81Dojoの実戦から。
相手は三段。戦型は矢倉へと進みました。
初手から
▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲6六歩 △6二銀
▲5六歩 △5四歩 ▲4八銀 △5二金右 ▲5八金右 △3二金
▲7八金 △4二銀 ▲6九玉 △4一玉 ▲6七金右 △3三銀
▲3六歩 △3一角 ▲7七銀 △6四角 ▲3七銀 △7四歩
▲7九角 △3一玉 ▲6八角 △8五歩 ▲7九玉 △2二玉
▲8八玉 △4四歩 ▲2六歩 △4三金右 ▲1六歩 △9四歩
▲1五歩 △7三銀 ▲1八飛 △2四銀 ▲4六銀 △8四銀
▲6五歩 △7三角 ▲3七桂 △6二飛 ▲5七角
(1図)
この角上がりは後手が6筋から攻めてくるのを見越して8四の銀を釘付けにしておこうという意図ですが、指した直後に失敗に気づきました。相手が歩を持った状態で△4五歩とされると、▲同銀でも▲同桂でも△4四歩で駒損確定です。そして後手は△6四歩から一歩を持つ権利を既に手にしています。しかして、本譜はその通りに進みました。
1図から
△6四歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲3八飛
(2図)
もうこの飛車回りも既に苦し紛れです。△4五歩とされたときに、▲同桂よりは▲同銀と取る方がまだ取られる直前に暴れやすいかと思い、▲同銀の時に後手の角筋を止めておく意図ですが、先行きに何も希望のない手で非常に辛い手でした。
この後相手はいきなり飛車を切り飛ばし、角交換から飛車金両取りに角を打ち込んできましたが、
2図から
△4五歩 ▲同 銀 △4四歩 ▲4六角 △6七飛成 ▲同 金
△4六角 ▲同 歩 △4九角 ▲6八飛打
(3図)
普通ならば▲6八飛(3八の飛車を寄る)だったと思いますが、△6七角成▲同飛の時にあまりにも玉が薄すぎるのが気になってました。銀が一枚質駒になっているのもあって、大駒を独占する手順とは言えさすがに踏み込みにくかった。そこで自陣飛車を打ったわけですが、結果的にこれが功を奏して、結構粘れる形に持って行くことができました。
3図から
△3八角成 ▲同 飛 △4五歩 ▲3五歩 △4七金 ▲7八飛
△3七金 ▲6六角 △3三銀 ▲3四歩 △同 金 ▲3五歩
△同 金 ▲6二角 △3四金 ▲3五歩 △4四金 ▲同角上
△同 銀 ▲同角成 △3三銀 ▲6六馬 △6五歩 ▲8四馬
△6九飛 ▲6八金 △1九飛成 ▲5一馬 △6六桂 ▲同 銀
△同 歩 ▲3四桂 △同 銀 ▲同 歩 △4四角 ▲7七銀
△6五桂 ▲4一銀 △7七桂成 ▲同 金 △6七歩成 ▲3二銀成
△同 玉 ▲3三歩成
(4図)
一気に終盤まで進めてしまいました。実はこの▲3三歩成の代わりに▲4三金で即詰みだったようです。
△2二玉なら▲3三銀から精算して簡単な詰み。△3一玉は▲4二馬△2二玉からやはり▲3三銀。△4三同玉は▲5二銀と打ち込み(1)△3二玉なら▲2四桂△同歩▲4一馬以下、(2)△3四玉なら▲2五金まで、(3)△5三玉なら▲6三金まで。
4図から
△同 角 ▲4一銀 △2二玉 ▲3二金 △1二玉 ▲3三馬
(6図)
とはいえ即詰みこそ逃しましたが、この歩成から角を呼び込んで(△同桂は▲4一銀以下即詰み)からその角を外しつつ部分的に必至を実現する本譜も、私にしては上出来の展開と言えます。
さて、これで後手玉は受けなしなので、あとは後手が詰ましに来るのをしのぎきれば勝ちなわけですが、そこはやはり三段、そう簡単には勝たせてくれません。
6図から
△7八と ▲同 金 △7九銀 ▲同 金 △同 龍 ▲同 玉
△5九飛 ▲6九歩
(7図)
この歩合いは打った瞬間「しまった!」と思いました。ここは銀を打つべきであったなぁと。△7八香から▲同玉△5八飛成という手順が見えてしまい、血の気が引きました。歩じゃなくて銀を打っておけば、△5八飛成は実現しなかったのです。
7図から
△7八香 ▲同 玉 △5八飛成 ▲6八香
(8図)
正直、この香を打ったときは負けを覚悟していました。次に△6七銀と打たれたら投了かなぁ、と諦めかけていたのですが、その時気づいたのです。3三の馬が効いていることでギリギリ詰みを免れていることに。
8図から
△6七銀 ▲8八玉 △7九銀 ▲9八玉 △8八金 ▲同 馬
△同銀成 ▲同 玉
(9図)
この時点で即詰みは完全に無くなりました。
9図から
△6六角 ▲9八玉 △3一歩
(10図)
角の王手に玉をかわし、完全に詰みが無くなった時点で、後手は3一歩。まあ、▲2二金打△同角▲同金△同玉▲3二飛が一番解りやすい詰みなので、歩だけの持駒で受けるとしたらこれくらいだよな、とは思ってましたが…
10図から
▲2二金打 △同 角 ▲同 金 △同 玉 ▲4四角
まで139手で先手の勝ち
この角打ちで、後手投了となりました。△1二玉には▲2二金までですし、桂を持っているため合駒も無意味です。
いやはや、終盤は本当に神経すり切れるようなギリギリの攻防でした。今後、三段とか四段とかの世界へ上がっていくことがあったら、毎回こんな将棋が待ってるんですかね。非常に胃に苛酷な世界です(笑)
しかしなにはともあれ、三段から金星を取ることができました。初めて初段を伺うくらいの頃から、初段や二段相手にはちょくちょく勝つこともあったんですが、三段以上から白星を挙げたのは今回が初めてです。指し回し的にも今の自分のベストは出せた将棋だと思います。
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