不惑オヤジ(と娘)の将棋な日々

アラフォー親父と小学生娘の悪戦苦闘の記録

[棋譜並べ]長坂六之助vs天野宗歩 (飛車落ち) 1854/7/13

※この棋譜並べシリーズは棋力初段レベルのブログ主が、自身の学習のアウトプットとして書いているものです。解説とかではない旨をご承知の上で、お読みください。

今回ご紹介するのは、1854年7月13日に行われた、長坂六之助vs天野宗歩の飛車落ち戦です。

△3四歩 ▲7六歩 △4四歩 ▲4六歩 △3二金 ▲4八銀
△4二銀 ▲4七銀 △5四歩 ▲5六銀 △4三銀 ▲4八飛
△3三桂 ▲3六歩 △3一角 ▲5八金右 △6四角

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宗歩の飛車落ち棋譜では、この角上がりを許さないよう先に▲6五銀と先受けする棋譜ばかり見てたのですが、今回宗歩は玉の囲いを後回しにしてこの角出を急ぎました。まあ、それでも下手が▲6五銀と先受けしようと思えばできたでしょうけど。

▲3七桂 △5二金 ▲6八玉 △5三金 ▲7八銀 △7四歩
▲4九飛 △8二角 ▲8六歩 △6二銀 ▲8七銀 △6四金

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プロ棋士の天野宗歩評としてよく聞かれるのが、「スピード感が凄い」という評価。江戸時代の棋士は玉をじっくり囲って…という指し方が多い中、隙を見つけたら囲いが未完成なままの仕掛けも躊躇わない、ということらしいです。

この、▲8七銀と上がった瞬間に△6四金と上がる指す筋にも、そんな宗歩の傾向が見えるような気がします。

▲8七銀は銀冠に組もうということでしょうが、この形だと銀冠の完成にはまだ手数がかかる。そこへ、この△6四金。次に△5五歩▲4七銀△5四銀と中央を制圧する手をちらつかせて、▲4五歩を催促しているのだと解釈しました。開戦になれば、先手陣のいびつさが必ず祟るだろうと。

上手も居玉で相当怖いはずですが、下手の銀冠が中途半端すぎるので行ける、という判断でしょうか。

▲4五歩 △5五歩 ▲4四歩 △5四銀 ▲4七銀 △5三銀

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本譜はここで▲4六銀とせり上がっていきましたが、▲3五歩の桂頭攻めもあり得たようです。

▲4六銀 △4四銀 ▲5六歩 △4五歩 ▲5五歩 △4六歩
▲5四歩 △同 金 ▲4四角

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さすがにこの角切りは無謀なような…

△同金となった局面は下手の右桂と飛車はまだ世に出る目処が立たず、銀二枚ではさすがに攻めをつなぐのはむずかかったと思います。

△同 金 ▲5三銀 △4三銀 ▲4四銀成 △同 銀 ▲4五歩
△5三銀 ▲5四歩 △同 銀 ▲5三金 △4三銀

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二度にわたって△4三銀が出てきますが、いずれも駒損を避けながら詰めろもギリギリ受けているという、実に美しい手。

下手はこの後▲7八玉と自陣に手を戻しますが、ここまで強攻しておいて自陣に手を戻さなければならないようでは、やはり指し過ぎだったということなのでしょう。

▲7八玉 △5二歩 ▲6三金 △5四角 ▲6四銀 △6二歩
▲4四歩 △同 銀 ▲4六飛 △5五銀打 ▲4四飛 △同 銀
▲5三銀打 △同 歩 ▲同銀成 △6三角

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勢いで△5三同銀と取ってしまいたくなりますが、(1)△5三同銀▲同金と(2)△6三角▲同成銀△同歩(本譜)では後者が正しいのは明らか。

(1)は角当たりが残っている上に、詰めろですからね…

(2)は玉回りが非常にスッキリする上に、下手の攻め駒が持駒の角一枚になってしまい、明確な切れ筋です。

▲同成銀 △同 歩 ▲5四角 △4二金 ▲6三角成 △5五角
▲7七桂 △同角成

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角成を桂で遮ったわけですが、構わず角切り。まあ、さすがにこれだけ持駒があれば寄りますか…

▲同 玉 △6五桂 ▲6八玉 △7七銀 ▲5九玉 △6二歩
▲6四馬 △3九飛 ▲4九歩 △3八銀 ▲4八金 △5七桂成
まで91手で上手の勝ち

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最後も非常に美しい投了図。

囲いが未完成な瞬間に、攻めを催促して開戦させる指し回しや、駒損と詰めろを同時に防ぐギリギリの凌ぎには唸らされました。

下手はやはり第4図の角切りが無謀だったんだと思います。

以下、棋譜です。

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「どうすれば子供に将棋への興味を持たせられるか」

いきつけの将棋センターでは、私達のように親子で指してる人は少ない。数年前は私たち以外にいなかったような気がしますが、最近は少数ながら何組か見かけます。ただ、特に私のように、子供が女の子でしかも二人というのは、おそらく他にいないはず。

