不惑オヤジ(と娘)の将棋な日々

アラフォー親父と小学生娘の悪戦苦闘の記録

月別アーカイブ: 6月 2018

[自戦記]駒損の代償 – 横歩取り青野流

あまりここで自戦を公開するのも趣旨が違うなぁとも思うのですが、棋力向上を志してのりたま将棋クラブに入ったこともありまして、サークルでの対局はここで紹介してみようかなと。

なお、以前あった自戦譜ブログは消しました。すっかり更新がご無沙汰でしたし、今後もさほど積極的に自戦記を上げるつもりもないですしね…。サークルでの対局をここで紹介する程度にとどめます。

で、今回は6月27日の、第二回幽玄杯二回戦。rakkaseiさんとの対局です。rakkaseiさんは前期の優勝者、なおかつクラブ名人位保持者でもあり、いわば二冠王。実績で見れば最強と言っても差し支えない方。24のレートで言えば691 対 2114。まあ勝ち目は100%無いと覚悟はしてたので、あとは対局から何を得られるかだったわけですが…

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩
▲7八金 △3二金 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △8六歩
▲同 歩 △同 飛 ▲3四飛 △3三角 ▲5八玉

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実は横歩取りは苦手なのです。

なので、横歩取りもようになったら、後手番なら相横歩取り、先手番なら青野流にして普通の横歩取りにはしない作戦をずっと取っています。最近、プロの間で青野流が復権しているみたいですが、別にブームにのって本局で採用したわけではありませんぞ。…いや、ホントだって…

△5二玉 ▲9六歩 △7六飛 ▲7七桂 △2六飛 ▲2八歩
△7二金 ▲3六歩 △6二銀 ▲3七桂 △5五角 ▲3八金
△3三桂 ▲2七歩 △2一飛 ▲3五飛 △4四角 ▲8五飛
△8三歩 ▲4六歩

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▲4五桂と跳ねるための歩突きでしたが、先に▲4八銀と上がっておいた方が良かったかもしれません。次に▲4七銀と上がることができれば好形になりますからね。銀を上がらないままここを突いてしまうと、ちょっと玉の小ビンが心細くて微妙に嫌な感じです。

△5四歩

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感想戦で指摘されたことですが、ここで▲8四歩がありましたね。一瞬たりとも見えてなかった。選択肢に上がった上で選ばなかったというならともかく、この手が選択肢にも出てこなかったというのはちょっと嘆かわしい。

▲4五桂 △同 桂 ▲同 飛 △4二銀 ▲4八銀 △6四歩
▲3七銀 △6三銀 ▲5六桂

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幽玄杯のレギュレーションは「早指2」なので最初から秒読みです。

この桂打ちは時間に追われてとっさに打ってしまったものですが、これが事実上の敗着ですね。着手してから悪手と気づきました。△3三角といったん引いておくと次の△5五歩が受からない。みすみす自ら桂損の筋に踏み込んでしまいました。

しかして、本譜もその通りに進み、形勢は後手に傾くことに。

ここからはもう桂損の代償を求めて無理矢理暴れ回ったのですが、やはり無理なものは無理で、加速度的に形勢が悪化してしまいました。

感想戦では、ここに桂を打つなら一手前だろう、と。なるほど、△6三銀が来る前なら、角取りと▲6四桂が見合いになりますね。△5三角で一応受かるのですが、本譜よりは遙かにマシです。

△3三角 ▲8五桂 △8四歩 ▲7三桂成 △同 桂 ▲7四歩
△6五桂 ▲7三歩成 △同 金 ▲3三角成 △同 金 ▲8二角

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この角打ちも慌てるあまり9一の香車に飛車が紐付いているのを見逃してました。

△6二玉 ▲7三角成 △同 玉 ▲6六歩 △9四角 ▲4八玉
△4九角打 ▲5九金

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既に大勢は決してますが、この金打ちも粘りに欠けますね。5七に効かせながら▲6八金とするのが、粘りある受けだったようです。

