不惑オヤジ(と娘)の将棋な日々

アラフォー親父と小学生娘の悪戦苦闘の記録

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[棋譜並べ]久米可六vs天野宗歩 1833年(天保四年)5月19日

※この棋譜並べシリーズは棋力初段レベルのブログ主が、自身の学習のアウトプットとして書いているものです。解説とかではない旨をご承知の上で、お読みください。

今回取り上げるのは、天保四年5月19日、久米可六vs天野宗歩。手合いは平手です。

▲7六歩 △8四歩 ▲2六歩 △8五歩 ▲2五歩 △3二金
▲7七角 △3四歩 ▲8八銀 △7七角成 ▲同 銀 △2二銀
▲4八銀 △3三銀 ▲6八玉 △6二銀 ▲7八玉 △4二玉
▲5八金右 △6四歩 ▲5六歩 △6三銀 ▲5七銀 △5二金
▲6六歩 △5四銀 ▲6七金 △4四歩

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内藤圀雄九段によると、現代では常識ともなっている、角換わりの将棋で腰掛け銀の型を使い出したのは宗歩っぽいとのこと。

確かにこの対局でも先手の久米可六は普通に5筋の歩を突いている。腰掛け銀ではなく、片矢倉でやや中央にバランスを取った構えにして打ち込みに備えようというのが、この時代の角換わりのトレンドだったようですね。

▲4六銀 △7四歩 ▲5五歩 △4三銀 ▲6八金上 △3一玉
▲3六歩 △9四歩 ▲3五歩 △2二玉 ▲3四歩 △同銀右
▲3五歩 △4三銀 ▲5七銀 △9五歩 ▲5六銀 △1四歩
▲4六歩 △1五歩 ▲5七角 △7二角

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先手は4六の歩越し銀を起点に5筋3筋から攻めを作ろうとするも、うまいこと後手にかわされて続かない。で、2手かけて4筋の銀を5筋に繰り替えている間に後手は両端の位をがっちりと抑えました。

確かに、腰掛け銀相手だと5筋の位を取っても△4三銀と形よく銀矢倉に引かれ、3筋を攻められてもびくともしない。銀矢倉って玉の脇の金にも紐付いている分、普通の矢倉よりも実は堅いんじゃないかと思っているのですが、いかに。

そしてこの角打ち。飛車の頭越しに遠く1筋をにらみ付けたなんとも味わいのある自陣角。そして、この数手後の…

▲6五歩 △同 歩 ▲同 銀 △3六歩

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この垂れ歩。どちらも内藤九段絶賛の一手です。次に△3七歩成▲同桂△3六歩が狙い筋でしょうか。

ところが、ソフトは50手目の角打ちもこの垂れ歩も疑問手認定してます。

50手目の角打ちでは△3四歩と合わせて、▲同歩△同銀右と3筋方面から盛り上がっていくべきということらしいです。さらに△4三金と上がって玉頭を分厚くすると。後手の駒が左に偏り過ぎな気もしますが、先手は先に画を手放しており、その働きもイマイチなので、このような押さえ込む指し方で駒効率の差を主張するってことですかね。

ただ、その後のソフトの読み筋をひもとくに、△7二角自体が悪いと言うより、△3四歩という最善手をスルーしているので疑問、という意味らしいです。

54手目△3六歩の垂らしは、△3七歩の方がよいと。ふむ、▲同桂なら同じように△3六歩であるし、放置なら△3八歩成▲同飛△2七角成の狙いってことですかね。確かに、この3六の歩が自陣角の効きを遮っているのがちょっと気にはなったんだよなぁ。

そんなわけで、△3七歩成は許せないので▲3八飛。これも▲2七飛の方が勝るという評価ですが、正直違いがよくわからない。後者の方が、攻め味が残るってことですかね。

いずれにせよ、△3七歩なら▲3八飛も▲2七飛も無かったことになりますが。

▲3八飛 △1六歩 ▲4五歩 △同 角 ▲3四歩 △同銀右
▲5四歩 △6二飛 ▲6四歩 △7三桂

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この時点でソフトの評価は1000ほど後手に傾いているわけですが…そこまで差のある局面ですかね?

損得:互角
効率:後手。先手は飛角の働きが今ひとつで、右桂も使えない。後手は角が間接的に玉を睨んでいることに加え、桂も手順に活用できそうな雰囲気
堅さ:互角
手番:後手?順番は先手だが、先手は銀当たりをなんとかする必要がある。

確かに後手が指せそうな局面ではありますね。先手はもう少し後手の自陣角の効きを邪魔するような手立てを講じなければいけなかったのかも。

先手はここで▲6六銀と上がりましたが、これが決定的な敗着になったもよう。

ぱっと見、▲7四銀と出たくなりますがそれも悪手で、△6四飛と銀取りで出られ、▲7三銀不成には△6七飛成とズバっと切り捨てて、▲同金に△5六金で必勝であると。

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▲同金は△同角が王手飛車ですし、かといって▲6八歩などとと支えたところで△5七角と角をタダ取りできてしまうので処置無しです(角が玉を睨んでいるため▲5七同金とは取り返せない)。

▲6六銀では▲5六銀と引いておく方がまだよかったいう評価です。△同角▲同金△4七銀みたいな手が気になりますが、両取りに構わず△8四角と飛び出してもう一勝負、と。

▲6六銀 △6五桂 ▲同 銀 △5五銀 ▲5六桂 △6六歩
▲同 金

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第4図は、△6六歩の叩きを▲同金と取ったところ。タタキの歩による宗歩の狙いは単なる金銀交換では無く、角筋を通すことにあったもようで、ここから動けない5六の桂をあざ笑うかのような指し回しが続きます。

それはそれで見ていて面白いのですが、ソフト的には素直に△6六同銀と取る方が勝るという評価。▲同角に△6四飛と切り飛ばし、▲同銀に△5六角と出て王手飛車。飛車が取れれば駒割り的には桂1枚得をしているので、確かにこちらの方がわかりやすいのかも。

△6四銀 ▲同 銀 △同 飛 ▲5五金 △6五飛

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図は、先手が6四の飛車に当てて▲5五金と上がった手に対して、単に△6五飛と一路上がっただけの手。ひと目意味がわかりませんでしたが、▲同金なら△5六角が三方にらみの激痛ってことですか…

さすがに先手もこの押し売りの飛車は取りませんでした。

▲4五金 △同 銀 ▲6六銀 △5六銀 ▲6五銀 △5七銀成
▲同 金 △4五桂 ▲6六金 △6九銀

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取れば△4七角なので▲7七玉と逃げましたが、続く△3七歩成がさらなる王手飛車含みの一手で、先手投了。

▲7七玉 △3七歩成
まで88手で後手の勝ち

今回の教訓:腰掛け銀のオプションに銀矢倉。

以下、棋譜です。

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