そんな状況が珍しいのもあるでしょうが、「どうすれば子供(孫の場合もある)に将棋への興味を持たせられるか」と聞かれることがたまにあります。

ただ、身も蓋もない言い方になりますが、「そんな方法はない」としか言えません。少なくとも私は知らない。

私はとくに子供たちに将棋やろう、と言ったわけではありません。私が盤駒出して修練してたら、それを見てた子供らの方から興味を持っただけなのです。

一度抱いた興味を持続させる方法論は多少持ってますが、そもそも興味を抱かないものはどうしようもないです。無理にやらせても将棋を避けるようになるだけで逆効果です。

会話としては「せいぜい、子供らの前でことさら楽しそうに将棋指すくらいじゃないですかね」と応えるですが、案外真理を突いているんじゃないかと思ってます。

うちの娘達は棋力はサッパリ伸びてきませんが、幸いにも楽しそうに将棋指してるので、まあこれでいいかなと、親としてはある意味悟りの境地です。

強くなりたいという本人達の望みを叶えようと、結構頑張って奮闘しましたが、空回りばかりでもう匙投げました。とくに上の子はもう小5なのですから、強くなりたいというのが本気なら、自分である程度なんとかするでしょう。そのための環境だけは与えてあるので、あとは本人達次第ですが、今のままでいいというなら、それでもいいと思ってます。

私の将棋歴

私のような中年男性が将棋にはまるきっかけって、大きく以下の二つあるのだそうです。

  • 趣味を持ちたいと思っていたところに、若い頃指していたのを思い出して再開
  • 子供が興味を持ったので一緒に始めてハマる(そして子供は早々に興味を失い、父親だけが残る)

私の場合は前者です。このブログの性質上、後者だと誤解されてそうな気がしますが、娘達はむしろ私に触発されて興味を抱いた側です。

将棋を覚えたのは小学生の頃。今にして思えば、自分含めて皆棋力はたいしたことないものの、指せる子供だけはたくさんいました。学校に将棋盤など持って行けませんでしたから、紙にボールペンで書いた将棋盤に、鉛筆で書いた駒を消しゴムで消して動かすという方法で、休み時間に指してましたね。

当時の棋力は今にして思えば全然たいしたことありませんでした。当時から凝り性で、自分なりに本を読んで勉強してたりはしてたので、暇つぶしに指すだけの他の子供達の間では敵無しでしたけども。

高校時代は半分幽霊部員ながらも将棋部所属でした。が、高校卒業を期に将棋からすっぱり足を洗ってしまい、それ以降は全くと言っていいほど指してなかった。

正直言えば、高校卒業とともに将棋から離れてしまったことを、今となって後悔している部分もあります。あのとき続けていれば、今こんな中途半端な位置で「棋力が上がらない」とボヤいていることも無かったろうにと。高校時代の部員は少数ながら、私以外はかなり強い奴らばかりで、棋力を上げようと思えば恵まれた環境だったはずですが、当時の私はそこまで熱心ではなかった。

そして40歳を目前にしたあたりからまた再開したのですが、どうして再開しようと思ったのか、今となってはよく思い出せません。スマホでアプリストア見てたら、将棋の対局アプリがあったので、懐かしさもあってなんとなくためしてみたらハマった…そんな感じだった気がします。元々無趣味人間で、何か趣味を持とうと思っていた側面もあります。将棋は大してお金もかからない趣味ですし、運の要素がほぼ入らないゲームなので、私には合っていたのだと思います。

娘達はそんな私を見て、将棋に興味を持ちました。ただ、昔の私と同じでそれほど熱心とは言えない。それなりに経験値だけはあるので、学校のクラスメイトと指すと無双状態みたいですけども。なんだかんだで今でも続いていますが、今の棋力から上がっていかないようなら、少なくとも長女は小学校と一緒に卒業しそうな気がしますね。

将来、彼女らに子供ができたときに、今のことを思い出してまた復活したりするのかもしれませんけどね…。それならそれで、教えた甲斐もあったというものですが。

[棋譜並べ]YouTube実況 アユム五段vsX四段

※この棋譜並べシリーズは棋力初段レベルのブログ主が、自身の学習のアウトプットとして書いているものです。解説とかではない旨をご承知の上で、お読みください。

今回は、YouTubeで将棋ウォーズの対局動画を公開している「元奨励会員アユムの将棋実況」のアユムさんの対局動画からピックアップしてご紹介します。

※掲載にあたって、アユムさんの許諾をいただいてます

なぜ天野宗歩でもプロでもなくアマチュアのYouTuberなのか?と思われた方は、こちらをお読みください。

今回ご紹介するのはこちらの動画から。

45歩早仕掛けvs向かい飛車(四間飛車と合流) 将棋ウォーズ実況 10分切れ負け

では、早速。

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △4四歩 ▲2五歩 △3三角
▲4八銀 △2二飛 ▲6八玉 △4二銀 ▲7八玉 △6二玉
▲6八銀 △7二銀 ▲5六歩 △7一玉 ▲5七銀左 △9四歩
▲9六歩 △8二玉 ▲5八金右 △5四歩 ▲3六歩 △4三銀
▲3七銀 △1四歩 ▲1六歩 △1三香 ▲6八金上 △5二金左
▲2六銀