△5七桂成 ▲同 玉 △3八角成 ▲4八金 △2七飛成 ▲6八玉
△4八馬 ▲7七金 △5九馬 ▲7八玉 △7七馬 ▲同 玉
△3七龍
まで80手で後手の勝ち

47手目からまったくいいところがなかったですね。

桂損の代償を得ようと暴れ回ったものの、傷口を広げただけでした。あそこは桂損を甘受しても、もう少しコシを据えて指すべきだったのかも。

最後はきれいに寄せられました。こういう寄せが、自分もできるようになりたいですね。

以下、棋譜です。

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最近の修練状況

ぶっちゃけ、最近の修練は詰将棋と棋譜並べしかしてないです。

詰将棋は一度基本に立ち返り、3手詰ハンドブックから始めてます。ただし、スピードをグンと上げて、10分程度で200問を1周するというやりかたです。今のところ「3手詰ハンドブック」は8分前後、「3手詰ハンドブックII」は14分前後といったところです。

基本的な詰み形は一目で見えるようにしておくための練習ですね。3手詰ハンドブックが両方とも7分を割るくらいになったら、5手詰ハンドブックへと移る予定です。

3手詰ハンドブック
浦野 真彦
4861370329

3手詰ハンドブック〈2〉
浦野 真彦
486137040X

あとはたまーに詰パラアプリのレベル10くらいの問題を暇つぶしに解くくらいですかね。

棋譜並べは、「ピリ将」流の30回並べを実戦するようにしてから半年以上過ぎました。その間に、将棋倶楽部24も将棋クエストも最高レートを更新しているので、おそらく成果は出ているのだと思います。とくに将棋クエストは、この30回並べを実践する前は1500台安定だったのが、今は1600台後半で安定です。1700台の人にも少しずつ勝てるようになってきました。

自分自身でも、なんとなく将棋の質が変わってきたなと感じてます。

並べる棋譜はここ数ヶ月、天野宗歩を集中して並べてましたが、最近はそれだけでは飽きも来るようになったので、今は天野宗歩50%、YouTuberのアユムさん25%、山崎隆之八段25%って感じです。

とくにアユムさんの棋譜を並べるのはもうかなり即効性がありますね。相手もアマチュアですから、自分はよく遭遇する&よく使うけど、プロの棋譜にはまず出てこないような戦型も出てくる。端角中飛車とかね。これを並べるのがまたいい勉強になるんですよ。

この棋譜を30回通ししてから、また対振り急戦を指すようになりましたが、感触は良好です。オフラインで、私に急戦を一度は諦めさせた相手を、急戦で打ち負かすこともできましたし。

プロの将棋には絶対に出てこないような、アマチュア将棋独特の傾向に対処するためにも、ネット将棋の強豪IDを追っかけて並べてみるというのは、かなり有力な訓練法ではないかと思います。

とはいえ、プロの感覚も疎かにしてはいけないだろうということで、最近はプロの棋譜も4分の1ほど織り交ぜてます。個人的に山崎八段が好きなので、山崎八段の勝局譜を選んで並べてますね。

現状の感触はとても良い感じなので、当初の予定通り、11月まで1年間、棋譜並べ30回通しは継続するつもりです。今の時点でもそれなりの成果は出ている感じではありますが、1年経過してどうなっているか。

自分でも楽しみです。

世代ごとの棋風の傾向

最近、いきつけにしている将棋センターでは、成績こそなかなか上向かないものの、それなりに手応えは感じています。

というのも、以前は全然勝てなかった年配の方々から徐々に勝ち星が取れるようになってきたからですね。

…にも関わらず成績がなかなか上向かないのは、若い連中がそれを上回るスピードで成長して私を追い抜いていくからなんですけどね orz

最近、こうして幅広い年齢層に相手をしてもらっててふと感じたことがあります。やっぱ、世代によって将棋の傾向っていうのはあるな、と。

大雑把に言ってしまうと、年配の方々は力将棋になると強い。いわゆる「腕力」があるといえばいいんですかね。とくに終盤には強く、粘りも巧い印象。私が年配の方々に負かされるときは、だいたい逆転負けです。中盤くらいまではむしろこちらが良くなっていることが多い。が、終盤の腕力でねじ伏せられてしまう。有利だと思っていても、勝ち切るのがなかなか難しい。

