不惑オヤジ(と娘)の将棋な日々

アラフォー親父と小学生娘の悪戦苦闘の記録

月別アーカイブ: 4月 2016

自戦譜用のブログを分離しました

今後、主に後から自分で振り返るために少し自戦譜を充実させようかなと思っていたのですが、このブログはあくまで「自分&娘達の成長記録」「勉強法&教え方の探求」がメインであって、日々の自戦譜を全てここに掲載していくというのは少し違うなぁ、と思いました。

よって、検討の結果、こことは別に自戦譜専用のブログを立ち上げました。

不惑オヤジの将棋自戦譜集

何か単なる対局以外の意味を持つ一局はこちらのメインブログでも取り上げることもあるかもしれませんが、今後、自戦譜の類いは原則全て上記の新ブログの方に掲載していきます。

今やっている、激指13に挑むシリーズも、今後は自戦譜ブログの方でやっていきます。

今後とも本ブログ、および新しい自戦譜ブログをよろしくお願いします。

激指13に挑む-3(六枚落ち)

激指13に挑むシリーズ3戦目、手合いは六枚落ちです。

△4二玉    ▲7六歩    △7二金    ▲6六角    △8二銀    ▲9六歩
△7四歩    ▲9五歩    △6四歩    ▲5六歩    △7三金    ▲9四歩
△同 歩    ▲同 香    △8四金    ▲9八飛    △7三銀    

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また見たことの無い受け方をしてきました。一応、定跡の範疇ではあるらしいのですが…

一応色々読んではみたのですが、どう考えても▲9三香成から今までの中で一番楽なパターンになる気がしました。

  1. △9五歩なら▲8四角△同銀▲8三成香△8五銀▲9五飛
  2. △9四歩なら▲8四角△同銀▲8三成香△8五銀▲8四成香。穏やかに▲9四同成香△8五金▲8三成香とかでも十分そう
  3. △7五歩なら▲9四成香で△8五金でも△7四金でも▲8三成香

1.の展開なら一番楽そうだなと思ってましたが、本譜はまさに1のルートで進みました。そしてこれはまさに定跡手順だったようです。

▲9三香成  △9五歩    ▲8四角    △同 銀    ▲8三成香  △8五銀
▲9五飛    △3二銀    ▲8五飛    

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この時点で角と金銀の二枚替え。さすがにこうなるとあとは一方的でした。

△3一玉    ▲7三成香  △2二玉    ▲8二飛成  △6五歩    ▲6三成香
△6六歩    ▲同 歩    △6七角    

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馬を作りに来ましたが落ち着いて▲7八銀。相手は持駒が無いのでこれ以上は手も足も出ません。

▲7八銀    △7六角成  ▲5二成香  △3一金    ▲4二成香  △4九馬
▲同 玉    △2一金打  

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折角作った馬を金と引き替えて守備に使わなければならないようではいくらなんでも勝負ありでしょう。この後はこちらの玉の安全に全く不安がなくなったので、手堅くと金攻めで投了に追い込みました。

▲5五歩    △4二金    ▲同 龍    △3一香    ▲5四歩    △1一玉
▲5三歩成  △5二歩    ▲同 と    △2四歩    ▲5四歩    △7五歩
▲5三歩成  △2五歩    ▲4三と
まで58手で下手の勝ち

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もっと早く決めるなら、▲5六角と打ち、次の▲3一龍を狙うという筋もありましたか。

直近の7局の結果:○○○----

4枚落ちへの昇格にリーチがかかりました。

以下、棋譜です。
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激指13に挑む-2(六枚落ち)

激指13に挑むシリーズ2戦目、手合いは六枚落ちです。

△3二金    ▲7六歩    △7二金    ▲6六角    △8二銀    ▲9六歩
△7四歩    ▲9五歩    △6四歩    ▲5六歩    △7三金    ▲9四歩
△同 歩    ▲同 香    △8四金    ▲9八飛    △9五歩    

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今回はほぼ知っている定跡通りの受け方をしてきた激指先生。定跡ではここで▲8四角と切って強引に9筋突破を目指します。粘り腰の強靱な激指先生相手にたとえ定跡といえど角を渡すのは怖いのですが、その程度をいちいち恐れていては話になりません。ここは断固定跡通りの進行を断行。

▲8四角    △同 歩    ▲9五飛    △4二玉    ▲9二香成  △7三銀
▲9三飛成  △6二銀    ▲8二成香  △3四歩    ▲7二成香  △5一銀    
▲6一成香  △5二銀    ▲6二成香  △4一銀    

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飛車を成り込んだ後、成香で銀を追い回しこの局面。本譜は▲8二龍と龍をひとつ入りましたが、やや緩かったもよう。

ここでの激指先生の推奨手は、▲9一龍~▲5一成香、あるいはいきなり▲5一成香。前者はわかりやすいのですが、後者は一見「?」でした。しかしなるほど、タダだからって△同玉と取ろうものなら、▲5三龍でたちまち寄る…というか詰むってことですか。

▲8二龍    △3三玉    ▲5一成香  △4二銀直  ▲5二成香  △7五歩
▲4二成香  △同 金    ▲5五歩

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5筋からと金攻めを狙ったつもりでしたが、よく考えると5筋でうまい歩の垂らし場所などありませんよね。激指先生の推奨手は▲7五歩から7筋でのと金作り。ほう、そんな手で間に合ってしまうものですか。

