不惑オヤジ(と娘)の将棋な日々

アラフォー親父と小学生娘の悪戦苦闘の記録

[棋譜並べ]久米可六vs天野宗歩 1833年(天保四年)5月19日

※この棋譜並べシリーズは棋力初段レベルのブログ主が、自身の学習のアウトプットとして書いているものです。解説とかではない旨をご承知の上で、お読みください。

今回取り上げるのは、天保四年5月19日、久米可六vs天野宗歩。手合いは平手です。

▲7六歩 △8四歩 ▲2六歩 △8五歩 ▲2五歩 △3二金
▲7七角 △3四歩 ▲8八銀 △7七角成 ▲同 銀 △2二銀
▲4八銀 △3三銀 ▲6八玉 △6二銀 ▲7八玉 △4二玉
▲5八金右 △6四歩 ▲5六歩 △6三銀 ▲5七銀 △5二金
▲6六歩 △5四銀 ▲6七金 △4四歩

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内藤圀雄九段によると、現代では常識ともなっている、角換わりの将棋で腰掛け銀の型を使い出したのは宗歩っぽいとのこと。

確かにこの対局でも先手の久米可六は普通に5筋の歩を突いている。腰掛け銀ではなく、片矢倉でやや中央にバランスを取った構えにして打ち込みに備えようというのが、この時代の角換わりのトレンドだったようですね。

▲4六銀 △7四歩 ▲5五歩 △4三銀 ▲6八金上 △3一玉
▲3六歩 △9四歩 ▲3五歩 △2二玉 ▲3四歩 △同銀右
▲3五歩 △4三銀 ▲5七銀 △9五歩 ▲5六銀 △1四歩
▲4六歩 △1五歩 ▲5七角 △7二角

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先手は4六の歩越し銀を起点に5筋3筋から攻めを作ろうとするも、うまいこと後手にかわされて続かない。で、2手かけて4筋の銀を5筋に繰り替えている間に後手は両端の位をがっちりと抑えました。

確かに、腰掛け銀相手だと5筋の位を取っても△4三銀と形よく銀矢倉に引かれ、3筋を攻められてもびくともしない。銀矢倉って玉の脇の金にも紐付いている分、普通の矢倉よりも実は堅いんじゃないかと思っているのですが、いかに。

そしてこの角打ち。飛車の頭越しに遠く1筋をにらみ付けたなんとも味わいのある自陣角。そして、この数手後の…

▲6五歩 △同 歩 ▲同 銀 △3六歩

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この垂れ歩。どちらも内藤九段絶賛の一手です。次に△3七歩成▲同桂△3六歩が狙い筋でしょうか。

ところが、ソフトは50手目の角打ちもこの垂れ歩も疑問手認定してます。

50手目の角打ちでは△3四歩と合わせて、▲同歩△同銀右と3筋方面から盛り上がっていくべきということらしいです。さらに△4三金と上がって玉頭を分厚くすると。後手の駒が左に偏り過ぎな気もしますが、先手は先に画を手放しており、その働きもイマイチなので、このような押さえ込む指し方で駒効率の差を主張するってことですかね。

ただ、その後のソフトの読み筋をひもとくに、△7二角自体が悪いと言うより、△3四歩という最善手をスルーしているので疑問、という意味らしいです。

54手目△3六歩の垂らしは、△3七歩の方がよいと。ふむ、▲同桂なら同じように△3六歩であるし、放置なら△3八歩成▲同飛△2七角成の狙いってことですかね。確かに、この3六の歩が自陣角の効きを遮っているのがちょっと気にはなったんだよなぁ。

そんなわけで、△3七歩成は許せないので▲3八飛。これも▲2七飛の方が勝るという評価ですが、正直違いがよくわからない。後者の方が、攻め味が残るってことですかね。

いずれにせよ、△3七歩なら▲3八飛も▲2七飛も無かったことになりますが。

▲3八飛 △1六歩 ▲4五歩 △同 角 ▲3四歩 △同銀右
▲5四歩 △6二飛 ▲6四歩 △7三桂

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この時点でソフトの評価は1000ほど後手に傾いているわけですが…そこまで差のある局面ですかね?

損得:互角
効率:後手。先手は飛角の働きが今ひとつで、右桂も使えない。後手は角が間接的に玉を睨んでいることに加え、桂も手順に活用できそうな雰囲気
堅さ:互角
手番:後手?順番は先手だが、先手は銀当たりをなんとかする必要がある。

確かに後手が指せそうな局面ではありますね。先手はもう少し後手の自陣角の効きを邪魔するような手立てを講じなければいけなかったのかも。

先手はここで▲6六銀と上がりましたが、これが決定的な敗着になったもよう。

ぱっと見、▲7四銀と出たくなりますがそれも悪手で、△6四飛と銀取りで出られ、▲7三銀不成には△6七飛成とズバっと切り捨てて、▲同金に△5六金で必勝であると。

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▲同金は△同角が王手飛車ですし、かといって▲6八歩などとと支えたところで△5七角と角をタダ取りできてしまうので処置無しです(角が玉を睨んでいるため▲5七同金とは取り返せない)。