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アユムさん曰く「四間飛車と向かい飛車には棒銀が有力」であると。向かい飛車はよく知りませんが、少なくとも四間飛車に棒銀で挑む人など、加藤九段の引退でプロの世界ではもう絶滅したという認識でいましたが、アマチュアのレベルではまだまだ通用するってことですかね。

ただ、本局のアユムさんの指し回しを見ていると、私は対四間飛車の棒銀というか急戦策に誤った認識を持っていたのかも…と思わされました。

△3二飛 ▲4六歩 △6四歩 ▲3七銀 △7四歩 ▲4五歩
△6三金 ▲4八銀右

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驚愕の手順でした。一度前に出した棒銀を元の位置に引っ込めるとか、私の棒銀の辞書にはあり得ない指し回し。棒銀に「後退」の二文字はない、というのが私の認識だったので、私なら多少無理しても▲3八飛とか▲3五歩とかで仕掛けに行ったでしょう。

しかし、アユムさんは△3二飛を見て、棒銀を引っ込めて▲4五歩早仕掛けの方針にチェンジ。

「棒銀は引いてもいいんだ…」

まあ、角換わり棒銀で中央方面へ組み替えるという指し方は私もたまにしますが…対振り棒銀においては、大きなカルチャーショックでした。

△4二飛 ▲3七桂 △6五歩

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これは怖い手ですね。玉の小ビンがスッカスカに空く上に、角交換後に▲3一角という馬作りの筋もちらつく。私なら怖くて指せませんが、果たしてどんな意図だったのか。将来的に先手玉の小ビンを攻める構想だったのかな?。

▲4六銀 △4五歩 ▲3三角成 △同 桂 ▲5七銀引

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ここも「急戦は勢い!」と思い込んでいた私なら、銀を引かずに▲4五同銀や▲4五同桂と突っ込んでいたことでしょう。急戦でもこんな指し方があるのか…

△4四角 ▲7七角 △同角成 ▲同 金 △7三桂

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△8五桂▲8六金△4四角みたいな筋が気になりますが、アユムさんによれば、最悪でも右へ逃げていけば良いので角成はそれほど気にする必要はない、と。実際、そうなった局面は、ソフトも先手やや有利との判断をしています。

うーむ、このあたりの大局観が私などとはやはり違いますね。そのあたりも見越して、棒銀を無理に突っ込まなかったという意味もあるのでしょうか。銀が控えている分、右辺の安全度は増してますからね。

▲3一角 △5二飛 ▲1三角成 △4四角 ▲8六歩 △8四歩
▲8八香 △5五歩 ▲同 歩 △同 角 ▲5六歩 △4四角
▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △5四銀 ▲3四飛 △7七角成
▲同 玉 △3二歩 ▲6八玉 △5五歩 ▲同 歩 △同 銀
▲5六歩 △同 銀 ▲同 銀 △同 飛 ▲5七歩 △5一飛

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アユムさんの判断によれば、既に先手がかなり良いと。

ふーむ、私なら先手を持ちたいかと言われると躊躇しますが…。

なので、冷静に局面を判断してみると…

駒の損得:角香と金銀の交換で互角に近いが、馬ができている分やや先手有利か
玉の堅さ:高美濃囲いが健在な後手
駒効率:どちらも目立った遊び駒はなく互角。1三馬が少し気になるが、自陣に効いているし▲3五馬と一手引くらいで攻めにも効くので問題は無さそう。
手番:先手

…というわけで、私の目には良くて互角、実際には居飛車やや指しにくい局面と写るんですけど、ソフトで確認してみると確かに先手が+1000くらいリードしている。うーむ…

先手としては握った手番で後手の美濃囲いを崩しに行くという方針になるのでしょうが、その手番が大きいということなんでしょうか…

[20180613 追記]

うわ、恥ずかしい。駒の損得、角香と金銀じゃなくて、角香と金で明らかに先手寄りじゃん。

これは確かに先手の方がよいのか…

[20180613 追記ここまで]

▲7五歩

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というわけで、指されてみれば当然の▲7五歩なんですが、自分だと実戦では意外と気づかない気がする。

△6六歩 ▲7四歩 △6七歩成 ▲同 金 △6六歩 ▲同 金
△6五歩 ▲7三歩成 △同 金 ▲6五金 △7六銀 ▲6六金
△6五金 ▲同 金 △同 銀 ▲6七歩 △5六歩 ▲同 歩
△6六歩 ▲同 歩 △5六銀 ▲7七玉

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当然ながら冷静な早逃げ。その前の△5六歩からの仕掛けは、1三の馬が自陣に効いてくるのでどうか、とアユムさんはおっしゃってましたが、なるほどですねぇ…

△5七歩 ▲7四歩 △同 金 ▲同 飛 △7三歩 ▲8四飛
△8三歩 ▲6四飛

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歩を全て使わせて6筋に飛車をセット。端から攻めたときに玉の逃げ道を塞いでも居ますね。でも歩がないので遮るのも難しい。いやぁ、巧みです。