若い世代はこれとは逆で、序盤戦術をよく勉強している印象。定跡の知識も、我々の棋力には不相応ではってくらいに詳しかったりする。反面、定跡を外れた力戦形になると脆い部分もあるし、ひとたびこちらが優勢を取ると、そこからひっくり返されて負けるというパターンは、年配の方々に比べると少ない印象。負けるときは、序盤にポイントを挙げられてそのままジワジワと差を広げられるような将棋が多い。

序盤研究偏重気味の最近のプロ棋界の様相が、そのまま今時の世代にも現れているようで、なかなか興味深い傾向ではあります。

私の理想はどちらかというと年配の方々の将棋かなぁ。多少悪くなっても中終盤の力でひっくり返してしまうような将棋が理想。負け惜しみに聞こえるかもしれないけど、序盤戦術のこねくり回しは正直あまり好きじゃないんです。戦いの中でねじり合うような将棋が好み。それでも序盤巧者相手に一方的に負けたりしないよう、最低限の勉強はしますけどね…

なので、私がプロ棋士で一番好きなのは山崎隆之八段だったりします。

[棋譜並べ]長坂六之助vs天野宗歩 (飛車落ち) 1854/7/13

※この棋譜並べシリーズは棋力初段レベルのブログ主が、自身の学習のアウトプットとして書いているものです。解説とかではない旨をご承知の上で、お読みください。

今回ご紹介するのは、1854年7月13日に行われた、長坂六之助vs天野宗歩の飛車落ち戦です。

△3四歩 ▲7六歩 △4四歩 ▲4六歩 △3二金 ▲4八銀
△4二銀 ▲4七銀 △5四歩 ▲5六銀 △4三銀 ▲4八飛
△3三桂 ▲3六歩 △3一角 ▲5八金右 △6四角

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宗歩の飛車落ち棋譜では、この角上がりを許さないよう先に▲6五銀と先受けする棋譜ばかり見てたのですが、今回宗歩は玉の囲いを後回しにしてこの角出を急ぎました。まあ、それでも下手が▲6五銀と先受けしようと思えばできたでしょうけど。

▲3七桂 △5二金 ▲6八玉 △5三金 ▲7八銀 △7四歩
▲4九飛 △8二角 ▲8六歩 △6二銀 ▲8七銀 △6四金

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プロ棋士の天野宗歩評としてよく聞かれるのが、「スピード感が凄い」という評価。江戸時代の棋士は玉をじっくり囲って…という指し方が多い中、隙を見つけたら囲いが未完成なままの仕掛けも躊躇わない、ということらしいです。

この、▲8七銀と上がった瞬間に△6四金と上がる指す筋にも、そんな宗歩の傾向が見えるような気がします。

▲8七銀は銀冠に組もうということでしょうが、この形だと銀冠の完成にはまだ手数がかかる。そこへ、この△6四金。次に△5五歩▲4七銀△5四銀と中央を制圧する手をちらつかせて、▲4五歩を催促しているのだと解釈しました。開戦になれば、先手陣のいびつさが必ず祟るだろうと。

上手も居玉で相当怖いはずですが、下手の銀冠が中途半端すぎるので行ける、という判断でしょうか。

▲4五歩 △5五歩 ▲4四歩 △5四銀 ▲4七銀 △5三銀

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本譜はここで▲4六銀とせり上がっていきましたが、▲3五歩の桂頭攻めもあり得たようです。

