不惑オヤジ(と娘)の将棋な日々

アラフォー親父と小学生娘の悪戦苦闘の記録

月別アーカイブ: 7月 2018

[棋譜並べ]九代大橋宗与vs天野宗歩(角落ち) 1853/05/14

※この棋譜並べシリーズは棋力初段レベルのブログ主が、自身の学習のアウトプットとして書いているものです。解説とかではない旨をご承知の上で、お読みください。

今回取り上げるのは、1853年5月14日の、大橋宗与と天野宗歩の対局です。手合いは宗歩の角落ち。大橋宗与は大橋分家の九代目当主。それでも宗歩相手に平手で指せないのですね…。ちなみに宗与は明治に入ると獄中死し、大橋分家は断絶。最後の当主となってしまった人でもあるようです。

△6二銀 ▲7六歩 △5四歩 ▲5六歩 △8四歩 ▲7八銀
△6四歩 ▲3六歩 △5三銀 ▲4六歩 △8五歩 ▲7七角
△4二銀上 ▲2六歩 △7二金 ▲6六歩 △6三金 ▲6七銀
△7四金 ▲2五歩 △3二金 ▲7八飛

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宗与は最序盤から実に不思議な指し回しを展開。ひたすら歩を突き上げるだけでなかなか飛車を振らず、2筋を突き越して居飛車かと思いきや△3二金を上がらせて飛車を振る。なんか佐藤康光九段を連想してしまいます。

△6五歩 ▲5八金左 △6二飛 ▲6五歩 △同 飛 ▲3七桂

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なんともアクロバティックな受け。

それにしても宗与の変則的な指し回しの意図がここに至ってもいまいち見えません。居飛車をちらつかせることで、左金を右側へ活用できないようにする工夫ですかね。どう見ても伸びすぎに見える右辺をどう処置するのか。

△6二飛 ▲4八銀 △6四銀 ▲5七銀 △8四金

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善し悪しはよくわかりませんが、感覚的には見習いたい一手。一見そっぽへ行くようでも、歩越しの金を解消して△7四歩から落ち着いて攻めようという手ですね。下手からすぐに先端を開くような手が見当たらないので、ゆっくり体勢を整える余裕はあると見たのでしょうか。

▲6六角 △8二飛 ▲4五歩 △6五歩 ▲7七角 △4一玉
▲4八玉 △7四歩 ▲4六銀 △7五歩 ▲5五歩 △5三銀上
▲4四歩 △7六歩 ▲同 銀 △7二飛 ▲8八角 △4四歩
▲6七銀 △7五金 ▲5四歩 △同 銀 ▲4四角 △5三歩
▲5六銀 △7六歩 ▲5五銀右 △同銀右 ▲5三角成

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銀捨てからの強攻。しかも直後に△4三金で馬を殺されるも、金銀との二枚替え。

△4三金 ▲同 馬 △同 銀 ▲5五銀

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結果的には角金交換となりましたが、玉形を大きく乱したのでやれるという判断ですかね。上手の持駒に金もありませんし。実際ソフトの評価では+1200ほど下手に振れてます。

△5四歩 ▲4四歩

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最近、実戦でこういう歩が打てるようになって、結構勝ちを拾えている気がします。棋譜並べの成果が出ているということでしょうか。

△同 銀 ▲5四銀 △6六角 ▲3八玉 △9九角成 ▲5三歩
△3一玉 ▲4五歩 △5五銀 ▲5二歩成 △8九馬 ▲6二歩

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飛車取りを無視して上手の飛車の守備力をそぐ歩打ち。飛車を取られても金銀がある上、上手玉も広くないので勝てるという判断ですね。

△7八馬 ▲4一銀 △2二玉 ▲4二と △1四歩 ▲2四歩
△同 歩 ▲3二銀不成
まで88手で下手の勝ち

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ここで宗歩投了。手筋本に出てきそうな腹銀の連続で鮮やかな寄せ切り….

と言いたいところですが!!

なんとこの局面、ソフトの評価では「上手勝勢」です。△5六馬以下、上手の勝ちだと。

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△5六馬に対して▲4七金打以外は即詰み(手数はやや長めですが…)。ただ、▲4七金打でも、△4六桂▲2八玉△2七香▲同玉△2九飛▲2八香△4九飛成と進んで…

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こうなると持駒の金を使ってしまったので上手玉の詰めろは解けており、逆に下手玉は△3八龍からの詰めろで受けも難しい。

他、投了図の局面では△1二銀のように単純に詰めろを受けるような手でも上手が良い、という評価です。

では宗与のミスはどこだったのか…

…あらためてよく見ると、第7図直後の81手目の以下の局面…

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これ、△4二とから簡単な5手詰じゃあーりませんか

酷い、これが見えない宗与も、俺自身もちょっと酷すぎる orz。宗歩はどうなんだ?この詰みは見えていたのか? 見えていて舐めプしたのか? 忖度したのか?