▲6六銀では▲5六銀と引いておく方がまだよかったいう評価です。△同角▲同金△4七銀みたいな手が気になりますが、両取りに構わず△8四角と飛び出してもう一勝負、と。

▲6六銀 △6五桂 ▲同 銀 △5五銀 ▲5六桂 △6六歩
▲同 金

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第4図は、△6六歩の叩きを▲同金と取ったところ。タタキの歩による宗歩の狙いは単なる金銀交換では無く、角筋を通すことにあったもようで、ここから動けない5六の桂をあざ笑うかのような指し回しが続きます。

それはそれで見ていて面白いのですが、ソフト的には素直に△6六同銀と取る方が勝るという評価。▲同角に△6四飛と切り飛ばし、▲同銀に△5六角と出て王手飛車。飛車が取れれば駒割り的には桂1枚得をしているので、確かにこちらの方がわかりやすいのかも。

△6四銀 ▲同 銀 △同 飛 ▲5五金 △6五飛

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図は、先手が6四の飛車に当てて▲5五金と上がった手に対して、単に△6五飛と一路上がっただけの手。ひと目意味がわかりませんでしたが、▲同金なら△5六角が三方にらみの激痛ってことですか…

さすがに先手もこの押し売りの飛車は取りませんでした。

▲4五金 △同 銀 ▲6六銀 △5六銀 ▲6五銀 △5七銀成
▲同 金 △4五桂 ▲6六金 △6九銀

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取れば△4七角なので▲7七玉と逃げましたが、続く△3七歩成がさらなる王手飛車含みの一手で、先手投了。

▲7七玉 △3七歩成
まで88手で後手の勝ち

今回の教訓:腰掛け銀のオプションに銀矢倉。

以下、棋譜です。

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「棋聖 天野宗歩手合集」を買った

掲題の通りです。以前から迷ってはいたんですが、ついに買ってしまいました。

棋聖 天野宗歩手合集

今まで、天野宗歩の棋譜については、kifu for Windowsやkifu for Androidなどで再生できるkif形式の棋譜ファイルをネットで探してました。

ただ、そうして集めた宗歩の棋譜の中には、いくつかおかしなものもある。

どう見ても投げる場面じゃないだろってところで終わっているものとか、あるいは宗歩が手を緩めてるとしか思えないものとか

調べてみると、まず前者について、宗歩の棋譜には「差し掛け」のものもいくつかあるらしいということが分かった。ただ、kif形式のファイルは差し掛けには対応できていないので、最後に指した方が勝っているように見えてしまう。

そして後者については、やはり将棋の家元やその関係者にはある程度忖度を働かさねばならないケースもあったらしいことがわかった。

差し掛けについては、調べればわからなくもないですが面倒ですし、忖度の入った棋譜については緩めた手を正しいものとして身に着けてしまうリスクがある。そういった特殊な棋譜を正しく判断するためにも解説書が欲しくなったわけです。

宗歩の棋譜は駒落ちが多いのですが、本書では手合い別に分類されているので見やすいです。

とりあえず、平手の1局目から並べ始めました。これからどっぷり宗歩の世界に浸かっていくことにします…

[棋譜並べ(ダイジェスト)]羽生善治vs森内俊之 1996/04/11 第54期名人戦七番勝負第1局

※この棋譜並べシリーズは棋力初段レベルのブログ主が、自身の学習のアウトプットとして書いているものです。解説とかではない旨をご承知の上で、お読みください。

今回題材として取り上げたのは、1996年11月4日の、第54期名人戦七番勝負第1局、羽生善治七冠vs森内俊之八段の対局です。

下記書籍に掲載されているものです。

羽生VS森内百番指し
羽生 善治 森内 俊之
4839937613

タイトル戦を舞台に数々の熱戦を繰り広げてきた両者ですが、本局は名人戦での初対局だったらしいです。当時羽生さんは前人未踏の七冠王で既に絶対王者。しかし、この後永世名人位を獲得したのは森内さんが先だというのだから面白い。

さて、名人戦での初対局は矢倉となりました。

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比較的オーソドックスな矢倉の序盤戦だったと思いますが、この△2二銀が一つの分岐点。羽生さんによると、「△6四歩は攻勢の手で△2二銀は守勢の手。バランスを取るのが難しそう」とのことですが、さっぱり解りません(^^;。

△6四歩より△6四銀の方が攻勢っぽいイメージがありますけどね…。△7三角との兼ね合いもあるのでしょうが。

ここで△2二銀と引くのは中原vs米長の棋譜で何度か見た記憶があるのですが、あまり自分ではやりたいと思わない手ですね。なんと言っても玉の囲いが中途半端な上に壁銀ですからね。実際、この壁銀が最後に祟る展開になっているように見えます。

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チキンな私はすぐにでも8六歩を払ってしまいたくなるんですが、取ると何かあるんですかね。自戦記によるとこの後のとある手をずっと狙っていたらしいので、その狙いを急いだということかもしれません。