▲4六銀 △4四銀 ▲5六歩 △4五歩 ▲5五歩 △4六歩
▲5四歩 △同 金 ▲4四角

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さすがにこの角切りは無謀なような…

△同金となった局面は下手の右桂と飛車はまだ世に出る目処が立たず、銀二枚ではさすがに攻めをつなぐのはむずかかったと思います。

△同 金 ▲5三銀 △4三銀 ▲4四銀成 △同 銀 ▲4五歩
△5三銀 ▲5四歩 △同 銀 ▲5三金 △4三銀

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二度にわたって△4三銀が出てきますが、いずれも駒損を避けながら詰めろもギリギリ受けているという、実に美しい手。

下手はこの後▲7八玉と自陣に手を戻しますが、ここまで強攻しておいて自陣に手を戻さなければならないようでは、やはり指し過ぎだったということなのでしょう。

▲7八玉 △5二歩 ▲6三金 △5四角 ▲6四銀 △6二歩
▲4四歩 △同 銀 ▲4六飛 △5五銀打 ▲4四飛 △同 銀
▲5三銀打 △同 歩 ▲同銀成 △6三角

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勢いで△5三同銀と取ってしまいたくなりますが、(1)△5三同銀▲同金と(2)△6三角▲同成銀△同歩(本譜)では後者が正しいのは明らか。

(1)は角当たりが残っている上に、詰めろですからね…

(2)は玉回りが非常にスッキリする上に、下手の攻め駒が持駒の角一枚になってしまい、明確な切れ筋です。

▲同成銀 △同 歩 ▲5四角 △4二金 ▲6三角成 △5五角
▲7七桂 △同角成

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角成を桂で遮ったわけですが、構わず角切り。まあ、さすがにこれだけ持駒があれば寄りますか…

▲同 玉 △6五桂 ▲6八玉 △7七銀 ▲5九玉 △6二歩
▲6四馬 △3九飛 ▲4九歩 △3八銀 ▲4八金 △5七桂成
まで91手で上手の勝ち

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最後も非常に美しい投了図。

囲いが未完成な瞬間に、攻めを催促して開戦させる指し回しや、駒損と詰めろを同時に防ぐギリギリの凌ぎには唸らされました。

下手はやはり第4図の角切りが無謀だったんだと思います。

以下、棋譜です。

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「どうすれば子供に将棋への興味を持たせられるか」

いきつけの将棋センターでは、私達のように親子で指してる人は少ない。数年前は私たち以外にいなかったような気がしますが、最近は少数ながら何組か見かけます。ただ、特に私のように、子供が女の子でしかも二人というのは、おそらく他にいないはず。

そんな状況が珍しいのもあるでしょうが、「どうすれば子供(孫の場合もある)に将棋への興味を持たせられるか」と聞かれることがたまにあります。

ただ、身も蓋もない言い方になりますが、「そんな方法はない」としか言えません。少なくとも私は知らない。

私はとくに子供たちに将棋やろう、と言ったわけではありません。私が盤駒出して修練してたら、それを見てた子供らの方から興味を持っただけなのです。

一度抱いた興味を持続させる方法論は多少持ってますが、そもそも興味を抱かないものはどうしようもないです。無理にやらせても将棋を避けるようになるだけで逆効果です。

会話としては「せいぜい、子供らの前でことさら楽しそうに将棋指すくらいじゃないですかね」と応えるですが、案外真理を突いているんじゃないかと思ってます。

うちの娘達は棋力はサッパリ伸びてきませんが、幸いにも楽しそうに将棋指してるので、まあこれでいいかなと、親としてはある意味悟りの境地です。

強くなりたいという本人達の望みを叶えようと、結構頑張って奮闘しましたが、空回りばかりでもう匙投げました。とくに上の子はもう小5なのですから、強くなりたいというのが本気なら、自分である程度なんとかするでしょう。そのための環境だけは与えてあるので、あとは本人達次第ですが、今のままでいいというなら、それでもいいと思ってます。

私の将棋歴

私のような中年男性が将棋にはまるきっかけって、大きく以下の二つあるのだそうです。

  • 趣味を持ちたいと思っていたところに、若い頃指していたのを思い出して再開
  • 子供が興味を持ったので一緒に始めてハマる(そして子供は早々に興味を失い、父親だけが残る)