△7六歩    ▲4八玉    △4五角    

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ついに怖い手が飛んできましたね。上手の馬作りが確定です。私はとりあえず玉を囲う予定の2筋の方を受けましたが、激指先生は6筋の方を受けろとの見解です。理由はよくわかりませんが…

▲3八銀    △6七角成  ▲6八銀

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何をやってるんだか。普通に考えれば▲7八銀でしょうに。桂をタダで取らせることになって局面はややこしくなっていきます。

△8九馬    ▲3九玉    △7七歩成  ▲同 銀    △4五馬    ▲4六銀
△5六馬    ▲5四歩    △同 歩    ▲5八金左  △3二金    

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この手はもしかして激指先生の「ミス」ですかね。5三に歩を垂らす隙ができてしまいましたし、直前の局面を解析してみても、この手は4つの候補手の中に入ってませんでした。当然、こちらは▲5三歩と垂らします。

▲5三歩    △4四香    ▲5七銀    

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当然と言えば当然の手ではあるのですが、△4四香にこの▲5七銀が我ながら冷静な一着でした。

△7四馬    ▲7二龍    △7三歩    ▲5二歩成  △6五桂    ▲6六銀左
△5七桂不成▲同 銀    △6三銀    ▲8二龍    △5二銀    ▲7五歩    
△8五馬    ▲8六歩    △9六馬    ▲9二龍    △9三歩    ▲4六歩    

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手に困って香車を切り取りに言ったのですが、やはり最後まで方針を貫くべきでしたね。▲9七歩△6三馬▲6二金と平凡に迫って良かったようです。

△2四歩    ▲4五歩    △同 香    ▲4六歩    △4四歩    ▲4五歩    
△同 歩    ▲1六歩    △4三銀    ▲1五歩    △6三馬    ▲1四歩    
△同 歩    ▲同 香    △1八歩    ▲2八玉    △1九歩成  ▲同 玉    
△1七歩    

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玉頭に歩を垂らされました。しかし上手には歩しか持駒がないので詰めろでもなければ、次に詰めろがかかりそうな感じでもない。とはいえ、寄せる手順の中で何かを渡すと大変危ないので、ここは一応受けに回ることに。

▲2八玉    △1八歩成  ▲同 玉    △1六歩    ▲1二香成  △5三馬    
▲2六歩    

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「大駒は近づけて受けよ」を実践したつもりでしたが、これは危険だったもよう。△同馬▲2七銀△4四馬と引かれてみると、1七の地点に利きが増えているわけでもなく、たいして安全になってない。▲2六歩で馬筋を止めても△2五歩があります。

受け切るなら▲2六金とがっちり打って、香成の後に歩を払い行くべきだったかも。しかし、本譜は△2六同馬ではなく、△2五歩でした。

△2五歩    ▲同 歩    △1七歩成  ▲同 桂    △1六歩    

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玉頭に殺到されましたが、この瞬間、2五に歩を伸ばせていたことから、▲2四金から寄るだろうと読んでました。▲2四金△4四玉の瞬間に馬筋が止まりますし、3二には金も落ちてます。

▲2四金    △4四玉    ▲5六桂    △5五玉    ▲3二龍    

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しかしてこちらの読み通りに局面は進み、質駒の金を取ってほぼ受けなしです。次は▲6六金の一手詰なので、受けるなら△6五歩として直接▲6六金を防ぐか、あるいは△4六歩として逃げ道を開くくらいですが…

△6五歩ならば▲4三龍があります。△同馬なら▲6四銀まで。かといって放っておいても▲4五龍△同玉▲3六金△5五玉▲4六金までです。

△4六歩なら▲6六金△4五玉▲4三龍△同馬▲3六銀までです。

本譜は2手後に上手の投了となりました。

△1七歩成  ▲2九玉
118手で下手の勝ち

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直近の7局の結果:○○-----

以下、棋譜です。

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激指13に挑む-1(六枚落ち)

ちょっと思うところあって、本格的に駒落ちで勉強したくなりました。

ただ、ネット将棋ではなかなか駒落ち対戦は成立しませんし、私が通っている町道場も基本平手のみなので、駒落ちを指す機会そのものがなかなかない。

…となると、ここは激指先生の出番でしょう。

というわけで、今後「激指し13に挑む」と題して、六枚落ちから初めて、所定の成績を上げたら次の手合いへというルールでみっちり駒落ちに取り組んでみようと思います。

  • 4連勝または6勝1敗で次の手合いへ進む
  • 4連敗または1勝6敗で前の手合いへ戻る
  • 相手は全戦型タイプの五段

で、六枚落ちから開始となりますが、六枚落ちと思って侮ることなかれ。始める前に何度か試しに対局してみたら、結構負かされる(涙)

さすがに相手の駒が少ないので敵陣を突破するのは難しくないのですが、そこは正確無比な終盤力を誇る将棋ソフト。とにかくそこからの受けが強靱すぎてなかなか寄せきれないのです。そしてまごついているうちにいつの間にか駒損して追い込まれて…ってパターンで結構負かされました。

というわけで、正直六枚落ちを突破するだけでも苦労しそうですが、まあそこは棋力向上への試練だと思って頑張ります。

というわけで、対激指五段、六枚落ち第1局のもようをお届けします。

△3二金    ▲7六歩    △7二金    ▲6六角    △8二銀    ▲9六歩
△7四歩    ▲9五歩    △6四歩    ▲5六歩    △5二玉    ▲9四歩