色々モヤモヤが残る棋譜です…

以下、棋譜です。

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次女が先へ進んでいるか

最近娘達と家で指すことが増えてるんですが、指している感じだと、次女の方が筋のいい将棋を指してます。

うまく言語化するのが難しいのですが、長女の将棋が極めて直線的なのに対して、次女は曲線的とでも言うのでしょうか。意識的にか無意識的にかわかりませんが「力をためる」「包むように寄せる」みたいな指し方ができているのが次女です。もちろん、まだまだ未熟なのですが…

実際、最近の将棋教室でのリーグ戦成績を見ても、次女は長女より成績が良いことが多くなってきました。

ただ、将棋に対しての熱量があるのはどちらかというと長女の方なんですよね。例の詰将棋トライも細々続けてますし、練習対局しようかと言えば長女はだいたい乗ってくる。長女の方から求めてくることもあります。手持ち無沙汰なときはだいたいタブレットでソフト相手に指してるか、詰将棋を睨んでる。一方で、次女は家ではあまり将棋に関わりたがらない。

うーん、歯がゆい。いろいろな意味で。

ちなみに、私と娘達が指すときの手合いは今は六枚落ちです。以前、長女とは四枚落ちまで進んでいましたが、これは娘達の棋力が落ちたというよりは、私の「上手力」が上がったのだと思ってます。

以前は数の攻めに対して頑強に受け切ろうとしては決壊してましたが、最近は決壊することを前提に、金銀をのらりくらりかわし続けて手数稼ぐ指し方に切り替えると、また勝てるようになりました。

いずれにせよ、早く一桁級にはなって欲しいなと…

飲ミュニケーション

行きつけの将棋センターには概ね年に一回、屋敷伸之九段が来場されるのですが、実は昨日がその日でした。

夜は屋敷九段を囲んでの懇親会。センターではたまにこういう懇親会と称する酒席が開かれることがあり、私も以前からお誘いを受けていたのですが、今回初めて参加してきました。

回りは私以外二回り、へたすれば三回りは年上の方ばかり。一番年齢が近いのが実は屋敷九段という状態で(屋敷九段が2歳上)、正直最初はどうなることかと思いましたが、皆さん私のような若輩者にも気さくに話しかけてくださり、楽しく過ごすことができました。

屋敷九段とはあまりお話しできませんでしたが、将棋教室の講師の方から娘達の将棋について興味深いお話を聞かせていただきました。

事情によりその詳細をここに書くことはできませんが、講師の方と私とでは娘達の棋力に関する認識が違っていたというのはわかりました。なるほど、そういう風に見てくださってたのですね…。あれだけの数の子供達を相手にしながら、ちゃんと娘達の拙い将棋の内容まで見ていてくださってる。ありがたいことです。

講師からは私の将棋についてもアドバイスをいただきました。「攻めか受けか、どちらか一方をもっと鍛えた方がいい。バランスが中途半端な感じがする。こう攻めればこう受けるという予測通りに指してくれるので、怖さがない」という内容でした。なるほど…

別の方とは、「女の子限定の大会とかあってもいいよね」というお話もしました。足繁く通っていた女の子も、やがて足が遠のくことが多く、そういう女の子をつなぎ止められないかなという流れで出てきたお話。アイデアとしてはとても良いのではないかと思いました。

教室を見ていても、男女では明らかに将棋に対する熱量が違う。今はそんな男女を完全に同じ土俵に上げているので、センター内の大会に出てくる女の子はそこそこいるのですが、うちの娘達も含めて、ほとんど勝てないのが現状なんですよね。女の子同士で競うような環境を作ってもいいんじゃないかと。

さて、懇親会も終わった帰り際に、ちょっとしたハプニングが。

いざ帰ろうと思って下駄箱から靴を取り出して履こうとすると、なぜかどうにも足が入らない。普段は靴べらなどつかうまでもなくスルっと入る靴なのですが、靴べらを使っても全然入らない。はて。これはいったい…?