△5八歩成 ▲9五歩 △4八と ▲9四歩 △7五銀 ▲9三歩成
まで119手で先手の勝ち

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最後は手勝ちを読み切っての見事な即詰みでした。

うーん、対振り急戦で銀を引っ込めるという指し方が私には衝撃的でした。対振り急戦の鉄則として、安易に飛車を捌かせてはいけないというのがありますが、そういう意味では無理に突進するよりも守りを固めて飛車の捌きを抑えるべき、ということなのかもしれない。

しばらく対振り急戦はやってませんでしたが、またやってみようかなと思わせてくれる将棋でした。

以下、棋譜です。

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考えるということ

長女は11級で停滞して既に2年半が経過してます。次女はまだ1年たってませんが、最近の成績や指し回しを見るに、長女の二の舞を演じそうな気配がプンプンします。

二人の傾向には共通点があって、一時期とても光る指し回しを見せる時期があったのに、あるときそれがすっかりと影を潜めて元の木阿弥になってしまったということ。次女も11級上がった直後くらいはもっといい将棋を指していたように思います。

リーグ戦は二人とも1ヶ月で白星がせいぜい2つか3つで、あとは十数個の黒星が並ぶとかそんな状態。

ただ、一時期この白星が6~7個くらいに増える時期もあったんですよね。なのに今は元通り。

その時との違いは何かと考えてみたら、思い当たることが一つありました。

二人とも、考えないんですよ。ほとんどの手をノータイムの手拍子で指してる。それは一時成績が上向いた以前もそうで、見かねた私が、「せめて1手6秒は考えて指せ」と強く言い聞かせてた。成績が上向いていたのはちょうどその時期に重なります。

その後、もう棋力向上へ指導することは放棄すると決めて放っておいたら、しばらく経ってまた元の超早指しに戻ってる。成績の下降もちょうど同じ時期に重なってます。

 

基本、今の娘達の時期は、実戦を繰り返すだけで強くなれるといわれている時期のはずです。それなのにいくら指してもサッパリ昇級が見えないのは、考えて指さないから、指した将棋のことを全く覚えてないせいじゃないのか。なので負けた将棋の敗着は何なのか、勝った将棋のどこが良かったのか、次にフィードバックする情報が全く残ってない。

金沢将棋をやっていて、負けると「意地悪~」なんてぼやいてますが、それもそんなメンタルの表れな気がします。考えてないものだから、自分が負けた原因を作っている(悪手を指している)という自覚が持てない。だから、相手が意地悪なんだという発想になる。

というわけで、先週、センターへ行く前に昼食を摂りながら、改めて言い含めました。考えることで、次の将棋への反省が生まれて強くなれるんだと。持ち時間10分のリーグ戦なら、持ち時間を使い切るくらいでないと駄目だと。

すると、なんと長女はその日だけで4連勝を含む6勝をマーク。6月からの2年半ぶりの10級昇級を決めてしまいました。本人にはまだ伝えてません。今日、現場で驚いてもらいましょう。

次女も昇級ラインにこそ達しなかったものの、いつもより成績はよかったもよう。

これで二人とも、考えることが大切だということをきちんと認識してくれればいいんですがね。それさえ徹底できれば、まだ実戦を指すだけでも上がれるはずだと思ってます。

[棋譜並べ]市川太郎松vs天野宗歩 (右香落ち) 1856/7/20

※この棋譜並べシリーズは棋力初段レベルのブログ主が、自身の学習のアウトプットとして書いているものです。解説とかではない旨をご承知の上で、お読みください。

今回ご紹介するのは、1856年7月20日に行われた、市川太郎松vs天野宗歩の右香落ち戦です。

普通「香落ち」と言えば角側の香を落とす左香落ちですよね。奨励会などでは香落ちがよく指されるようですが、それももちろん左香落ちです。ただ、現存している宗歩の香落ちの棋譜は全て右香落ちのようです。昔は香落ちと言えば右香落ちだったってことでしょうかね。

△5四歩 ▲7六歩 △6二銀 ▲9六歩 △7四歩 ▲9五歩
△9二飛

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宗歩の右香落ち棋譜を並べるのは実は本局で2局目。1局目は紹介するタイミングを逸してしまいましたが、そちらでも同様に下手が9筋を突き越して、上手が飛車で9筋を受けるという形になってました。右香落ちの定跡形なんですかね。

▲5六歩 △5三銀 ▲6六歩 △3四歩 ▲7八銀 △4二金
▲6七銀 △4一玉 ▲4八銀 △5五歩

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宗歩は隙あらば歩交換を仕掛けるという印象を個人的に持っているのですが、ここでも角筋を使った歩交換。下手が▲4八銀としたため飛車が5筋に回れなくなったタイミングを突いているということでしょうか。

▲同 歩 △同 角 ▲5七銀 △3三角 ▲5八飛 △5四銀

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銀が単機でせり出していく形。個人的には銀が浮いている状態なので漠然とした違和感がある手です。▲4六銀には△5五歩と抑えて何でもないよ、ってことなんでしょうが。

下手は銀二枚でやや分厚く構えようとしているので、先に中央を抑えてしまおうってことかな?