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私は定跡通りの9筋攻めを敢行しましたが、激指は受けを手抜いてきました。定跡では、この時点で金が7三にいて、▲9四歩△同歩▲同香△8四金▲9八飛△9五歩と続き、その後に下手は角を切る、という展開になるのですが、今回はそうはなりませんでした。

△同 歩    ▲同 香    △8四歩    ▲9二香成  △7三銀    ▲9八飛
△4二銀    

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ただ、激指によればこの展開も定跡の範囲ではあるらしいです。激指によればこの場面では▲8一成香、または▲9三飛成が定跡らしいです。

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▲8一成香って成小駒を一段目へ移動という動きで一見指しにくいのですが、こうしてみると金が9筋側に動けなくて飛成が受からない上に、単純に次の▲9二飛成が強烈ですね。なるほどね~

私は大駒の近くで接近戦になるのが怖くて、▲9四歩と垂らしたのですが、それにより定跡からは完全に外れました。

▲9四歩    △3四歩    ▲9三歩成  △9七歩    ▲同 飛    △3一金
▲8二と    △6五歩    

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一見、角を追い払いに来た手に見えますが、▲5七角で何も起こらない。しかし、実はこの手の狙いは角を追うことではなかったのです。

▲5七角    △6二金    ▲8三と    △6四銀    

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と金と成香で金銀を剥がしにかかるのですが、激指先生はするすると金銀をかわしてそれを許さない。▲8三とに対して△6四銀。先ほど角を追い払いに来たように見えた△6五歩の真の狙いはコレだったようです。恐るべし、激指先生の強靱な受け。

というわけで私は▲1三角成で挟撃体勢を構築にかかりました。

▲1三角成  △4四歩    ▲8二成香  △4三玉    ▲9一飛成  △3二金
▲7二と    △6三金    ▲6一龍    △5四金    ▲6二と    △7三銀
▲7二成香  

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ここに来てようやく銀一枚剥がせる目処が立ちました。本譜は△6二銀とと金を外してきましたが、△6四銀と逃げても▲6三とで銀の逃げ場はありません。

△6二銀    ▲同成香    △1二歩    ▲同 馬    △6六歩    ▲同 歩
△4五金    ▲5二成香  △5六金    ▲4二成香  △同 金    

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ここで▲5二銀と打てば即詰みだったようです。△5四玉なら▲6五龍までなので、△5二同金ですが、それには▲3二銀の捨駒があり、△同玉に▲5二龍以下詰みます。

本譜は▲2三馬と玉の包囲網を狭めにかかりましたが…

▲2三馬    △4五歩    ▲5一銀    △3二金    

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ここで▲6二龍がありました。△2三金と馬を取れば、▲4二龍△5四玉▲6五銀△5五玉▲5三龍△6六玉▲5六龍まで詰み。本譜は寄せを読み切れず馬を逃げたため、ややこしい将棋になっていきます。

▲1四馬    △2三歩    ▲1五馬    △4六歩    ▲同 歩    △同 金
▲6四龍    △5四香    ▲5八歩    

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どう考えたって▲5五歩ですよね。何をやってるんだか。

△6三歩    ▲同 龍    △4四玉    ▲6二銀不成△4三金    ▲7七桂    

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手詰まりになって桂を5三に利かせようとした手ですが、筋悪ですよねぇ。激指によれば▲3二銀がありました。なるほど、△3三金なら▲5三銀不成ですか。で、玉が逃げたら馬で金を抜くという。

実際にはこの後4手で激指の投了となりました。

△7五歩    ▲6五桂    △5八香成  ▲同金右
まで78手で下手の勝ち

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59手目△3二金に対して▲6二龍は覚えておきたい寄せですねぇ。

以下、棋譜です。

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将棋勉強法総括-低級脱出編 [考察]

「将棋が強い」人というのはどういう人でしょうか。どういう人が「将棋が強い」ということになるのでしょうか。

いきなり漠然とした命題を持ち出しましたが、言い換えるなら「『棋力』の正体は何か」という疑問です。

何を持っている人が「将棋が強い」人なのか、その「何を」の部分を明確にしたい。それがわかれば、将棋の勉強をするにあたって目指すところがある程度明確になるはずです。

長々と連載してきた「将棋勉強法総括-低級脱出編」の締めくくりとして、この「棋力の正体」というやつを私なりに考察してみたいと思います。

まず、「棋力の正体」につながる手がかりとして、プロ棋士やアマ強豪の言葉をいくつか引用してみます。

「手筋をたくさん知っていると、ヒラメキが増えます」(豊川孝弘七段 NHK将棋フォーカスにて)

「基本的に、見えていない手を読むことはできないのです。(中略)将棋が強くなるということは、実は、手が見えるようになるとことなのです」(森けい二九段 「寄せが見える本(応用編)」前書きより)

「『考えればわかる』では競り合いに勝てません」(金子タカシ氏 「寄せの手筋200」の帯より)