羽生さんは結局この8六の歩を最後まで相手にしませんでした。

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放っておくと、▲8二歩成△同飛▲8五歩がスマッシュヒットですね。というわけで後手は△6二飛と回ります。

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この金打ちによる角の捕縛が狙い筋だったらしいのですが(ただ、これにこだわりすぎた、とも書いていた)相手玉と反対の端に金を打つとか、ちょっと私なら選択肢にも上がらないかもしれない。角を取れたところで遊び駒になる未来しか浮かばないからですが、金が遊んでもそれ以上に価値のある角をタダ取りできるならOK、という判断なんですかね。それはそれで合理的なのか…。角を取れば7三の桂も怪しくなりますしね。

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飛車のぶった切り。こうなると△2二銀の壁銀が見事に祟ってる格好ですね。やっぱ矢倉で2二銀型は怖いですよ。

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図は、5七のと金を馬で払ったところ。馬をと金と交換するというなんとも気前のいい一手ですが…

本譜はこの後△同龍▲7三金△6八金▲3四桂と続きます。

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これで先手の方が早いと見ているわけですね。確かに、ソフトの評価では400少々先手に寄ってます。先手玉も金銀に囲まれているとは言え、6七の歩の存在もあったり退路が無かったりでそれなりに危ない状態ではあるはずですが…

先手玉を寄せる手は△7八金くらいしかないんだけど、▲同金△6八金▲7九金で千日手模様。

一方で後手玉は…むずかしいなぁ…

ソフトによれば放っておけば▲4二桂成△同玉▲4四歩が狙いで先手勝勢…らしいんだけど、これで本当に捕まるんだろうか。3三の地点に桂が利いているから、意外とコレで狭いのか…

で、以下が投了図。

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なかなかソフトの評価が大きく動くところがなく、どこが後手の敗着だったのかがイマイチですが、103手目の時点では後手がやや優勢との評価です。

その後、△6八金とロコツに打ち込んで行ったのが低評価で、代わりに△4七角と打ちべきだとソフトは示します。先手玉は狭いので、穴熊攻略と同様、角よりも金銀、ってところなのでしょうか。

樺沢紫苑著「学びを結果に変えるアウトプット大全」~将棋に活かすなら

棋書でもなんでもありませんが、ちょっと今回は以下の本をご紹介。

「学びを結果に変えるアウトプット大全」

前々から気になっていた一冊でした。

どういう本かはタイトルの通りで、学んだことを身につけて結果を出すための、「アウトプット」のやり方を80通り挙げて説明しています。

勉強するのはインプットで、そのインプットしたモノを外に出すモノがアウトプット。学ぶだけでは駄目で、学んだことはアウトプットして初めて身につくのだと。一般的な人の勉強法はインプットに偏っているので、ほとんどの人が学んだことを成果に変えられていないのだと著者は説きます。

この理論自体は別に著者独自のものではなく、一般的に存在する概念で、私も以前から知ってはいました。で、将棋の勉強についても私はインプットに偏っているのではないかと、疑問を呈したこともあります

ただ、私はアウトプットの定義を誤解していたようです。アウトプットとは「学んだことを実践で活かすこと」だと思ってました。間違いではないのでしょうが、それはアウトプットのひとつの側面でしかなかった。

例えば、学んだことをノートに書き出す。これもアウトプットであると。頭に入れたことを手を動かして紙に出力(アウトプット)する作業を経ることで、より記憶が強固になる。だから、学校の授業で生徒にノートを取らせるのは、この意味では理にかなっている。

アウトプットはそれ自体が目的ではなく、学習を強化する手段だった。私はそれを誤解していたらしい。

インプットしたことを外に吐き出す作業が、アウトプット。これをよく知られる将棋の勉強になぞらえてみるとどうなるか(半分、そのために本書を買ったようなもの)。

例えば詰将棋。問題を解くという行為は、インプットした知識を試すという意味で、アウトプットと位置づけられます。なので、詰将棋も基本的にアウトプット型の学習と言えます。しかし、詰みの形を学ぶという文化は将棋の場合は、頭金などごく基本的な形を除いてあまりなく、詰将棋を繰り返すことで、詰みの形を覚えていくことになります。つまり、ある意味インプットとアウトプットを同時にこなしているとも言えなくもない。そういう意味では、実は学習としてはかなり効率のいい手段なのかもしれない。

次の一手。これも詰将棋と同様と考えることができそう。ただ、次の一手のベースとなる手筋や定跡はインプットとなる情報が充実しているので、詰将棋よりはややアウトプット寄りかもしれませんが。

定跡書。これはもう、単に読むだけならインプット100%でしょうね。それをノートに書き出すなり、本に書き込みを入れるなりで、どこかにアウトプットの機会を意図的に設けないと、血肉にするのはなかなか難しいということか。

棋譜並べ。これも単に並べるだけではインプットでしょう。なので、ただ並べるだけでは、おそらく棋譜並べの潜在力を十分享受できていない。並べていて気づいた何かを、書き出すなり、人に伝えるなりの、アウトプットを追加するべきなのでしょう。なので、私がこのブログで棋譜並べを記事にして紹介しているのは、アウトプットという意味では正しいやり方なんだと思う(アクセス解析を見る限り、棋譜並べ記事はあまり需要が無さそうな感じですがねorz)。