▲4八玉 △1四歩 ▲3八玉 △1五歩 ▲4六銀 △5二飛
▲9七角

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直前の▲9七角は…いざというとき上手の飛車先を抑えてしまおうってことでしょうか。どちらにせよ、9一に香がいる平手では成立しにくそうに見える手です。

そこで△6五銀みたいな手は(▲同歩なら△9九角成狙い)…さすがにないか。▲5二飛成から飛車交換になると上手陣は飛車に対してスカスカですからね。

で、直後のこの△4四歩。中央を制している駒の一つである角の利きを何故わざわざ止めるのでしょう? 銀の退路を作ったということなのでしょうが…実際、この後下手は中央の制圧に成功します。

仮に放っておいて△3二玉とかの時に、角筋が通っていれば▲5六銀とはできないので(△6六角がある)、中央に色気を出すなら▲5五歩なのでしょうが…ソフトによると、素直に△5五同銀▲同銀△同飛▲同角となった局面(変化図1)は上手有利という判断。

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飛車交換は陣形スカスカな上手不利…と思いますが、中央に角が陣取るこの形では意外と飛車打ちの隙が無い。隙があるとすれば▲9二飛ですが、△9一銀で飛車が即死。角筋のにらみも生かして▲4二飛成からの強襲はありそうですが、ソフトの判断ではやや無理気味、らしい。

例えば、▲9二飛△9一銀▲4二飛成△同銀▲5三銀に、△5一銀とかわす(変化図2)。

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これが冷静なかわしで、▲4二金と露骨に打ち込んできてもギリギリ耐えているもよう。

とはいえ、下手陣にもすぐに攻めかかれるような隙が無く、少し上手有利な程度の、互角に近い将棋になっているらしい。

とまあ、△4四歩を突かないと、辛うじて踏みとどまっているとはいえかなり危ない目にあうっぽい。それを嫌っての△4四歩だったんでしょうか。

△4四歩 ▲5五歩 △4三銀 ▲5六銀 △3二玉 ▲6五歩
△2四角 ▲4八金 △3三桂 ▲6八飛 △4五歩 ▲5七銀
△5四歩 ▲同 歩 △同 銀 ▲6四歩 △同 歩 ▲同 角
△6二飛 ▲5五歩 △4三銀 ▲6三歩

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手筋のタタキ。うっかり△同飛と取ってしまうと、▲4二角成から飛車を素抜かれてしまいます。よくある手筋ですが、普段の対局でこういうのは見逃さないようにしたいところ。

△9二飛 ▲7五歩 △同 歩 ▲6六飛 △7二金 ▲6二歩成
△同 金 ▲9一角成

2018-05-28h

これも手筋なんですが(△同飛なら▲6二飛成)、歩が4枚あるので本譜のように受かります。そこを読み間違えたんですかね…。

△6五歩 ▲同 飛 △7三桂 ▲6八飛 △6七歩 ▲同 飛
△6六歩 ▲同 飛 △6五歩 ▲8六飛

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馬を諦めて飛成にかけた飛車回りですが、素直に▲9二馬△6六歩と飛車交換するほうがマシだったのではないでしょうか。本譜は馬を犠牲にしても飛車を捌かせまい、ということだと思いますが、さすがにその代償が馬では厳しそうな…

△9一飛 ▲8三飛成 △7二角 ▲7四龍 △8一飛 ▲7八金
△6三金 ▲7五龍 △8三角

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個人的に、この一局のこの一手を選べと言われたら私はこれを選ぶかもしれないです。

△7二角と打ち込んだときはただの守備の角。しかし、この1手でたちまちカツが入った感じ。下手玉を間接的に遠くから睨んでいるのがポイントで、これが後々効いてくるのです。

▲7七桂 △3五角 ▲7六龍 △7四金 ▲9四歩 △同 歩
▲同 香 △7五歩 ▲9六龍 △8四金

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個人的には疑問の一手。どうせ歩切れで9筋は受からないわけですから、同じ角筋を通すなら中央方面へ利かせる△6四金の方が勝るような。

▲9二香成 △7四角 ▲9七龍 △6一飛 ▲8二成香 △6六歩
▲7二成香 △7六歩 ▲6一成香 △7七歩成 ▲同 金 △6五桂打

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ずいぶんアッサリと飛車に見切りを付けたな大丈夫か、と思ったら、桂を入手してのこの継ぎ桂が異様に早かった。

▲6六銀 △7七桂成 ▲8六龍 △5六角 ▲7七龍 △4六歩
まで107手で上手の勝ち

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いやしかし、8図の△8三角からまさかこうなるとはビックリです。改めてこうしてブログ記事にまとめてみると、この将棋は非常に面白かったです。

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棋譜の著作権

現在、修練のアウトプットとして、棋譜並べに使った棋譜を、私なりのコメントを添えてここで紹介するということをしています。

と言っても、紹介を開始してからこの方、題材となっているのは今のところ天野宗歩の棋譜だけです。もちろん、最近は宗歩しか並べてないからですが、最近さすがに宗歩ばかりだと飽きが入ってきたので、ちょっと変化を付けようかと考えていたりします。