で、いきなりですが先に私の結論を言ってしまいましょう。

私が考える「棋力の正体」とは、ズバリ、以下の2つです。

  • 自分の中に持っている「パターン」の数
  • 読みの力

自分の中に持っているパターンの数が多ければ多いほど、そして先の局面を読む力が深ければ深いほど&早ければ早いほど、その人は「将棋が強い人」なのです。

それも、前者(パターンの数)のウェートがかなり大きいと思ってます。そして、先に示したお三方の言葉も、このことを証明しています。

パターンの数、と言われても「何のこっちゃ」と思われるかもしれません。例を示しましょう。まず、以下の詰将棋を解いてみてください。

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はい、そうです。▲5二金までの1手詰です。いわゆる典型的な「頭金」の図。簡単ですよね。多分、うちの長女レベルでもひと目で正解するでしょう。

ただ、ここで「バカにするな!」と激昂する前に、ちょっと考えていただきたいのです。

あなたはなぜ、ひと目で▲5二金で詰みだとわかったのでしょうか。おそらく、答えを出すのに考えたりはしませんでしたよね?見ただけで正解できたはずです。

しかしですよ、私も娘達や大人の入門者に教えていてわかったことですが、本当の入門レベルの人にはこの▲5二金がわからんのですよ。大人でも入門者は▲6二金だとか▲4一金だとかいう答を返して来るのです。▲5二金と答えられる人も、金銀の利きと玉の逃げ場を逐一確認しながら、考えに考えて答えにたどり着くのです。

これが「パターン」です。

先の詰将棋がひと目でわかった方は、「頭金」という典型的な詰みのパターンを知っているから、考えなくても見ただけで答えが出せるのです。逆にその形を覚えていない入門者は逐一駒の利きを確認して考えないと、答えが導けないのです。「頭金」というパターンを覚えているかどうかで、将棋の力に明確な差がつくという典型例です。

では、詰将棋をもう一問。以下はどうでしょうか。

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さっきよりは格段に難易度上がってますが、これも多少心得のある人なら難しい問題ではないはずです。答は▲5一龍△同玉▲5二金までの3手詰です。

いきなり最強の攻め駒である龍をタダ捨てするのが詰みへの第一歩になりますが、こんな荒業に踏み込めるのは、龍を△同玉と取らせた結果が頭金の形になることが見えているからです。つまり、ここでも「頭金」というパターンの知識が、正解を導く力として貢献している。

逆に「頭金」のパターンを知らない入門者は、最強の駒である龍を捨てる手にそう簡単に気づくことはできないでしょう。

詰将棋を例に説明しましたが、最終盤のみならず、序盤や中盤でも基本的に同じです。手筋という名のパターンをたくさん知っているほど、正しい手を導き出すのに時間を必要としません。

ここでもう一度、先ほどのプロ棋士およびアマ強豪の言葉を振り返ってみます。

「手筋をたくさん知っていると、ヒラメキが増えます」(豊川孝弘七段 NHK将棋フォーカスにて)

これはまさにパターンの力を直接的に説明する言葉です。

目の前にある局面が、知っている場面そのものでなかったとしても、脳は無意識に記憶の中から類似の局面を探し出し、何らかの結論を提示してきます。これが「ヒラメキ」とか「直感」と呼ばれる働きです。

そして、そういったパターンをたくさん蓄積するほど、このヒラメキの精度・スピードは上がっていくのです。

「基本的に、見えていない手を読むことはできないのです。(中略)将棋が強くなるということは、実は、手が見えるようになるとことなのです」(森けい二九段 「寄せが見える本(応用編)」前書きより)

これは先ほどの入門者と頭金の話を説明しています。

パターンに無い局面は、いくら考えてもヒラメキが来ないのです。そういう局面では、入門者がやるような頭金の詰みを駒の利きひとつひとつ確認しながら考えるような思考が必要になるので、結論が出るまで時間もかかりますし、その答の精度も怪しい。

手筋問題などに取り組んでいて、「こんなの知らなきゃわからねーよ!」と思ったことがよくあると思います。言い換えれば、知ってるか知ってないかだけであり、「考えたってわかるわけがない」という問題。私もそういう問題に出くわしたことは多々あります。

それは、パターンを持ってないからヒラメキが無い、つまり「見えない」。そういうことです。

「『考えればわかる』では競り合いに勝てません」(金子タカシ氏 「寄せの手筋200」の帯より)

例えば秒読み将棋になった時に、持っているパターンからすぐに手がひらめく人と、様々な手を読みながら&検証しながら時間をかけなければ手が見えない人、どちらが有利かは言うまでもないと思います。

以上から、「この局面での最善手はこれ」というパターンをたくさん持っていると強い、という結論に至るのです。

「棋力の正体」のもう一つ、読む力についても触れておきます。

これは単純に、何手か先の局面を深く&早く読む力です。パターンを持っているだけではやはり限界があり、どうしても読む力がある程度は必要です。これがないと、自分が知っている有利な局面に誘導することもできませんし、ヒラメキが提示してきた手を検証することもできません。

ところが、この読む力にもやはりパターンの力が関係してくるのです。読む力よりもパターンの数の方がウェートが高い前述したのはそういうことです。

誰だか忘れましたが、あるプロ棋士が「プロの強さは、ある意味『読む力』ではなく『読まない力』にある」という意味のことを言っていました。

ある局面で例えば先手の手番だったとして、指せる手がいったい何通りあるか。

ほとんどどんな局面でも、おそらく何十通り、何百通りとあるはずです。しかし、プロにしても我々アマチュアにしてもその何百通りの手を全て読んでいるわけではない。無意識に、数手の候補に絞り込んでその中で読みを入れているはずです。つまり、明らかに悪手であったり、無駄とわかるような手は最初から読みの中に入れないのです。そうそうることで、無駄な読みに時間をかけなくて済む。これが『読まない力』です。