おそらく、観戦も棋譜並べと同じように考えていいでしょう。…というわけで、早速今日のNHK杯戦、今泉vs深浦戦で実践してみましたので公開。

悪筆でお恥ずかしい限りですが…

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今まで、間違ったアウトプットを意識してやっていたので、今後は正した認識のもと、改めてアウトプットを意識して勉強していこうかと思います。

もちろん、上記以外にも興味深いノウハウが満載で、久々にビジネス書で満足感が得られました。当ブログの記事として、将棋に活かせそうだと思った部分をご紹介しましたが、ご興味があればご一読ください。

多面指し2.5時間はキツい…

地震で延期になっていた将棋センターのイベント「プロ棋士による子ども将棋教室」が14日に開催されました。

娘達は参加者として参加、私はスタッフとして(と言ってもお手伝い程度ですが)の参加でした。

講師として来られていたプロは佐々木慎六段。

佐々木六段による30分ほどの座学の後は、イベント終了までの150分間、ひたすら指導対局のお時間。佐々木六段が三面指しでひたすら子供たちを捌いていくのですが、当然順番待ちの子が発生するわけです。私を含む臨時スタッフたちのお仕事は、そんな順番待ちの子供たちの指導対局というわけ。

私は当初三面指しの予定が、スペースの都合で二面指しとなったものの、やはり150分間、二面指しで集中力を維持するのは大変で、結構バカなポカを色々やらかしてしまいました。メインターゲットが初級者レベルの子で、六枚落ちや二枚落ちがほとんどでした。多面指しで意図的に緩められるほど余裕は持てないので、こういうとき駒落ちの存在はありがたいですね。遠慮なくガチで指せるので。

残念ながら佐々木六段の指導対局は、時間的制約で全ての子供たちが受けられたわけではないようです。受けられた子も、順番待ちの子供たちがいる関係で、長考しちゃダメ的な空気もあって、あれはいろいろな意味でかわいそうでしたね。可能ならば、イベント自体を二回か三回に分けるなりして参加者数をもう少し絞ったほうがいい気がしますが、実際は難しいのでしょうね。連盟の方も一人ではなく複数人の派遣を検討してはくれないものだろうか。

娘たちは幸いにして二人とも指導対局を受けられたようで、ともに六枚落ちで勝たせてもらえたもよう。六枚落ちで指した子はかなりいたらしいですが、定跡どおりの端攻めで端を食い破って勝ったのは娘達だけだったと、傍で見ていたこども教室の講師が言ってました。

確かに、私が指していた六枚落ちでも、端攻めしてきた子は皆無だったなぁ…。うちみたいに親も将棋をたしなんでいるという子は意外と少ないっぽいので、定跡とか教わる機会が無いのでしょうね。

[自戦譜]男のロマン 対振り急戦

今回の自戦記は、のりたま将棋クラブ公式戦、第2期幽玄杯1回戦、対Rajendraさんです。

なんでかわかりませんが、今回の幽玄杯は前期より大幅に参加者が減少。半分以下になってるんじゃないですかね?  そのせいなのか、前期は私と同程度のレベルの人たちもたくさん出てましたが、今回はどこを見回しても格上の人ばかり。

1回戦の相手Rajendraさんもレート差ほぼ500。今までの対局を拝見していた私の見立てでは、Rajendraさんは終盤型。序中盤でうまく付け入ることが取ることができればワンチャンスありか?という事前のもくろみでしたが、はてさて…

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △4四歩 ▲4八銀 △3二飛
▲2五歩 △3三角 ▲6八玉 △4二銀 ▲7八玉 △9四歩
▲9六歩 △7二銀 ▲5六歩 △6二玉 ▲5八金右 △7一玉
▲3六歩 △5二金左 ▲6八銀 △8二玉 ▲5七銀左

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世間的には「三間飛車に急戦は無理筋」なんて説が定着しているらしいですが、「そんなのはプロレベルの将棋の話だろぉがぁ!!」、と私は突っ張ってまして、三間飛車にはほぼ急戦です。

最近は対四間飛車でもふたたび急戦主体に戻してます。居飛車急戦は男のロマンです!(単に穴熊の指し方を知らないとも言う)

まあ、実際にネットの対局を見ても三間飛車に急戦を挑む人なんて、最近はほとんど見ません。だからこそ、相手も急戦相手の経験値は低いはずで、そこにチャンスを見いだせれば…とも思ってました。

△5四歩 ▲4六歩 △1二香 ▲3七桂 △2二飛

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角交換に備えて向かい飛車に振り直すのは、三間飛車対急戦ではよく出てくる形ですが、この場合は△1二香と上がっているので、何かの拍子に▲1一角と打ち込めるのではと狙ってました。

そして、その通りの展開になります。

感想戦では、手待ちするなら△1二香ではなく、△6四歩などとすべき、という意見も出ました。確かに四間飛車ではよく△1二香と上がる筋は見かけますが、三間飛車ではあまり見ないですね。