私の場合は前者です。このブログの性質上、後者だと誤解されてそうな気がしますが、娘達はむしろ私に触発されて興味を抱いた側です。

将棋を覚えたのは小学生の頃。今にして思えば、自分含めて皆棋力はたいしたことないものの、指せる子供だけはたくさんいました。学校に将棋盤など持って行けませんでしたから、紙にボールペンで書いた将棋盤に、鉛筆で書いた駒を消しゴムで消して動かすという方法で、休み時間に指してましたね。

当時の棋力は今にして思えば全然たいしたことありませんでした。当時から凝り性で、自分なりに本を読んで勉強してたりはしてたので、暇つぶしに指すだけの他の子供達の間では敵無しでしたけども。

高校時代は半分幽霊部員ながらも将棋部所属でした。が、高校卒業を期に将棋からすっぱり足を洗ってしまい、それ以降は全くと言っていいほど指してなかった。

正直言えば、高校卒業とともに将棋から離れてしまったことを、今となって後悔している部分もあります。あのとき続けていれば、今こんな中途半端な位置で「棋力が上がらない」とボヤいていることも無かったろうにと。高校時代の部員は少数ながら、私以外はかなり強い奴らばかりで、棋力を上げようと思えば恵まれた環境だったはずですが、当時の私はそこまで熱心ではなかった。

そして40歳を目前にしたあたりからまた再開したのですが、どうして再開しようと思ったのか、今となってはよく思い出せません。スマホでアプリストア見てたら、将棋の対局アプリがあったので、懐かしさもあってなんとなくためしてみたらハマった…そんな感じだった気がします。元々無趣味人間で、何か趣味を持とうと思っていた側面もあります。将棋は大してお金もかからない趣味ですし、運の要素がほぼ入らないゲームなので、私には合っていたのだと思います。

娘達はそんな私を見て、将棋に興味を持ちました。ただ、昔の私と同じでそれほど熱心とは言えない。それなりに経験値だけはあるので、学校のクラスメイトと指すと無双状態みたいですけども。なんだかんだで今でも続いていますが、今の棋力から上がっていかないようなら、少なくとも長女は小学校と一緒に卒業しそうな気がしますね。

将来、彼女らに子供ができたときに、今のことを思い出してまた復活したりするのかもしれませんけどね…。それならそれで、教えた甲斐もあったというものですが。

[棋譜並べ]YouTube実況 アユム五段vsX四段

※この棋譜並べシリーズは棋力初段レベルのブログ主が、自身の学習のアウトプットとして書いているものです。解説とかではない旨をご承知の上で、お読みください。

今回は、YouTubeで将棋ウォーズの対局動画を公開している「元奨励会員アユムの将棋実況」のアユムさんの対局動画からピックアップしてご紹介します。

※掲載にあたって、アユムさんの許諾をいただいてます

なぜ天野宗歩でもプロでもなくアマチュアのYouTuberなのか?と思われた方は、こちらをお読みください。

今回ご紹介するのはこちらの動画から。

45歩早仕掛けvs向かい飛車(四間飛車と合流) 将棋ウォーズ実況 10分切れ負け

では、早速。

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △4四歩 ▲2五歩 △3三角
▲4八銀 △2二飛 ▲6八玉 △4二銀 ▲7八玉 △6二玉
▲6八銀 △7二銀 ▲5六歩 △7一玉 ▲5七銀左 △9四歩
▲9六歩 △8二玉 ▲5八金右 △5四歩 ▲3六歩 △4三銀
▲3七銀 △1四歩 ▲1六歩 △1三香 ▲6八金上 △5二金左
▲2六銀

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アユムさん曰く「四間飛車と向かい飛車には棒銀が有力」であると。向かい飛車はよく知りませんが、少なくとも四間飛車に棒銀で挑む人など、加藤九段の引退でプロの世界ではもう絶滅したという認識でいましたが、アマチュアのレベルではまだまだ通用するってことですかね。