私の言いたいことはもうお分かりでしょう。このような、悪手や無駄手を読みから除外し有力手に絞り込むのも、パターンの力なのです。「この場面ではこの手しかない」「この場面でこんな手はありえない」といったパターンの存在がこのような読み筋からの排除を可能にするのです。

これまでの考察から、自分の中に将棋のパターンを多く持っていれば持っているほど強い。それが私の考える「棋力の正体」です。

さて、「棋力の正体」がパターンの数だとするなら、棋力を上げるためには何をすればいいのかは明白ですよね。

そう、ひたすらパターンを増やす訓練をすればいい

詰将棋であれ、手筋問題であれ、定跡であれ、全てはそこに行きつきます。感覚的にでも理詰めでも構わないから、とにかく自分の中にパターンと呼べるものをたくさん溜め込む。将棋の勉強の目指すところはほぼこれに尽きるのではないかと思います。

だから問題集系の勉強であれば、繰り返し解いて頭に覚えこませることが必要なのです。低級者同士の感想戦は無意味だと言ったのは、間違ったパターンが身についてしまう可能性の方が高いから。棋譜並べの恩恵を私があまり認められなかったのは、時間がかかる割に身につくパターンが少なく感じられたからです。

そしてもう一つ、「棋力の正体」がパターンの数だとするなら、もう一つ言及しておきたいことがあります。

それは「才能なんて必要じゃないよね」ってことです。少なくとも、アマチュアレベルでは。

そりゃ、向き不向きはありますし、要領の良しあしもありますから、成長するスピードに関しては個人差はどうしてもあるでしょう。しかし、パターンを増やしていけば強くなれるのならば、たとえゆっくりでも自分の中のパターンを増やしていけば、時間はかかるかもしれないけど、いずれは強くなれるはず。

確か羽生名人の言葉だったと思いますが、「誰でも奨励会二段まではなれる」というのはそういう意味なんだと勝手に理解してます。奨励会二段レベルであれば、努力さえ続けば、時間はかかったとしてもいずれ到達できるんだ、と。

以上、「棋力の正体」に関する私なりの考察でした。

本稿をもって、「将棋勉強法総括-低級脱出編」シリーズを終了とさせていただきます。

またいずれ、きりのいいタイミングで同じように振り返り、アプローチや考え方がどのように変わったか確認してみるつもりです。

お付き合い、ありがとうございました。

 

将棋勉強法総括-低級脱出編 [その他]

「その他」としていますが、主要に知られている以外の私なりの勉強方法という意味であり、実際にここでは「脳内将棋盤」について取り上げていきます。

「脳内将棋盤」とは、何かというと、わかりやすい説明は「目隠し将棋」でしょう。盤と駒を使わず、棋譜読み上げだけで頭の中で将棋を指すというアレです。あれが出来る人たちは脳内に仮想的な将棋盤を持っていて、そこで局面を動かしているわけです。

実戦での読みを深く、早くするという目的で脳内将棋盤を追及する人もいますが、私はどちらかというと、「脳内将棋盤を持つとあらゆる勉強の効率が飛躍的に上がる」といううたい文句にひかれ、脳内将棋盤構築に挑むようになりました。

例えば定跡勉強する際にも、頭の中で棋譜が並べられるなら、盤駒を用意する必要が無くなる。これはつまり、本一冊さえあればいつでもどこでも勉強ができる、ということです。しかも脳内将棋盤の処理速度は実際の盤駒を手で動かすよりはるかに高速。

実際に脳内将棋盤を自在に駆使できるようになれば、時と場所を選ばなくなるし、スピードも上がるはずなので確かに勉強の効率は上がるでしょう。

で、それなりに訓練を続けていたわけですが、現状はどうか。

まだ中途半端感はありますが、そこそこ使いこなせているような気はします。知っている定跡を頭の中で並べ直すことくらいはまず問題なくできます。そこから独自の変化をあれこれ検討するという芸当もとりあえずできる。

ただ、たとえばポッと棋譜を一つ渡されてそれを頭の中で再生できるかと言われるとまだちょっと苦しい。未知の棋譜を脳内で再生できるレベルにはまだ足りないようです。したがって、棋書を頭の中だけで勉強するというレベルには、まだ到達できていないですね。

とはいえ、既知の定跡を脳内再生できるようになったのはかなり大きい。覚えた定跡を繰り返し脳内再生することによって、定着が早くなりました。

脳内将棋盤が使いこなせるようになると、他にも色々と応用ができそうです。

では、私の脳内将棋盤訓練法を紹介して、本稿の結びとしておきます。と言っても、過去の記事の焼き直しですがね。

まずは脳内に初期配置図を作る

ご自身が所有している盤駒でもいいですし、棋書に載っている初期配置図でもいいと思います。初期配置の盤面を目の前に用意し、これをまずは頭に叩き込む。

目の前の初期配置図を一瞬だけ(コンマ5秒くらい?)見て、すぐに目を閉じる。これを何度も繰り返すと、不思議と目を閉じてもある程度鮮明に脳内にイメージできてくるようになると思います。

