覿面に落ちている。
  • 棋力を伸ばす点からも、たまには将棋から脳を完全に切り離してみるのが有効なんじゃないか

前者は文字通りの意味なのですが、後者が何を意図しているのかと言いますと。脳にある程度休息と情報整理の時間を与えようということですね。

「凌ぎの手筋200」を私はしばらくの間、徹底的に叩き込むべく、ほぼ毎日、2日で1周のペースで解き続けていたことがありました。それはそれでもちろん身にはなっていたのですが、先日、この「凌ぎの手筋200」に2か月ぶりくらいに取り組んだところ、以前は見えていなかったいろいろなことに気付くようになっていたのです。既存の知識との関連性や、以前は見落としていた観点などなど。散々やりこんだ本であるにもかかわらず、まだ新たな発見があることがわかった。

ある程度時間をおいて、以前やったことに再び取り組んでみると、新たな発見・気づきがあるということは、将棋以外でも実体験として何度も経験していることです。

間を置かずにやり続けていると、どうしても同じような視点・思考の枠内でとらえてしまいがちです。そこをあえて一時的に遠ざかることで、いったんその枠組みが外され、新しい気付きが生まれているのだと思います。

なので、週に一日くらいは完全に将棋から離れる日を作ってみようかと。新しい気付きを生み出すための、言ってみれば「攻めの休息」ってところでしょうか。

この日は新しい本を読み始めてもいいですし、他の趣味に当てるなり、今まで将棋に入れ込みすぎて手が付けられなかった他のことをボチボチやってみようかと。それらも、新しい思考の枠組みを産むきっかけになるかもしれませんしね。