▲5五歩 △同 歩 ▲4五歩 △5三銀 ▲5五角 △4五歩
▲3三角成 △同 桂 ▲1一角

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この角打ちで、一本取った!と内心ガッツポーズでした(笑)。ここからしばらくは先手好調の展開が続きます。

△3二飛 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2二歩 ▲同角成
△同 飛 ▲同飛成 △3五歩 ▲2五桂

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桂頭攻めを事前にかわしてサバキに行ったのですが、これが第一の悪手。ソフトの評価によると、これで先手有利だったのがほぼ五分に戻ってしまってます。

代えてソフトが示す手は、いったん▲5四歩△4二銀と利かせてから、▲2六龍と引いて受けに回る手。

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うーん…ちょっと選びにくい手である気がしますが…

この局面を形勢判断してみると…

損得:先手 – 飛角交換な上に先手だけ龍ができている
効率:五分
堅さ:後手 – 美濃囲いと舟囲いではやはり…
手番:後手

というわけで評価値ほど先手が優勢には見えないんですがねぇ…

先手は駒得ではあるものの、堅さで劣る。素直に考えれば緩い展開にして玉形を整えつつ体制を整える、という方針が出てくるのですが、元来舟囲いは発展性に乏しいですからねぇ…これ以上手をかけてもさほど堅くなるわけでもなく。

ああ、もしかすると、もっとシンプルな考えなんですかね。まずこちらの桂頭をがっちり守っておいて、逆に相手の桂頭を逆襲すると。

確かに変化図1から、▲3五歩→▲3六龍→▲3四歩の狙いは微妙に受けづらそう。コレ狙いの龍引きというなら、確かに納得できる。

△同 桂 ▲同 龍 △5五角 ▲6六銀 △1九角成 ▲2一龍
△6四桂

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対振り急戦ではよく出てくる、7六の歩を狙った控えの桂打ち。ただ、今回は相手の持駒が持駒なので手抜いても大丈夫と見ました。跳ねられても▲7七歩で刈り取れるので。飛車とか金を持たれていたら全力で△7六桂は阻止するのですが、今回は手抜き。

私は▲1一飛と打ち込んで行きましたが、思い直せばここで端攻めもありましたかね。

▲1一飛 △5一歩 ▲1二飛成 △7六桂▲7七歩 △8八角
▲7六歩 △9九角成 ▲6五桂 △8八香▲7七桂 △4六馬
▲5七歩 △6四銀 ▲5四香 △6五銀▲同 桂 △8九香成
▲4七銀

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これが第二の悪手だそうで…

この局面で△5六桂と打たれると即座に詰めろですし、馬が居るので▲同歩と取ることもできない。なので馬に当てつつ、△5六桂に▲同銀を用意したのですが…

ソフトによると、▲4七銀にかわって▲5二香成と踏み込むべきで、そこで△5六桂なら▲7七銀と引いて先手優勢であると。

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うーん…

5二の成香が大きくてこちらの攻めにもかなりの楽しみはありますが…こちらの玉も狭くて相当怖い。横に利く駒渡すと詰みが生じるので、こちらの攻めにも制約があって、評価値ほど簡単な展開ではないような…

△3七馬 ▲4八銀 △6四馬 ▲5二香成 △同 歩 ▲4三歩

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はい、緩手ですね。着手前からそれはわかってました。実際、これが敗着のようです。

とはいえ、時間に追われる中、他に浮かばなかった。

感想戦では▲5三桂打が示されました。ソフトも同じ手を示してます。言われてみるとなるほどですね。

▲5二桂打△6二金に一度▲6八玉と逃げておく。

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これで玉がかなり安全になったので、次に▲1一龍上を狙っていく感じですかね。

Rajendraさんは「▲5三桂打が来たら無視して攻め合うつもりだった」とのことでしたが…

△5四桂 ▲5六金

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悪手が悪手を呼ぶという奴ですね。この金打ちも酷い。まだ▲6八玉の方が粘れたはず。

ここから先はもう為す術無しでした。

△6六桂 ▲同 歩 △7七銀 ▲6七玉 △5五香 ▲6八金寄
△5六香 ▲同 銀 △6六銀成 ▲5八玉 △4六香 ▲4二歩成
△4八香成 ▲同 玉 △3七銀
まで96手で後手の勝ち

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途中まで間違いなくこちらがよかったはずですが、中終盤力でねじ伏せられましたね。変化図1の龍引きはともかく、79手目の▲5三桂打が見えなかったというはちょっと悔いが残るところです。

以下、棋譜です。

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[自戦記]自陣龍がモノを言う

今回の自戦記は、第9期のりたま名人戦C級リーグ戦からです。

相手はSalut D Amourさん(以下、Salutさんと略させていただきます)。前期のリーグ戦でも当たっているはずですが、勝敗は覚えてないな…なんとなく負けていたような気が。

第9期の本来の開幕局が、相手の方の回線トラブルで延期指し直しとなってしまったため、これが事実上の開幕局になります。なんとか、幸先の良いスタートを切りたいところでしたが…