イメージできるようになったら、そこから頭の中で数手ほど動かしてみる。

まずは、ここまでできるようにします。

定跡を利用する

適当な棋書から面白そうな定跡を選びます。そして、その定跡を盤駒を使って並べる。何度も何度も、本を見なくても並べられるようになるまで、これを繰り返します。とりあえず手の意味などの理解は今は後回し。手順を記憶に叩き込むことに専念してください。

そして、本を見なくても並べられるようになったら、先ほど構築した脳内の初期図から、頭の中で覚えた定跡をトレースします。なるべく鮮明なイメージを維持したまま、なんども繰り返します。持ち駒にも気を配りましょう。

頭の中で変化筋まで検討できるようになれば、上々です。

この方法は定跡の勉強にもなり、一石二鳥です。

詰将棋を利用する

詰将棋を脳内盤を使って解きます。脳内将棋盤を鍛えるという目的に照らすと、やや長めの手数のものが良いです。最低でも7手詰でしょうか。私は9手詰以上でやってます。

で、解く場合は問題図面を暗記するところから始めます。問題図の暗記には上述した一瞬だけ見ることを繰り返す方法が良いでしょう。で、問題図を暗記して、本を閉じて脳内将棋盤であれこれ動かしながら解く。盤駒に並べるなどもってのほかです!

私は最近は9手詰くらいのものなら脳内で考える方がむしろ楽に感じられるようになりました。

将棋勉強法総括-低級脱出編 [定跡]

正直なところ、定跡勉強というものについて、私は結構最近まで侮っていました。

「定跡を学んだところで定跡通りに進むわけでもなし、何の意味があるの?」と。ありがちな理由ですね。

なので、最低限のカタチを抑えておく程度で、定跡については勉強らしい勉強はほとんどしてなかったのが実情です。当ブログの過去の記事を見てもそんな意識がありありと出ています。

「定跡は進行を暗記するものではない」とはよく聞かれる言葉ですし私も認識してましたが、やはりどこかで私はこの言葉の真意を理解していなかった。

それでは、「定跡は進行を暗記するものではない」のだとしたら、定跡を学ぶ意味って何なのでしょうか。

この問いに、どれだけの人が答を持っているのか。おそらく、この答を持っているかどうかが、定跡勉強を有益にできるかどうかの分水嶺であるように思います。これが絶対の正解というものはないと思いますが、自分なりの答は何かしら持っている必要があるでしょう。

私の答は「定跡は序中盤の手筋・構想を学ぶもの」です。

それに気づいたのは、「せめてひとつだけでも、この『戦型になったら負けない』というものを持ちたい」と思い、その戦型として後手番相横歩取りを選んで、それまで好きじゃなかった定跡の勉強に本腰を入れたのがきっかけでした。

定跡とはお互い最善を尽くした結果の流れなわけですが、当然それぞれの手にはひとつひとつに意味があるわけです。ですから、うかつに定跡を外すと咎められて不利に陥るリスクを冒すことになります。その咎め方も含めて定跡なわけですが、それこそが序中盤の手筋に他ならないわけです。中盤手筋問題などで、「この形ではここが急所」などとやっているのと、本質的にあまり変わらない。

相横歩取りは一見派手な戦型ですが、派手だからこそ細かい手筋が随所に出てきて非常に興味深かった。そのことが、上述の答にたどり着くきっかけとなりました。

また、ゴキゲン中飛車対策として、私は流行りの「超速」ではなく▲7八金型を主に勉強しましたが、この形には「角を安定させることで、5筋位取りと2筋の歩交換拒否の両方は許さない」という構想があるわけです。このような構想の考え方と、その構想を背景に、具体的にどのように指し回すのかが▲7八金型の定跡となるわけです。そしてそこには構想を実現するための様々な「手筋」が登場します。

そしてこういう手筋や構想レベルで定跡きちんと身に着けていれば、多少定跡手順から外れたとしても応用が利くものです。

こういう捉え方をするようになってから、定跡に対する認識が180度変わりました。今は、遭遇率の高い戦型についてはなるべく定跡を理解しようと奮闘している最中です。

さて、では具体的に定跡をどう学ぶかですが、それについては私なりに結構工夫していて、それなりにうまく機能しているので、参考までにご紹介します。(過去の記事の焼き直しですけどね:p)

「定跡は進行を暗記するものではない」という冒頭の発言と一見矛盾するようですが、私の定跡勉強は、基本的に進行の丸暗記から入ります。そして丸暗記した手順に、後から反復再生や実戦反復などで肉付けして、強化していきます。

一度暗記した定跡をあとから反復再生していると、必ず「あれ?この手はどういう意味なんだ?」「ここでこう指されたらどうなるんだ?」という疑問が出てきます。そこを定跡書の解説を読み返すなり、ソフトでの検討にかけたりして解消するわけです。

実戦では定跡と辿っているうちに思わぬタイミングで定跡を外されたり、自分が定跡を忘れておかしな手を指したりすることもあります。それは後から必ず定跡書の解説を引きながら、咎め方や正しい手筋を復習しておく。

これらを繰り返すことで、最初は単なる手順の記憶でしなかった定跡の背景にある手筋や構想が徐々に身についてきます。

定跡書の内容をまるまる理解しようとしたって無理ですし、すべてが自分にとって必要とも限らないわけです。並べていて疑問に思ったことや、実際に実戦で引っかかったところこそが自分にとって突っ込んで理解する必要がある個所なんだと思ってます。そうでもない箇所を無理に覚えようとしたってなかなか難しいでしょう。