ただ、本局のアユムさんの指し回しを見ていると、私は対四間飛車の棒銀というか急戦策に誤った認識を持っていたのかも…と思わされました。

△3二飛 ▲4六歩 △6四歩 ▲3七銀 △7四歩 ▲4五歩
△6三金 ▲4八銀右

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驚愕の手順でした。一度前に出した棒銀を元の位置に引っ込めるとか、私の棒銀の辞書にはあり得ない指し回し。棒銀に「後退」の二文字はない、というのが私の認識だったので、私なら多少無理しても▲3八飛とか▲3五歩とかで仕掛けに行ったでしょう。

しかし、アユムさんは△3二飛を見て、棒銀を引っ込めて▲4五歩早仕掛けの方針にチェンジ。

「棒銀は引いてもいいんだ…」

まあ、角換わり棒銀で中央方面へ組み替えるという指し方は私もたまにしますが…対振り棒銀においては、大きなカルチャーショックでした。

△4二飛 ▲3七桂 △6五歩

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これは怖い手ですね。玉の小ビンがスッカスカに空く上に、角交換後に▲3一角という馬作りの筋もちらつく。私なら怖くて指せませんが、果たしてどんな意図だったのか。将来的に先手玉の小ビンを攻める構想だったのかな?。

▲4六銀 △4五歩 ▲3三角成 △同 桂 ▲5七銀引

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ここも「急戦は勢い!」と思い込んでいた私なら、銀を引かずに▲4五同銀や▲4五同桂と突っ込んでいたことでしょう。急戦でもこんな指し方があるのか…

△4四角 ▲7七角 △同角成 ▲同 金 △7三桂

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△8五桂▲8六金△4四角みたいな筋が気になりますが、アユムさんによれば、最悪でも右へ逃げていけば良いので角成はそれほど気にする必要はない、と。実際、そうなった局面は、ソフトも先手やや有利との判断をしています。

うーむ、このあたりの大局観が私などとはやはり違いますね。そのあたりも見越して、棒銀を無理に突っ込まなかったという意味もあるのでしょうか。銀が控えている分、右辺の安全度は増してますからね。

▲3一角 △5二飛 ▲1三角成 △4四角 ▲8六歩 △8四歩
▲8八香 △5五歩 ▲同 歩 △同 角 ▲5六歩 △4四角
▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △5四銀 ▲3四飛 △7七角成
▲同 玉 △3二歩 ▲6八玉 △5五歩 ▲同 歩 △同 銀
▲5六歩 △同 銀 ▲同 銀 △同 飛 ▲5七歩 △5一飛

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アユムさんの判断によれば、既に先手がかなり良いと。

ふーむ、私なら先手を持ちたいかと言われると躊躇しますが…。

なので、冷静に局面を判断してみると…

駒の損得:角香と金銀の交換で互角に近いが、馬ができている分やや先手有利か
玉の堅さ:高美濃囲いが健在な後手
駒効率:どちらも目立った遊び駒はなく互角。1三馬が少し気になるが、自陣に効いているし▲3五馬と一手引くらいで攻めにも効くので問題は無さそう。
手番:先手

…というわけで、私の目には良くて互角、実際には居飛車やや指しにくい局面と写るんですけど、ソフトで確認してみると確かに先手が+1000くらいリードしている。うーむ…

先手としては握った手番で後手の美濃囲いを崩しに行くという方針になるのでしょうが、その手番が大きいということなんでしょうか…

[20180613 追記]

うわ、恥ずかしい。駒の損得、角香と金銀じゃなくて、角香と金で明らかに先手寄りじゃん。

これは確かに先手の方がよいのか…

[20180613 追記ここまで]

▲7五歩

2018-06-05g.png

というわけで、指されてみれば当然の▲7五歩なんですが、自分だと実戦では意外と気づかない気がする。

△6六歩 ▲7四歩 △6七歩成 ▲同 金 △6六歩 ▲同 金
△6五歩 ▲7三歩成 △同 金 ▲6五金 △7六銀 ▲6六金
△6五金 ▲同 金 △同 銀 ▲6七歩 △5六歩 ▲同 歩
△6六歩 ▲同 歩 △5六銀 ▲7七玉