…屋敷九段の靴でしたwwww

黒く背の低いスニーカーに太めの白い靴紐。まったく同じものではないですが、確かに、外見えはほとんど一緒の靴でした。

「あー、これはしょうがないですよ」と屋敷九段は笑って許してくださいましたが、とんだ失礼をいたしましたm(_ _)m

私の足のサイズは28.5cmで、普通の靴屋ではサイズを探すだけで一苦労な大きさ。普通の人の靴なんか入るわけ無いんですね(笑)。そのスニーカーも、大きいサイズ専門の店で買ったものだったりします。

それにしても、飲んだのはビールのジョッキ3本程度だったはずなのですが、これを書いている今も少し酔いが残っている気がします。弱くなったなぁ…

[自戦記]土俵際の攻防・堪えるか、寄り切られるか…

今回の自戦記は、のりたま名人戦C級リーグの4回戦からです。

C級リーグは5人構成。相手のyuu7751さんはここまで無敗。この対局に勝てば、あと1局を残して昇級確定。一方の私は1敗でこれが最終局。勝てば優位な状態で他力昇級の芽が残る。そんな、いわば天王山の一局でした。

将棋は、ちょっと風変わりな出だしの角換わりになりました。

▲7六歩 △8四歩 ▲2六歩 △3二金 ▲2五歩 △8五歩
▲7七角 △3四歩 ▲8八銀 △4二銀 ▲7八金 △7七角成
▲同 銀 △4四歩 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三歩
▲2八飛 △4三銀 ▲3八銀 △7二銀 ▲6八玉 △6四歩
▲2七銀

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なかなか△3三銀と上がってこないので、飛車先の歩を交換。その後、△3三銀ではなく△4三銀と上がってきました。あまり見たことの無い駒組みなのでちょっと戸惑いました。感想戦で意図を聴いておこうと思ってたのに忘れてた…orz

この形なら2筋が手薄になると思ったので思い切って棒銀に出てみました。結果から見れば、この構想は悪くなかったはず。

△6三銀 ▲2六銀 △1四歩 ▲1六歩 △7四歩 ▲5八金
△5二金 ▲1五歩

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この形の棒銀の場合、素直に▲2五銀と進めると△3三桂で立ち往生しそうだったので、端から行くことは決めていたのですが、すぐには行かず△5二金と上がるのを待っていました。飛車の横利きが二重に止まっている状態で仕掛ける方が確実だろうと。

ただ、この構想はちょっ疑問だったかもしれない。

△同 歩 ▲同 銀 △同 香 ▲同 香 △7三桂 ▲1二香成
△6二玉 ▲2一成香 △8一飛

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その理由がこの図。右玉の体勢から飛車を引かれて一段目の効きで受けられてしまいました。こうなると、△5二金を待って仕掛けるという構想は明らかに空振りしている。

もっとも、ここまでの手順に何か明確な悪手があったわけではなく、第3図の局面もソフトの評価ではほぼ互角。本当の問題は次の一手でした。

▲2二歩

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成香を守るために歩を打つ。打った直後は「これはいい手」と密かに自画自賛してたのですが、とんでもなかった。

これを打ってしまったがために2筋の形はカチカチの凝り型になってしまって、この後の攻めに困ることになってしまったのです。

▲1八飛から飛成の余地は残ってますが、成香と歩が壁になってしまっており、その後が続けられる気がしません。

事実この後は攻め手が見いだせず、一方的に受けに回る展開になってしまいました。事実上の敗着と言っていいほど罪深い一手かと。yuu7751さんも「▲2二歩はありがたかった」と言ってましたからね…

▲2二歩では成香を見捨てて飛成をめざす▲1八飛が良かったようです。選択肢にはあったのですが、▲1八飛△2一飛▲1二飛成△2二金(変化図1)の時にどうするか悩ましくて断念しました。

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ここで龍を引くようではつまらないし、あまり働いてない飛車と交換するのもシャクだし、打ち込みも怖いし…ということで断念したのですが、あっさり▲2一龍△同金と交換して▲8一飛と打つ手がありました(変化図2)。

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まさか△7一飛とは打てないでしょうから、この局面になれば先手がかなり良かったはず。

とはいえ、本譜はここからひたすら辛抱するだけの展開が続きます。

△8六歩 ▲同 歩 △8五歩 ▲8八香

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▲2二歩の罪深さに気づいたのはこのあたり。本来なら継ぎ歩を手抜きして攻めるような手を見いだせないとまずいのですが、2一成香&2二歩の形のおかげで、何をやっても「遅い」。