具体的には、宗歩をメインとしつつも、アマチュア強豪の棋譜と、プロの棋譜を織り交ぜていこうかと。

で、それらの棋譜を今までと同様にここで紹介していこうとなると、気になるのは棋譜の著作権問題です。

そもそも、棋譜に著作権が存在するのかというところからしてハッキリしていないわけですが、仮に著作権が発生するとしても、天野宗歩の棋譜などはとっくに期限が切れているはずなので問題にはなり得ないはず。

問題はプロの棋譜なんですね。詳細は省きますけど、プロの棋譜については著作権の有無などに統一された見解がなく、どこまでブログで紹介していいものかどうか悩ましい問題なのです。他の将棋ブロガーさんにも、この件に頭を抱えてらっしゃる方が、少なからずいるようです。

囲碁では日本棋院が明確に棋譜に著作権を主張してますし、一方でチェスでは棋譜に著作権は無いという認識が支配的。が、将棋の総本山である日本将棋連盟はこの件について公式見解を出してないんですよね。

なので、やはり今のところは迂闊に紹介はできんかなぁと思ってます。

アマチュア強豪の棋譜については、某将棋系Youtuberさんを勝手にバーチャル師匠と仰ぎ、その方の棋譜をひたすら並べてみようかと。当ブログで紹介するかどうかは別途考えますが、紹介するとしても、ご本人の許諾はいただく必要があるかなと思ってます。

[棋譜並べ]長坂六之助vs天野宗歩 (飛車落ち) 1857/8/1

※この棋譜並べシリーズは棋力初段レベルのブログ主が、自身の学習のアウトプットとして書いているものです。解説とかではない旨をご承知の上で、お読みください。

今回ご紹介するのは、1857年8月1日に行われた、長坂六之助vs天野宗歩の飛車落ち戦です。

同じカードを前回も紹介してますが、あちらは、この対局の5日後に行われた角落ち戦になりますね。

△3四歩 ▲7六歩 △4四歩 ▲4六歩 △3二金 ▲4八銀
△4二銀 ▲4七銀 △5四歩 ▲5六銀 △4三銀 ▲4八飛
△3三桂 ▲3六歩 △6二玉 ▲5八金右 △7二玉 ▲6八玉
△6二銀 ▲3七桂 △3一角 ▲6五銀

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以前紹介した山田力之助vs天野宗歩の飛車落ち戦でも出てきた形になりました。その時疑問手ではと指摘した、この△6四角先受けの銀上がりまで一緒です。少なくとも当時は飛車落ちの定跡として存在する形だったということでしょう。

で、ふと思い立って木村十四世名人の「将棋大観」を開いてみると、確かに飛車落ち定跡の一つに、下手右四間飛車が載ってました。しかも21手目まではほぼそのままの形です。

ただ「将棋大観」では、第1図のように▲6五銀と出るのは疑問手だとしています。これは4筋への攻めが薄くなって上手を楽にするだけで、強く▲4五歩と行くべきだと。

その時に△6四角と出てきたときの変化が「将棋大観」には書いてなかったので、ソフトに尋ねながら確認してみると、▲4五歩に△6四角は、▲4四歩△3七角成▲4三歩成△4八飛▲3二と△5八馬▲同金と進んで、「先手勝勢」(変化図)。

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駒割りは下手・角金銀vs上手・飛金桂で、やや下手得?ですが、と金ができているのが大きそう。しかも上手は歩切れ。駒効率は互角、玉の堅さもほぼ互角となれば、確かに下手が指しやすい局面なのかもしれません。しかし、飛車落ちの手合い差で下手がこの手順に踏み込むのは、少々勇気がいるかもしれません。

△4二角 ▲7八玉 △5三銀 ▲5六銀 △5一角 ▲4五歩
△6二角 ▲4四歩 △同銀右 ▲4五歩 △5三銀 ▲6八金上
△1二香 ▲4九飛 △3五歩 ▲4六飛 △3四銀 ▲7五歩
△4三金

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△3五歩の位取りから金と銀を盛り上げていく手順が巧みですね。

▲6五銀 △3六歩 ▲同 飛 △3五歩 ▲2六飛 △6四歩
▲7六銀 △5二金 ▲8五銀 △6五歩 ▲7六飛 △6四銀
▲7四歩 △6三玉 ▲7三歩成 △同 銀 ▲4七金

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上手は玉の顔面受けも辞さないギリギリの凌ぎ。それに対して下手は、この意図のよくわからない金上がりです。今更そっち方面に転戦? 遊び駒になる予感しかしませんが…▲7四歩とか▲7七桂あたりから考えたいですね。

△8四歩 ▲9六銀 △9四歩 ▲8六歩 △9五歩 ▲8七銀
△7四歩 ▲4六金 △6四銀 ▲3二歩 △7三角 ▲5六飛
△3六歩 ▲同 金 △7五歩

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最初、3筋と7筋の歩突きは手順前後じゃ無いかと思いました。これだと▲4六飛で飛車が逃げる余地があるからです。ただ、ソフトは手順は△3六歩▲同金△5五銀を提示。▲7六飛だと△3五歩が厳しい。

