不惑オヤジ(と娘)の将棋な日々

アラフォー親父と小学生娘の悪戦苦闘の記録

月別アーカイブ: 8月 2019

いったいあの事件から何を学んだのか

ここ数日、身内の不幸があってあまり将棋界隈の情報には触れてなかったのですが、久々に娑婆?に戻ってみれば、なんか当ブログでも勝手にお世話になっている某将棋YouTuberさんにソフト指し疑惑が持ち上がってた。

私には彼がソフト指しを本当にやったかなど判断することはできませんが(やっていないと信じてますが、証明できない以上、それは私の願望の域を出ない)、事件の経緯を見るに、「将棋クラスタは三浦事件から結局何も学ばなかったんだな」と暗澹たる気持ちにさせられましたね。

三浦事件は、結局のところプロの棋力をもってしても、ソフト指しを判断することは難しいという事実を浮き彫りにしたはずです。一致率を元に三浦九段をソフト指しと判断して告発した棋士もいれば、別に不自然じゃないと証言する棋士もいたわけで。

そうえいば、その時も、「初段以上なら三浦九段の不正は明確に解る」とか意味不明なことを言っていたアマチュアがいましたね。プロでも意見が割れていたというのに。

また、これも三浦事件から明らかなとおり、基本的に疑いをかけられた側には潔白を証明する手段がありません。だからこそ、告発する側には慎重な対応が求められるはずなのですが。

今回の件であれば、問題の対局が将棋ウォーズ上で行われたものであることから、まず将棋ウォーズの運営に通告するのが筋というもの。

しかし、今回の告発者達は何やったかというと、いきなりYouTubeやらtwitterやらで不特定多数に対してばらまいたわけですよ。しかるべき通報先があるのにいきなり不特定多数に名指しでソフト指しよわばりしたわけです。

しかもその証拠とやらが一致率やら不自然さやら相変わらず主観的なものばかりで、これも三浦事件から何も進歩していない。正直、これでよく告発する気になったものだと思います。三浦事件の記憶があれば、そんなの証拠として認める人など少ないことは容易に想像できるでしょうに。

彼らを支持して当該YouTuberさんを糾弾する人たちがいる一方で、当然告発者達もそれなりに叩かれ、少なくともYouTubeで発信した人はアカウントごと逃亡したようです。

私は三浦事件に関しては渡辺明氏など、告発に回った側を処罰するべきではないという立場でした。細かい疑念はあるとしても、少なくとも、彼らは最初に将棋連盟に通告するという筋は通しています。その後、事態が複雑にこじれてしまったのは、将棋連盟の対応が幼稚すぎたためであって、渡辺氏らの責任とは言えない。

しかし今回の件に関しては、そのような筋を通すこと無く、潔白を証明する手段に乏しい案件をいきなりSNSで不特定多数にばらまいたという点で、全く共感できる余地がありません。なので、彼らがSNS上で炎上しようとも、「当然そのくらい覚悟の上で告発したんでしょ?」としか思いません。

正直、告発に関わったtwitterアカウントなどに関しても以前から色々思うところはあるのですが、それをここで並べても、それこそアンフェアな印象操作になってしまうのでやめておきます。

思えば三浦事件は少なくともファンに対して何ら総括されることなく、藤井聡太フィーバーのなか結局ウヤムヤにされてしまった感がありますが、それもまた今回の件に少なからずつながっているんじゃないかと思わずにはいられませんね。

四間飛車党に転向して

四間飛車使いへの転向を決意してから2ヶ月ほどが経過しました。

で、感想としては「転向して良かった」ですかね…。

元々、四間飛車の対急戦における「攻めさせてカウンター」という指し方は私に合っている気がします。そして居飛穴を相手にするときの、穴熊に組ませる前に攻めかかる指し方も、決まれば爽快無比で実に気持ちがイイ。

何より、居飛車に比べて対応すべき戦型の種類が少ないのはやはり何物にも代えがたいメリットですね。

これは単に勉強量が少なくて済むと言うより、勉強したことを試す機会に恵まれやすいという方が大きい。

何しろ、大別すると急戦か持久戦か相振りかの3つくらいしか無いわけで、急戦の勉強を試したいと思えば1/3ほどのの確率で成立する。これは居飛車では得がたいメリットです。

藤井先生の指しこなし本1,2のおかげで、急戦と対居飛穴はそれなりに自信を持って指せるようになりました。

  

目下の課題はやはり相振りですね。最初は世間の流れに沿って、向かい飛車や三間飛車で戦ってましたが、もう相振りも四間飛車一本で行こうかなと最近思い始めています。

もちろん、相振りで四間飛車は指しづらいと言われていることは理由も含めて認識してますし、実際採用してみると、窮屈な将棋になることも多いのですが、明白に不利になるというわけでもないので、相手の研究を外す効果も期待できるし、悪いことばかりでは無いかなと。