▲7六歩 △5四歩 ▲2六歩 △3四歩 ▲2五歩 △5二飛
▲4八銀 △5五歩 ▲6八玉 △3三角 ▲5八金右 △4二銀
▲7八玉 △6二玉 ▲7七角 △7二玉 ▲8八玉 △8二玉
▲6六歩 △5三銀 ▲6七金 △5四銀 ▲7八金 △9二香
▲9八香

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Salutさんは中飛車を採用。対して私は「中飛車にはコレ一本」としている一直線穴熊。

今はどうかわかりませんが、私が中飛車に苦しめられていた当時、対策としては「超速銀」が主流でした。皆が採用する戦法には背を向けたがる天邪鬼な私は、最初▲7八金戦法を使っていたのですが、これは先手中飛車相手には使えない。そこで、先後問わず使える対策を、と探して、一直線穴熊に行き着いたというわけです。以後、中飛車相手には9割以上コレを使っているはず。

さて、本局は後手のSalutさんも穴熊を選択し、相穴熊となりました。ただ、相穴熊の場合、本局の後手の布陣は少々珍しい。相穴熊の場合、振り飛車側は銀を5四ではなく6四に上がった上で、△7二飛と振り直してこちらの角頭を狙ってくる人が多いのですが。

△9一玉 ▲9九玉 △8二銀 ▲5九銀 △7一金 ▲6八銀右
△4五銀 ▲2六飛 △4四角 ▲2八飛 △5六歩 ▲2四歩
△5七歩成 ▲同 銀 △3五角 ▲5六歩 △2四角 ▲6五歩

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このあたりは割とうまく主導権を握って指せてたかなと思ってました。適切に角成を受ける手が難しく(2筋を突き捨てた効果で、うかつに角を動かすと飛成もある)、後手は既に窮屈だったのではないかと。

△5五歩 ▲同 角 △同 飛 ▲同 歩 △5七角成 ▲同 金
△3九角

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この角打ちまでは読み筋ではありました。その上で、▲2三飛成と攻め合いを選びましたが、ソフトはこれを悪手認定していて、▲5八飛と回るべきだったと。

うーん…▲5八飛には△4九銀とかがうるさそうで、勝てる気がしなかったんですが…それには▲5九飛△4八角成▲4九飛△同馬と進めて、先手優勢との判断です。

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形勢判断をしてみますか。

損得:五分。後手は馬ができているが、先手は角を手持ちにしている。
効率:先手。後手は4一金や4五銀が遊びそうなのが気になる。
堅さ:互角かやや後手寄り
手番:先手

効率差が大きいというところですかね。

それに対して本譜のとおり▲2三飛成だと、△5七角成の時に一時的に駒損するのが大きいということなのでしょうか。それでも▲2一龍と金当たりで桂を取れるのでこちらが良いだろうと思ってたのですが、ソフトの判断はそうではないらしい。

▲2三飛成 △3二銀 ▲2五龍 △3三桂 ▲2二龍 △5七角成
▲1一龍 △4七馬

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図は、後手が5七の馬を4七に寄ったところ。実はこれに変わって△2一金で龍が死んでいました。私も感想戦で指摘されるまで気づいていなかった。

それは置いといて、ここで私が警戒していたのは△5六銀でした。感想戦で触れてみたところ、金銀で穴熊を削ってもイマイチ感があったと。確かに囲いを崩すという意味ではそうかもですが、4五の銀は遊び駒になりかけてるので、これを捌いて持駒にすると考えれば、かなり大きい手ではないかなと思ってました。後手陣は銀を投入したことで安定し、そうそう早い攻めはなさそうですし。

▲4二歩 △2一金 ▲1三龍 △4二金 ▲2四龍 △2三歩
▲2八龍

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この龍引きの実現で優勢を意識しました。龍の効きで自陣が引き締まり、自陣に金銀を投入した後手は攻めの戦力が不足気味で、これは切らして勝てそう、とこのあたりで思ってました。先手からは慌てなければ▲2二歩とか攻め手は色々ありそうですし。

△5七歩 ▲4九香 △5六馬 ▲4五香 △同 桂 ▲6四歩
△同 歩 ▲6三歩 △5二金 ▲6二銀 △同金寄 ▲同歩成
△同 金 ▲6三歩 △同 金 ▲7二金

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このあたりはベタベタ張り付いていく穴熊特有の寄せ方を、うまく実現できたのではないかと。

△7一銀打 ▲6一角 △7二銀 ▲同角成 △6二金打 ▲6三馬
△同 金 ▲6一飛 △7二角 ▲5一飛成 △6一香 ▲5四歩

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これ、△5五馬から歩を抜かれると気づいて、しまった!と思ったのですが、Salutさんは△5五馬から△3三馬と龍に当てて引く手を選択。

ソフトの評価を見るに、これが事実上の敗着だったようです。

△5五馬 ▲8八銀 △3三馬 ▲4二銀 △4四馬 ▲5三歩成

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▲4二銀~▲5三歩成が手順に入り、この時点で勝ちを意識し始めてました。