△7五歩から入る手順は、この瞬間が何の駒あたりにもなっておらず緩いため、▲3一歩成が間に合うと。その後△3六歩なら放置して▲4四歩△4二金▲3五歩が入ると。

どのみち、完全に飛車を詰ませる手は無さそうですね。ただ、本譜で下手は飛車を逃げず、△5五銀にも角ではなく飛車から切っていきました。

▲3一歩成 △5五銀 ▲同 飛 △同 歩 ▲4六金 △4二金引
▲7四歩 △同 玉 ▲7六歩 △8三玉 ▲7五歩 △8二角
▲8五歩 △4九飛 ▲5五金 △1九飛成 ▲8四歩 △同 玉
▲8五歩 △8三玉 ▲6五金 △7一香 ▲5五角 △7七歩
▲同 桂 △5五角 ▲同 金 △7五香 ▲8四銀 △7二玉
▲7五銀 △8六歩 ▲同銀上 △4六角

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直前のタタキで銀をつり上げて△7六桂の余地を作ってからのこの角打ちは心憎い。とはいえ、下手も冷静に上手の寄せをかわし…

▲5六香 △3七角成 ▲3二と △5三金左 ▲3三と △7六桂
▲6四桂 △同 金 ▲同 金 △7九龍 ▲同 玉 △6八桂成
▲8八玉 △8七歩 ▲同 玉 △7八銀 ▲7六玉 △6七銀不成
▲8七玉 △7六金 ▲9八玉 △6四馬 ▲8三金

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一手スキができた瞬間のこの金捨て…なんと、以下25手の即詰みです。すげぇ…こんなの私にはとても実戦じゃ読めませぬorz

△同 玉 ▲8四歩 △7二玉 ▲8三歩成 △同 玉 ▲8四飛
まで136手で下手の勝ち

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以下、△7三玉▲8五桂△6二玉▲6四飛△7一玉▲7二歩△同玉▲6一角△8二玉▲8四飛△7一玉▲7二歩△6一玉▲8一飛成△6二玉▲7一龍△6三玉▲7四角まで。

5六の香がよく利いてますね。

下手に緩手が多いんじゃないかなと思ってたんですが、終わってみれば一手違いの25手詰め。やはり江戸時代の棋士といえども、私などとはレベルが桁違いですな…

以下、棋譜です。

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ヤマダ電機将棋教室へ連れて行った

掲題の通り、娘達をヤマダ電機こども将棋教室に連れて行きました。

二人にはもう少し「教わる」というアプローチが必要じゃないかという私の考えを伝え、ヤマダ電機の子供教室の存在を教えると、とくに次女がいい食いつきを見せました。長女もとりあえず試してみるかな態度だったので、善は急げということで早速予約を入れ、土曜日に参加。

内容は、指導員の方との指導対局を時間の許す限り繰り返す、というものでした。感想戦できちんとポイントを説明してくれるので、「教わる」という目的は十二分に満たせる内容だったと思います。

その時の受講人数は娘達を含めて4人と少人数。教室自身のキャパを考えると、多くても6人くらいが限度でしょうね。少ない方がきめ細かく教えてもらえるので、環境としてはむしろ良いでしょう。この密度で50分700円なら、リーズナブルと言って良さそうです。

さらに良いなと思ったのは、受講終了後に、講師から見たその日のポイントを書き記した受講ノートみたいなものをくれたこと。これは、今後継続して受講する場合に順次空欄が埋められていく仕組みで、達成感のようなものを刺激する良い仕組みではないかと思います。

二人ともまずまず良い感触だったようで、次も行きたいと言っていたので、継続して通うことになるでしょう。次回の開催日は残念ながら運動会とバッティングするので、次の参加は6月になりそうですが、ここで指し方を教わり、教わったことをいつものセンターで腕試し。そんな感じになれば良いかなと思います。

 

[棋譜並べ]長坂六之助vs天野宗歩 (角落ち) 1857/8/6

※この棋譜並べシリーズは棋力初段レベルのブログ主が、自身の学習のアウトプットとして書いているものです。解説とかではない旨をご承知の上で、お読みください。

今回ご紹介するのは、1857年8月5日に行われた、長坂六之助vs天野宗歩の角落ち戦です。

それでは、早速…

△8四歩 ▲7六歩 △8五歩 ▲7七角 △7二金 ▲7八銀
△6四歩 ▲6六歩 △6三金 ▲6七銀 △7四金 ▲7八飛
△6五歩

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一直線に金を出ていきなり交換を挑むという平手ではまず見かけないような仕掛け方。成立するのかはともかく、いきなり度肝を抜いてきます。

▲同 歩 △同 金 ▲6六歩 △6四金 ▲4八玉 △5二金
▲3八玉 △7四歩 ▲3六歩 △5四歩 ▲5九角 △5五歩
▲5八金左 △6三金上 ▲4六歩 △6二銀 ▲4七金 △5三銀
▲2八玉 △7三桂 ▲3八銀 △4二玉 ▲1六歩 △3二玉
▲1五歩 △4二銀上 ▲3七桂 △4四歩 ▲5六歩 △5四金上
▲5八飛 △5六歩 ▲同 銀 △5五歩 ▲6七銀 △3四歩
▲2六歩 △4三銀 ▲2七銀 △3三桂 ▲3八金 △9四歩
▲9六歩 △6二飛