まあ、横歩取り△4五角とか、早石田とか、定跡知らないと瞬殺されるような戦型もありますから、そういうのは四の五の言わず覚えるしかないんでしょうけどね:p

そしてもう一つ。覚える定跡筋はなるべく絞ることですね。

ある戦法の定跡を覚えるなら、自分に選択権がある個所で、一つの選択肢をとりあげてそこを徹底的に深堀するわけです。

後手番の相横歩取りを例にとると、後手が横歩を取った直後の先手の応手が▲7七銀なら、一番多い展開は飛車引きから大駒総交換し、先手が▲4六角と打つ展開だと思いますが、この時点で後手に応手の選択権があります。一番メジャーなのは△8二角でしょうが、私は△8六歩を採用し、これをひたすら深堀しています。今のところはこれでまずまず戦えていますが、ある程度限界が見えたら、△8二角など他の選択肢に移ってみるのもいいでしょう。

また、先手番での対ゴキゲン中飛車対策なら、「超速▲3七銀」「丸山ワクチン」「二枚銀」「▲5八金右超急戦」「▲7八金」など先手の対策にも結構種類があります。世間では「超速▲3七銀」が主流ですが、あまり世間と同じことやってもつまらんなぁと思って私は「▲7八金」を選んで深堀してます。もちろん、「超速▲3七銀」が世間の主流になったということは、「▲7八金」はもうすでに限界が見えているということなのかもしれませんが、私程度のレベルであればまだまだ通用するでしょう。実際、▲7八金とした瞬間に相手が戸惑った様子を見せると、してやったりという感じで思わず心の中でニヤニヤしてしまいます(笑)。「超速▲3七銀」を覚えるとしても、「▲7八金」に限界を感じてからでいいかなぁ、と。

以上、私流の定跡勉強法をご紹介しました。何かのご参考になれば幸いでございます。

 

将棋勉強法総括-低級脱出編 [指導対局]

指導対局は受けられる環境にあるなら、ぜひ積極的に受けるべきだと思います。

私が実感してきた指導対局のメリットを以下に列挙します。

  • 本ではなかなかわからない、強い人の考え方や局面の捉え方に触れることができる
  • 疑問点は徹底的に質問して解消することができる
  • 自分のレベルに応じた指導を受けることができる

とくに一つ目が大きい。私もオンライン将棋教室を利用して指導対局をしてもらってましたが、本を読んでいただけではなかなかわからなかったであろう考え方を学ぶことができたのは非常に大きい。

具体例をひとつ挙げれば、「将棋は相手より一手早く相手玉を詰めればよい」という考え方ですね。

これを知るまで私は、終盤の局面で受けるか攻めるかという選択を、明確な根拠もなくなんとなくで決めていました。しかし、自玉が詰めろではなく、相手玉に詰めろが続けられる状態ならば、受けは手抜いて攻めていけば勝てる、ということを具体的に学んだのです。

こうして文面にしてみると、なんか当たり前のことを言っているように見えるかもしれません。実際、私も知識としては頭に持ってはいたのです。ただ、低級レベルの私はそれを目の前の局面に照らし合わせて次の手を判断するということが、全然意識できていなかった。

それが、講師に具体的な局面を元に指摘され、「ああ、あれはそういうことだったのね」とストンと腹に落ちたわけです。それ以降、私は拙いながらも最終盤で手数計算を常に意識するようになりました。相手より先に詰めろがかけられるならば、受けは手抜く。これにより、終盤力はかなり強化されたと実感してます。

もうひとつ例を挙げるなら、「相手の攻めに対して、面倒を見るか、手を抜くかの考え方」があります。どういう時に面倒を見るのか、あるいはどういう時に手抜くべきなのか、そういうことを具体的な局面を元に教えていただき、随分と理解が進みました。とはいえ、今もなかなか正確な判断はできないのですが、後で振り返るにあたって基準が持てるようになったのはやはり大きい。

この考え方の基準が明確に示された棋書を、少なくとも私は知りません。

メモ代わりに、ここに残しておきますかね。

  • 手抜くと玉に具体的な危険が迫る場合は原則面倒を見る。ただし、相手に先に詰めろをかけられる場合は手抜きを検討する(速度の問題)
  • 歩による駒当たりは原則手抜き不可(駒損が痛すぎるため)
  • 歩以外による駒当たりは、交換に収められる場合は多少の駒損(たとえば、銀桂交換程度)になっても手抜きが出来ないか(駒損以上に価値の高い手が無いか)考える
  • 有効な受けがない場合は手抜く

つらつらと書いてはみましたが、じゃあこの記事を読んでいる人がこれらの心得を直ちに理解して実践できるかというと多分無理でしょう。私も指導対局で繰り返し繰り返し指摘してもらう中で徐々に理解が進んでいったものですし(そしておそらく、今も発展途上)。

とまあ、指導対局は本だけでは学べない「生きた知識」を得る絶好のチャンスです。受けられる環境ならば積極的に受けるべきでしょう。それも一回ぽっきりではなく、できれば定期的に。習い事と感覚は一緒ですね。プロの棋士が各地の道場になかば常駐していて、お金さえ出せばいつでも指導対局が受けられる東京や大阪の環境は心底うらやましいです。