△同 金 ▲同銀不成 △3三馬 ▲5二龍 △5八歩成 ▲7二龍
△5七桂成

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以下、途中即詰みを逃したりもしてましたが、こちらの玉はZ状態なので、詰めろ詰めろでわかりやすく寄せて、勝利。

▲5四角 △8八馬 ▲同 金 △6三銀 ▲同角成 △同 香
▲6二銀成
まで113手で先手の勝ち

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感想戦でも話題に出ましたが、とにかく龍引きで自陣が一気に引き締まったのが大きかった。

全体として大ポカもなく、落ち着いて指せたのが良かったのでは無いかと思います。

これでリーグ戦初戦を白星で飾り、幸先の良いスタートを切ることができました。

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9月29日のテーブルマーク子供大会

そういえば、9月29日のテーブルマーク子供大会のレポートをしてませんでした。

テーブルマーク大会は予選3戦を行い、3戦全勝者が決勝トーナメントへ進出というレギュレーション。

今年も姉妹揃って参加しました。高学年の部の長女は、まあ予選突破は不可能だろうと思ってましたが、次女は相手のめぐりあわせによってはチャンスありと思ってました。

結果は、長女1-2、次女2-1で残念ながらともに予選敗退。

ただテーブルマーク大会は、予選敗退後も自由対局という形で、将棋道場で手合いをつけてくれるように予選落ち者同士で対局を組んでくれるのがうれしいんですよね。

二人とも、学校の知り合いと出くわしたりしながら、心行くまで指しつくして満足した様子でした。

私が直前に風邪で体調を崩してしまい、この日はまだ病み上がりだったということもあって、自由対局の時間が終わった時点で会場を後にしました。なので、こども大会の決勝戦も、JT杯の席上対局も見ていません。

佐藤天名人vs丸山九段という、なかなか興味深いカードだったんですけどね…

社団戦に参戦(ただし二部)

本日は北海道将棋会館で開催の社団戦に参戦してきました。と言っても、下部リーグですけどね…

5vs5で争われる団体戦で、私はいきつけのセンターで募集していたチームに参加させてもらいました。

巡り合わせの悪さもあったのでしょうが、初戦、2戦目は誰一人勝つことができず全敗。三戦目は不戦勝、四戦目は2人にようやく白星が出たもののチームとしては2-3で敗戦。最終戦でようやく3-2で辛くも勝つことができました。チームとしては11チーム中10位と、最下位を免れるのがやっとでした。

私個人の成績は2勝2敗(&1不戦勝)。

2敗の内容は、こちらが決め手を逃さなければ、おそらく勝てていた将棋だけに惜しいことをしました。もっとも、決め手を逃したのは見落としというよりは今の実力なので、結果として力を出し切ったとは言えると思います。2勝は実はどちらも後手番の相横歩取り。どちらの相手の方も、相横歩の定跡は知ってなさそうな感じでしたので、実力で勝ったというよりは奇襲が炸裂したみたいな感じでしょうね。

チームは私ともう1人大人がいた以外は全員小学生。結果こそ残念でしたが、真っ正面から素直に将棋と向き合う子供達と盤をならべるのは、私にとってもよい刺激になりました。

しかし、チーム名が良くない。小学生が3人、もう1人も30台だというのにアレはない。来たときにはもうチーム名が決まっててどうにもなりませんでしたw。誰が付けた名前か、だいたい想像はできますが…(^^;

[棋譜並べ]YouTube実況 X二段vsアユム五段 後手ツノ銀雁木

※この棋譜並べシリーズは棋力初段レベルのブログ主が、自身の学習のアウトプットとして書いているものです。解説とかではない旨をご承知の上で、お読みください。

※掲載にあたって、YouTubeチャンネル「元奨励会員アユムの将棋実況」のアユムさんより許諾をいただいてます。

今回は「元奨励会員アユムの将棋実況」の動画より、『プロ採用率No1の「ツノ銀雁木」を出来るだけ分かりやすく解説しながら10分切れ負け将棋ウォーズ実況』を題材として取り上げます。

まったく、ちょっとプロの世界で雁木が流行りだしたらアマチュアまで猫も杓子も雁木雁木ガンギ…私は矢倉はそんなに好きではありませんが、ここ一年くらい矢倉の将棋なんてすっかり駆逐されてしまいましたね。矢倉をやることがあるのは、将棋センターで年配の方と指すときくらいですわ。

私はへそ曲がりでして、昔から流行り物には反発したくなりタチなんですよ。だから雁木なんて自分ではやらないし、やられるのも忌々しい(逆恨み含む)。でもこれだけ流行るとさすがに無策ではいられない。そんなわけで、何かしら対雁木のヒントみたいなモノが得られれば…と思ってのチョイスだったわけですが…

そんなわけで本局は、後手のアユムさんが「ツノ銀雁木」を採用。

▲2六歩 △3四歩 ▲4八銀 △4四歩 ▲6八玉 △3二銀
▲5六歩 △4三銀 ▲7八玉 △3二金 ▲6八銀 △4一玉
▲7六歩 △6二銀 ▲7七銀

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この銀上がりは「危ない形とされている」のだそうですが、それが何故かは結局わからずじまい。この銀上がりの目的はどうやら引き角から使っていこうというのが目的のようですが…