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一気に進めてしまいましたが、局面はようやく駒組みが煮詰まってきたかというところ。

上手は金銀を三~四段目に盛り上げて金銀のスクラムで下手を圧迫していこうという構え。い~ですね~。こういう金銀の盛り上がりで押さえ込むような指し方って実は大好きでして…(笑)

三間飛車対策として平手でも応用できないかなぁ~

▲3五歩 △同 歩 ▲3六歩 △6五歩

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直前の▲3六歩に対して素直に△同歩と取る手は無かったんですかね。

△3六同歩に▲同金は金が上ずって囲いが弱くなりますし、▲同銀は△3五歩▲2七銀で玉頭の位が取れて指しやすそうですが。(△3五歩に▲同銀は△3四歩で銀が取れる)

▲4八角 △6六歩 ▲同 銀 △8二飛 ▲7五歩 △同 歩
▲5九飛 △8六歩

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まかり間違えればすぐにでも玉頭方面で戦いが始まりそうな状態で、この8筋攻めはいかにも悠長に見えましたが…下手の飛角も中央へ行ってしまってあたりが薄いですし。

そう思ってソフトに訊いてみたところ、やはりこれは緩手という判断らしい。

さきほど触れた△3六歩の取り込みですとか、△6七歩の垂らしを提示してきました。△6七歩はなんか感覚的によさげですよね。

▲7五銀 △同 金 ▲同 角 △7四歩 ▲5三角成

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思い切った角切り。しかし、ソフトによればやや無理筋らしく、おとなしく▲8六歩と払いながら引くのが良いと。

…しかし、私も同じ局面に遭遇したらきっとぶった切るような気がします。

上手は元々金銀が上ずっていて玉がさほど堅くないですし、思い切っていきたくなるのはわかる。

△同 金 ▲3五歩 △8七歩成 ▲5五飛 △5四歩 ▲5六飛
△6五銀 ▲5九飛 △7八と ▲8三歩

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これはよくある手筋のタタキ。飛車を守りか攻めどちらかに限定させようってことですね。

ただこの場合は△6二飛と回る手もありそうな気がしますが…6五の銀が少し重たいか?▲5一銀も意外とうるさそう?(変化図1)

2018-05-10g.png

飛車を逃げるなら上か9筋方面でしょうが、▲4二金がどのくらいの手か。

△7二飛対して▲4二金は素直に二枚替えしておけばさすがに持駒飛車一枚では厳しそう。かといってもたもたしてたら△5二金がありますし、かといって▲6二金や▲8二金はいかにも無筋くさい。

結論:▲5一銀は無理。

△6二飛と回られたら▲6三歩と叩いて、もう一度守備か攻撃かの二択を迫るのかな?(変化図2)

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△同 飛 ▲3四銀 △8八飛成 ▲2五桂 △3四銀 ▲同 歩
△2五桂 ▲6二銀 △5二金 ▲6六歩

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直前の▲6二銀もいい手には見えませんでしたが、この▲6六歩もいかにも緩い。5九の飛車を捌きたいがためにこの2手を入れたってことなんですかね? 確かに形勢判断的には駒損もしていることですし(角桂と金の交換)、この飛車を捌かないことには勝負にならないのかもしれませんが…

それでも▲6二銀はいかにも筋悪っぽい気が…

変わって▲3三銀と打ち込んで、△4三玉▲4二金△3四玉▲3二銀成の方がまだマシな気がします(変化図3)。

2018-05-10j.png

打ち歩詰めの含みもあってギリギリ詰めろにはなってない気がしますが、それでも上手は駒を渡さずに寄せる必要が生じますので、まだわからない将棋だったかと。

[2018/5/12 追記 ここから]

▲3五歩以下の詰めろですね。△同玉なら▲3六金△2四玉▲2五歩△3四玉▲2六桂まで。▲2五歩と取り込んだときに桂が入るので打ち歩詰めになりませんね。

▲3五歩に△2四玉が一番ややこしいですが、▲2五歩△同玉▲3六金△2四玉▲1六桂△1五玉▲2六銀△1四玉▲2五金までですね。

[2018/5/12 追記 ここまで]

 

△6二金 ▲6五歩 △4三玉 ▲6四銀 △6九と ▲3三歩成
△同 玉 ▲5四飛 △1六桂
まで103手で上手の勝ち

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この桂打ち以下、即詰みです。

▲同銀は△3七銀▲同金寄△同桂成▲同玉△3六銀▲同玉△3八龍▲3七合△4七角▲2五玉△2四金まで。

▲同香は△1七角▲2九玉△1八銀▲同銀△2八銀▲同金△同龍まで。

▲3九玉は△2八銀▲4九玉△5九と▲同玉△6九飛▲同玉△5八銀まで。

…はい、ソフトに読んでもらいました。私じゃとてもここまで読み切れませんorz。

以下、棋譜です。

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