なので辛抱の▲8八香。yuu7751さんはこの手を賞賛してくれましたが、なんとか堪えているはず、という漠然とした感触があっただけで、確信があって打ったわけでは無かったですね。

△8六歩 ▲同 銀 △8五歩 ▲7七銀 △9五角 ▲8六歩
△同 歩 ▲8二歩 △同 飛 ▲9六歩 △8七歩成 ▲9五歩
△7八と ▲同 玉 △8七歩 ▲同 香 △6九銀

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手筋炸裂!って感じの鋭い銀打ち。本譜の通り、▲同玉△8七飛成▲7八銀でどうにかその場は堪えたのですが、その後もわかりやすい数の攻めの前に辛い受け一方の展開は続きます。

感想戦では、ここで▲8八玉はどうだったかと。

選択肢にはあったのですが、端に追い詰められるとどうにも受けきれる気がしなくて断念したのですが、yuu7751さんによれば、▲8八玉△7八金▲9七玉となった局面は、どうにも飛車が助かる気がしないと。

確かに、二歩あれば香頭を連打できますが、あいにくと歩は一枚しかない。

その後は△8五歩▲5九金△8九金が一例で、やや後手が良いもののまだまだ互角の攻防だったようです(ソフトの評価値で-100くらい)。

▲同 玉 △8七飛成 ▲7八銀 △8一龍 ▲8七歩 △8二香
▲8八銀 △6五金 ▲2六飛 △7五歩 ▲同 歩 △同 金
▲5五桂 △5四銀左 ▲6三桂成 △同 銀 ▲1六飛 △7七歩

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対局中はずっと劣勢を感じながらひたすら耐えていたのですが、実はこの時点でソフトの評価では先手がかなり良い、という評価になってます(+900くらい)。

ただ、このタタキを本譜▲7七同桂と取ったのが悪手で、▲同銀が正着だったと。▲同桂を選択したのはもちろん△8七香成を嫌ったからですが、それには▲同銀△同龍▲8八香(変化図2)でなんともないと。

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なるほど、後手の持駒の銀が金なら△7八金で攻めが続きますが、銀では龍を助けられませんね…

どうも数手先を読むときに持駒を把握しながら読むのが苦手なんですよね…

本譜は、お約束通り桂頭を叩かれ、あとは最後まで攻めのターンは回らず、攻め潰されてしまいました。

▲同 桂 △7六歩 ▲6八金 △7七歩成 ▲同 金 △6五桂打
▲7六金 △同 金 ▲同 飛 △5七桂成 ▲5八金 △6五桂打
▲6六銀 △7七歩 ▲6五銀 △7八歩成 ▲同 飛 △5八成桂
▲同 飛 △6五桂 ▲7四歩 △7二金 ▲6六桂 △5七銀
▲7八飛 △8七香成 ▲8二歩 △7八成香 ▲同 玉 △6八飛
▲8七玉 △8二龍 ▲8六歩 △8八飛成 ▲同 玉 △8六龍
まで118手で後手の勝ち

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耐える一方の展開ながら、実際は私の方に勝ち目があった将棋だったようです。ただ、私の実力では耐える展開を耐えきることは無理だった模様。とくに変化図2のような変化を読み切るのはまだ難しい。受ける展開は一手受け間違えると即死になりかねないのでなかなか大変です…

これでyuu7751さんは次期B級への昇格が確定(おめでとうございます)。一方、私はC級に残留が確定となりました。

以下、棋譜です。

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継続しやすい詰将棋の取り組み方?

詰将棋に関しては「x手詰ハンドブック」を10分で解ききる練習をしてますが(と言っても、まだ3手詰だけですが…)、最近長女も同じ事を始めました。

本人が「よく終盤で逆転される」という話をしてたので、やっぱそれを改善するなら詰将棋ちゃんとやらんと駄目だろうと。実際、長女の将棋を脇で見てると、簡単な詰みを見逃して逆転負けしているのがあまりに多い。(長女だけでなく、相手についても一緒ですが)

そこで、今自分がやってるタイムトライアル方式のやり方を紹介して、やってみる? と聞いたらやってみると言うので、同じように10分で3手詰本をどこまで解けるか、という練習を始めました。

ただし、長女が使う本はこれです。

羽生の三手詰 (SUN MAGAZINE MOOK)
羽生善治
4896447646

ハンドブックの方が良いのでしょうが、↑は長女が以前自分で選んで買った本ですし、今回も長女の方からこの本を使いたいと言ってきたので、本人の意思に任せました。中身を見る限り、ハンドブックよりも易しめの問題構成なので、今の長女にはかえって良いのかもしれません。