アユムさんはこの銀上がりがなぜ危ないのかを実戦で示そうしていましたが、先手が予想外の構想を見せてきたため軌道修正を余儀なくされたようです。

△7四歩 ▲7九角 △6四歩 ▲5八金右 △6三銀 ▲6六歩
△5二金 ▲6七金 △5四銀右 ▲2五歩 △1四歩 ▲3六歩
△4五歩 ▲8八玉

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アユムさんはツノ銀雁木の利点を

  • 歩越し銀ながら攻守にバランスがいい
  • 6筋(後手なら4筋)の位が安定しやすい
  • 右四間飛車との相性がいい

といったあたりを挙げてました。私は雁木対策については正直全くと言っていいほど知らないのですが、あるサイトでは右四間飛車での対抗が有力とありました。なるほど、6筋で位負けしないためには一理ある作戦かもしれません。

さて、先手は矢倉の完成を急ぐ▲8八玉。正直、これには驚きました。

居角の雁木に対してまともに矢倉に囲うなんて、居飛車の将棋でやっちゃいけないことのトップ5くらいに入りそうな悪手だと思うんですが、さすがに二段の方だけにそのあたりはわかっていたようで、その先を用意してはいました。ただ…

△7三桂 ▲9八玉 △9四歩 ▲3五歩 △同 歩 ▲同 角
△9五歩 ▲7八金

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端玉。それが先手の用意だったようです。ただ…アユムさんも驚いてましたが、さすがにどうなんでしょうか。

私は一時期、対振り飛車で天守閣美濃から端玉銀冠に囲うのを愛用していたことがありますが、あれは8七に銀が座っているからこそ端玉でも比較的安定するわけで。単に矢倉囲いから一路遠ざかっただけのこれでは「端玉には端歩」の格好の餌食ではないかと思ったら、まさにそういう方向に進んでいきました。

△8四歩 ▲3七銀 △8五桂 ▲8八銀 △9六歩 ▲同 歩
△9七歩 ▲同 桂 △9六香 ▲9四歩 △9二飛 ▲8六歩
△9四飛 ▲8五歩 △9七香成 ▲同 銀 △8六桂 ▲8七玉
△7八桂成 ▲同 玉 △6五歩

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端から執拗に崩されて先手の矢倉は早くも瓦解。さらに角筋を活かした後手の攻めが執拗に続く状況です。

ここで形勢判断をすると…

損得:微妙に先手?(桂香と金の交換)
効率:後手。後手はあえて遊んでる駒を挙げるとするなら9四の飛車くらいだが、先手は9七銀、9九香、3七銀と明らかにボヤけた駒が多すぎる。
堅さ:言うまでもなく後手。
手番:先手

手番を握っているのは先手ですが、終盤戦になっているのは先手玉だけなので、手番はあまり大きな利点とはならない。効率と堅さで既に大差がついているといえる局面かもしれません。

囲いをバラバラにされたのも、3七の銀が立ち後れているのも端玉を咎められたことに端を発しているので、やはり端玉の構想には無理があったということなのでしょう。

先手がここから少しでも粘るとするなら、わずかに勝っている駒得で時間を稼ぎながら、少しずつ後手陣の金銀を崩しいくくらいでしょうか。

後手の攻めの要は角のラインなので、まずは▲5五桂と、角道を止めながら囲いにちょっかいを出すような手を入れてみたいところですかね。

ちなみにアユムさんによると、部分的な雁木の崩し方として、引き角から▲2四歩△同歩▲2三歩△同金▲2四角という筋があるのだそうです。

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△同金なら▲同飛で飛先が受かりにくくなりますし(本譜の場合は後手に金があるので△3二金で受かりますが)、放っておけけば▲5一角成からの強襲もあるぞ、ってことですね。覚えておきましょうか…

▲9五歩 △同 飛 ▲9六香 △8五飛 ▲8六歩 △6六歩
▲8五歩 △6七歩成 ▲同 玉 △9九角成 ▲8一飛 △5一金打

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アユムさんが挙げる雁木のもう一つの利点は「飛車打ちに強い」。下段スカスカなのでぱっと見、いかにも飛車に弱そうなのですが、5一に駒が打てると安定するということらしいですね。

これ以降は後手の着実な寄せが続き、寄せ方に参考になる部分はありましたが、先手側はノーチャンスでした。

▲2四歩 △同 歩 ▲5八玉 △6一歩 ▲4八玉 △6六馬
▲3八玉 △3四香 ▲2四角 △3九金 ▲2七玉 △2三金
▲6八角 △2九金 ▲同 飛 △3七香成 ▲同 玉 △3六歩
▲同 玉 △4四桂 ▲2七玉 △4八馬 ▲3九香 △2六歩
▲1八玉 △2七銀 ▲同 飛 △同歩成 ▲同 玉 △3九馬
▲3七銀 △2六歩 ▲同 玉 △2五歩
まで104手で後手の勝ち

以下、棋譜です。

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