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当然ながら冷静な早逃げ。その前の△5六歩からの仕掛けは、1三の馬が自陣に効いてくるのでどうか、とアユムさんはおっしゃってましたが、なるほどですねぇ…

△5七歩 ▲7四歩 △同 金 ▲同 飛 △7三歩 ▲8四飛
△8三歩 ▲6四飛

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歩を全て使わせて6筋に飛車をセット。端から攻めたときに玉の逃げ道を塞いでも居ますね。でも歩がないので遮るのも難しい。いやぁ、巧みです。

△5八歩成 ▲9五歩 △4八と ▲9四歩 △7五銀 ▲9三歩成
まで119手で先手の勝ち

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最後は手勝ちを読み切っての見事な即詰みでした。

うーん、対振り急戦で銀を引っ込めるという指し方が私には衝撃的でした。対振り急戦の鉄則として、安易に飛車を捌かせてはいけないというのがありますが、そういう意味では無理に突進するよりも守りを固めて飛車の捌きを抑えるべき、ということなのかもしれない。

しばらく対振り急戦はやってませんでしたが、またやってみようかなと思わせてくれる将棋でした。

以下、棋譜です。

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考えるということ

長女は11級で停滞して既に2年半が経過してます。次女はまだ1年たってませんが、最近の成績や指し回しを見るに、長女の二の舞を演じそうな気配がプンプンします。

二人の傾向には共通点があって、一時期とても光る指し回しを見せる時期があったのに、あるときそれがすっかりと影を潜めて元の木阿弥になってしまったということ。次女も11級上がった直後くらいはもっといい将棋を指していたように思います。

リーグ戦は二人とも1ヶ月で白星がせいぜい2つか3つで、あとは十数個の黒星が並ぶとかそんな状態。

ただ、一時期この白星が6~7個くらいに増える時期もあったんですよね。なのに今は元通り。

その時との違いは何かと考えてみたら、思い当たることが一つありました。

二人とも、考えないんですよ。ほとんどの手をノータイムの手拍子で指してる。それは一時成績が上向いた以前もそうで、見かねた私が、「せめて1手6秒は考えて指せ」と強く言い聞かせてた。成績が上向いていたのはちょうどその時期に重なります。

その後、もう棋力向上へ指導することは放棄すると決めて放っておいたら、しばらく経ってまた元の超早指しに戻ってる。成績の下降もちょうど同じ時期に重なってます。

 

基本、今の娘達の時期は、実戦を繰り返すだけで強くなれるといわれている時期のはずです。それなのにいくら指してもサッパリ昇級が見えないのは、考えて指さないから、指した将棋のことを全く覚えてないせいじゃないのか。なので負けた将棋の敗着は何なのか、勝った将棋のどこが良かったのか、次にフィードバックする情報が全く残ってない。

金沢将棋をやっていて、負けると「意地悪~」なんてぼやいてますが、それもそんなメンタルの表れな気がします。考えてないものだから、自分が負けた原因を作っている(悪手を指している)という自覚が持てない。だから、相手が意地悪なんだという発想になる。

というわけで、先週、センターへ行く前に昼食を摂りながら、改めて言い含めました。考えることで、次の将棋への反省が生まれて強くなれるんだと。持ち時間10分のリーグ戦なら、持ち時間を使い切るくらいでないと駄目だと。

すると、なんと長女はその日だけで4連勝を含む6勝をマーク。6月からの2年半ぶりの10級昇級を決めてしまいました。本人にはまだ伝えてません。今日、現場で驚いてもらいましょう。

次女も昇級ラインにこそ達しなかったものの、いつもより成績はよかったもよう。

これで二人とも、考えることが大切だということをきちんと認識してくれればいいんですがね。それさえ徹底できれば、まだ実戦を指すだけでも上がれるはずだと思ってます。