と言っても、長女は私が言わないとやるのを忘れるので、基本的には私の方から声がけすることになります。もう将棋に関して干渉はしないと決めたのですが、このトレーニングは毎日やらないとあまり意味が無い。

押しつけはしたくないですし、そう受け取られるのも嫌なので、色々気を遣います。

  • 「やるぞ」「やれ」ではなく「やるか?」と本人に決めさせる言葉を使う(仮にそこで「やらない」と言っても受け容れる)
  • やる場合は私も同じタイミングで一緒に取り組む

って感じですね。

このやり方のいいところは、成果がわかりやすいってことと、1日10分と明確に時間を切って取り組めることですね。

事実、長女が10分で解ける問題は日を追うごとに増えてます。本人もそれが楽しいのか、最近はちょっとだけ意欲的です。最近は少し停滞期に入り始めてるかなという感じですが、これもいずれ突破するでしょう。10分で1周できるようになったら、今度はどれだけ時間を縮められるかという方向へシフトすればいい。

また、所要時間も最大10分なので、これなら長女でも無理なくこなせます。

ところで次女はと言うと…。

だいたい、長女が何かを始めると、自分もやるー、と主張し始めるのですが、今回に関しては次女はまったく興味無さそうです。なので、放っておいてます(笑)。

[棋譜並べ]YouTube実況 アユム五段vsX四段 居飛車vs端角中飛車

※この棋譜並べシリーズは棋力初段レベルのブログ主が、自身の学習のアウトプットとして書いているものです。解説とかではない旨をご承知の上で、お読みください。

※掲載にあたって、YouTubeチャンネル「元奨励会員アユムの将棋実況」のアユムさんより許諾をいただいてます。

今回は「元奨励会員アユムの将棋実況」の動画より、『「粘り」のコツを解説しようとしたら端角中飛車に大苦戦してまさかの実演に(笑) 10分切れ負け将棋ウォーズ実況』の棋譜をご紹介いたします。

端角中飛車はウォーズ初段クラスでも結構出現頻度の高い戦法で、私も時々受け間違えてコテンパンに潰されてしまう、あまりいい思い出の無い戦法です。早石田なんかは、割とやってくるとありがたい戦法なんですが、端角中飛車はいまだに怖い。

初中級者レベルではわりと有力な戦法だと思うのですが、対策とかは本も出てないですし、プロの将棋には当然ながら登場することは皆無なので、勉強しようと思っても難しいものがあります。

でもアマチュア高段者の棋譜ならそれが学べちゃう。やはり、アマチュア強豪の棋譜を並べてみるというのは、有力な勉強法だと思います。

それでは、早速…

▲7六歩 △5四歩 ▲2六歩 △1四歩 ▲2五歩 △1三角
▲6八金

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対端角中飛車でよくあるハマリパターンが、普通に舟囲いに囲おうとして▲6八玉と上がった瞬間に端角の筋を活かして△5六歩と突かれるパターン。なので、なるほど、無理に舟囲いにはせず、6九→7八のルートで安全に囲おうということですか。

△5二飛 ▲6九玉 △5五歩 ▲2六飛

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△5五歩を許したのは「相手の主張を通しすぎた」とアユムさん。私はあえて5筋を受けずに位を取らせることも多いんですが、それでもやはり△5六歩からの歩交換は許しちゃいかんと、飛車浮き。

△6二玉 ▲7八玉 △7二玉 ▲5八金上 △8二玉 ▲1六歩
△3五角 ▲3六飛 △6二角 ▲4六飛

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先手の飛車は2六に戻れなくなり歩越し飛車を強要された状態で、既に指しにくい状態。▲3六飛ではおとなしく▲2八飛と引いておくべきだったと。

次に後手は当然△2二飛から2筋の逆襲を狙うわけですが、それを防ぐ▲4六飛。4三を受けるために金か銀が上がってくれれば2二へ飛車が回れなくなるという寸法。さしあたってスグに良くなる手が無ければ、自軍の課題を解決する手か、相手の指したい手を妨害する手ということでしょうね。

本譜は△3二金で、アユムさんの思惑通りになったわけですが、ここで△4二飛はなかったんですかね。次に△5二金左としてから△2二飛の狙いですが…。どうやら▲5五角△5二金左▲7五歩として、次に▲7四歩の狙いで先手が良くなるようです。歩越し飛車も解消できそうです。