ただ、すべての勉強法の中で一番お金がかかるものでもあります:p

例えば私がお世話になったオンライン将棋教室は一回の受講料が2,000円。それだけの見返りはあると思いますが、これは棋書が一冊買えてお釣りがくる金額でもあります。

懐具合や自分の勉強方針とも相談が必要になるでしょうね。

もし身近に高段者の人がいて、タダでいつでも教えてもらえる環境があるなら、それはものすごく恵まれた環境だと幸運をかみしめましょう。

将棋勉強法総括-低級脱出編 [実戦]

とくに弱いうちは感想戦すら省略してひたすら実戦を積み重ねたほうがいい、という人もいれば、実戦よりも手筋などの基礎勉強を重視すべきという人もいます。

正直、今の私はこの命題に対して答を持ち合わせていないです。

ただ、敗局の反省なしにただ実戦を積み重ねても効率が悪いかな、という気はしています。感想戦の項で「低級者同士で感想戦をやっても無意味」と言ったのと矛盾するようですが、同じ失敗を繰り返さないためにも、敗着を特定して代替手を考えるくらいのことはしておいた方が良いでしょう。今はソフトという便利なものもあることですし、そのくらいなら低級者でも自分で検討できるはずです。

逆に、勉強の成果を試すという目的ならば積極的に実践を重ねてみるのもいいのかもしれません。今はネット環境さえあればいつでも対局ができますし、いい時代になったものです。

実戦を指すうえでもう一つ気になる命題は、「早指しは是か否か」ですね。正直言うと、これもどちらがいいのか、私にはわからないです。

低級ならば早指しは避けてじっくり考える時間を確保すべきと最初は考えてましたが、最近はそうでもないのかもと思い始めてます。

弱いうちはじっくり考えることが大事という考えから、将棋倶楽部24でも81Dojoでも持ち時間15分という設定を多用してました。早指しはほとんど指しまてせん。将棋ウォーズや将棋クエストみたいな10分切れ負けしかないサイトは避けていました。

ただ、最近早指しに手を出してみると、15分の時よりもレーティングが上がってこないということに気づきました。つまり、私は明確に15分で指した時よりも早指しで指した時の方が弱いわけです。

早指しだから15分よりも弱くなるのは当たり前だろといわれそうですが、そういうことではないのです。絶対的な棋力が早指しで弱くなるだろうことは誰しも同じはずですが、私は他の人よりもその落差が大きいように見えるということです。

なんでこんなことが起こるのか。一言で言ってしまえば私は「手が見えるのが遅い」からなんです。なのでじっくり考えればそれなりに良い手をひねり出せるけど、直感的に手を見つくろう能力が問われる早指しにはうまく対応できていない。

プロにも「早指しに強い」「早見え早指し」などと言われる人がいますから、そういう能力差はやはりあるんだと思います。

なので、早指しでも強くろうと思ったら、弱いうちからある程度早指しを指してそういう早指し的な思考に慣れておくことも必要なんじゃ…と最近は思い始めています。早指しでその能力が培えるならば、それは長い持ち時間の将棋でもマイナスにはならないでしょうし。

とはいえ、早指しの思考癖がついてしまうと、十分考える時間があるのにロクに考えずに着手するようになって棋力が上がらない、という意見もありますしね。

このあたりについては私の中でも全く結論が出でていない領域です。

将棋勉強法総括-低級脱出編 [必死]

強くなればなるほど、詰みよりも必死を先に考えるようになるようです。それは最近私もひしひしと実感するようになってきました。

低級レベルの将棋だと、こちらが仕掛けた詰めろに相手が気づくことなく頓死するという勝ち方がとても多かった。しかし、中級レベルになってくるとそういう頓死筋はゼロとは言わないにせよかなり減って来たのを感じてます。そうなると、受けなしに追い込んで勝つということを考えざるを得なくなるわけで、必死の練習をする必要性を強く感じました。なので低級脱出が視界に入ったあたりから、必死を勉強に組み込んで取り組んではいます。

とはいえ、正直なところ低級脱出を目指すレベルならば必死訓練は後回しにしても大丈夫じゃないかと私は思います。必要ないとか効果が薄いとか言いたいのではなく、取り組む余力があるならやはり取り組んで損のないものだとは思います。ただ、他に解決すべき課題があるなら優先度を落としてもいいのかなと。理由は二つ。

  • 必死問題に取り組むためには詰将棋の力がある程度ついてないと苦しい。5手詰がスムーズに解けるレベルに達してない場合は詰将棋の訓練を優先すべき
  • そして5手詰がスムーズに解けるレベルにあるなら、低級の場合は前述のとおりこちらが仕掛けた詰めろに相手が気づかず頓死してくれることが多く、わざわざ必死を学ばなくてもなんとかなる

前者はまさしく私の実感です。なんとなくで青野九段の必死本にトライしたものの、最初は全く歯が立たずいったん挫折しました。それが詰将棋を積み重ねて10手を超える詰みも何とか読めるようになった今、改めてトライしてみると以前よりははるかに手が見えるようになっていたのです。

詰めろをかけるにせよ必死をかけるにせよ、そこからの詰みを読み切る力があって初めて可能になります。なので、まずは詰将棋で詰みのセンスを鍛えることを優先すべきと私は考えます。

逆に考えると、必死問題を解くことは詰将棋の要素を内包しているとも言えますから、必死問題を解くことで同時に詰みのセンスも養成する、という考え方もアリかもしれません。しかし、これはかなり挫折しやすい方法だと思います。