△3二金 ▲4五飛 △5六歩 ▲4八銀 △7二銀 ▲4六飛

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いやー、まだ開始から30手も経ってないのに色々魅せてくれます。

第3図の時点で、先手の課題は「歩越し飛車解消」と「右銀の活用」といったところでしょう。第3図からの一連の手順は、後手に5筋の突き込みから△5七歩成を強要し、それを▲同銀と取ることで右銀を世に出そうってことですね。

▲7五歩とすれば歩越し飛車解消の目処は立ちますが、何かの拍子に△7六桂や△7六香のキズが生じて善し悪しですね。そんなわけで銀の活用を優先したということでしょうか。

△5七歩成 ▲同 銀 △5四飛 ▲5六銀

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この時点でアユムさんは非勢を感じていたようです。確かに、ソフトの評価値では500点ほど後手に傾いている。正直、後手は左の金銀がぼやけているように見えますし、攻め駒も飛車と角しか無い状態で、私にはさほど先手が悪いようには思えないんですけどね…

△5四飛の狙いは、△2四歩からの2筋転換。先手もそれを許すまじと銀をせり上げて飛車を圧迫に行きます。

△2四歩 ▲4五銀 △7四飛 ▲5四歩 △2五歩 ▲5六飛
△5二歩

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▲5四歩と飛車の横利きを止めて後手にも歩越し飛車を強要。そして自分はちゃっかり歩越し飛車を解消。

大分差は縮まったんじゃないかと見てたんですが、それほどでもないようです。ただ後手も図の△5二歩よりは、△4二銀の方が良かったんじゃないかと思ってました。

一歩節約できますし、ぼやけていた左銀に多少なりともカツが入ります。

この後は、先手が歩越し飛車を咎めていじめて攻めるのが早いか、後手の2筋からのと金攻めが早いかという将棋になっていきます。

▲7七金 △2六歩 ▲8六金 △2七歩成 ▲7五金 △同 飛

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最終的に飛車切りはやむを得なかったんでしょうが、いったんは△9四飛と逃げて手数を稼ぐほうが良さそうに見えました。アユムさんも同様のことをおっしゃってますね。

本譜でも、将来的に△7六香や△7六桂が生じるので、悪くはないのかもしれませんが。

▲同 歩 △3八と ▲1七桂 △2九と ▲2七飛 △2二銀

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この手が後手の優勢を吹っ飛ばした悪手であるらしい。▲2一飛成とされても後手陣は堅いので強く△1九とと取り込むべきだったと。確かに、後手は香を持てば△7六香の含みもあるのでこちらの方がよいですか。

▲2九飛 △2六歩 ▲6八金 △3八金 ▲6九飛 △2七歩成
▲2五桂 △3七と ▲3四歩

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何気ない手というか、むしろ「今更そこに手を付けるの?」と見た時は思ったのですが、アユムさんの解説によればこれは2五の桂と4五の銀を捌く含みを持たせた意味深長な一手だったらしい。将来的に▲3三桂成から桂か銀が手に入るようにしておく意味があるそうな。実際、最後はこの仕掛けがモノをいってくるのだから将棋は奥深い。

局面的には、飛金交換で先手駒得な上、後手は6二の角が隠居しているので先手が有利な局面だと思います。なので、あとは右翼の桂と銀が捌ければ優勢が拡大できる、ってことなんでしょうか。

△4七と ▲5五角 △6四歩 ▲同 角 △6三銀 ▲5三歩成
△同 歩 ▲同角成 △同 角 ▲同飛成 △5二金 ▲同 龍

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飛車のぶった切り。いや、さすがに私でもこの手は選択肢には入れるだろうと思いますが、アユムさんは一切迷いませんでしたね。「これは受かってないですね」とほぼノータイムで決行。これが終盤力の差か…

△同 銀 ▲6二金 △7二飛 ▲5一角 △3五角 ▲4四歩
△6八角成 ▲同 飛

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▲同銀ではなく▲同飛が地味に大事な選択で、3八の金を質駒にしているわけですね。

あとは、順当に寄せ切ってアユムさんの勝利。

△6一金 ▲7二金 △同 玉 ▲3三歩成 △同 桂 ▲同桂成
△同 銀 ▲6四桂 △6三玉 ▲3三角成
まで89手で先手の勝ち

いやー、序盤から中身の濃い将棋で、目からウロコの連続でした。もう端角中飛車なんて怖くない!…かもしれない。

以下、棋譜です。

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