なにより、「別に相手が誰だろうとおれは四間飛車しか指さない」とか言ってみたい。あれ?このセリフは右四間飛車だったかな?まあいいや(笑)

あと、一年間続けて結局芳しい成果が得られず、その後年末のゴタゴタに紛れてフェードアウトしていた棋譜並べも再開しました。主に、四間飛車名局集を順番にならべつつ、合間にネットで相振りの棋譜も拾うって感じでやってます。とりあえずは、一日5回くらいを目処に毎日。

なんだかんだで、挫折しない程度にボチボチ頑張ってます。

[自戦譜]窮屈な将棋 vs safiniaさん

最近は自戦譜しかネタが無い状態で、いい加減どうなんだろうという気もしてますが、とりあえずのりたま名人戦B級リーグ、vs safiniaさんとの対局です。

safiniaさんは、相振りにかけてはのりたま将棋クラブでも独自の研究に基づく独特のフォームをお持ちの方です。当然、相振りは100%相手の土俵なわけで、居飛車に日和って対抗型に持ち込むこともちらっと頭をよぎりましたが、元々手合い違いの相手、勝敗よりも教わることを重視することにしました。

▲7六歩 △3四歩 ▲6六歩 △3二飛 ▲7八銀 △3五歩
▲6七銀 △4二銀 ▲7七角 △1四歩 ▲8八飛 △3六歩
▲同 歩 △同 飛 ▲2八銀 △3四飛 ▲4八玉 △3三銀
▲5八金左 △4四銀 ▲3七歩 △2四歩 ▲8六歩 △2五歩
▲8五歩 △7二金 ▲8四歩 △同 歩 ▲同 飛 △8三歩
▲8六飛 △2四飛 ▲3八玉 △3五銀 ▲4八金上

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そんなわけで、戦型はまたも相振り飛車。後手が左銀を早々と繰り出してきたので矢倉は最初から放棄して金無双に。後手はここからどう囲うのかと様子を見ながら進めてましたが…

△4二金 ▲9六歩 △9四歩 ▲7五歩 △8二銀 ▲6五歩
△7七角成 ▲同 桂 △3三桂 ▲6八金

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実はこの時点で既に指し手に困ってました。角交換を挑んだものの、こちらの陣形は迂闊に動くと角打ちの隙が生じる形です。6七の銀を7六から8五ルートで出したかったのですが、そうなると7八に角打ちの隙が出る。それをカバーするためのこの金寄りですが、いかにも筋悪です。

局後に聞けば、「7八に角は多分打たない」とのこと。

このあたり、やはり強い人とは感覚が違うんだろうなと。なぜ7八角を打たないのか、聞いておけば良かった。

銀は8筋方面より、5六銀と上がって息長く指した方が良かったのかもしれない。最悪、千日手も覚悟で。ただ、それでも飛車が横に動けないのでできることが限られるんですよね。本譜のように銀を上がってこられると、結局飛車を横に動かさざるを得ず、角を打ち込まれる未来が見える。

もうこの時点で作戦負けの気配が濃厚です。

△9三銀 ▲7六銀 △8四銀 ▲5六角 △5五角

2019-08-04c.png

ここに至るまで、後手は未だ居玉。なんでもこの居玉は予定通りで、これで意外と隙が無いので、早い段階で攻めの形を作ることができると。

確かに大駒交換しても打ち込む場所が無い。こちらの駒は迂闊に動かせない。もう息苦しいことこの上ない将棋でした。

あとは全く見せ場も無いまま寄り切られました。

▲6四歩 △同 角 ▲6五銀 △7五角 ▲7六飛 △6四歩
▲8五歩 △6五歩 ▲8四歩 △同 角 ▲6五角 △5九銀
▲5八金左 △4八銀成 ▲同 金 △6六金 ▲8五銀 △7六金
▲8四銀 △同 飛 ▲8五歩 △2四飛 ▲7六角 △7九飛
▲6六角 △2六歩 ▲同 歩 △2七歩 ▲3九銀 △2八銀
▲4九金 △7八飛成 ▲6八歩 △同 龍 ▲5八金 △6九龍
▲4八銀打 △3九銀成 ▲同 銀 △4九銀
まで90手で後手の勝ち

2019-08-04e.png

最近はあまりソフトに頼らないようにしていたのですが、あまりにも為す術無くやられ、しかもどこで悪くなったのかもいまいちだったので、棋譜解析にかけてみました。

まあ、やはり第2図の▲6八金は問題外でした。その代替として示されていたのが▲5六歩。ふむ。やはり引き角を見せて牽制ってことですかね。

その前に▲8五飛と銀に当てて、銀を引いたら矢倉模様に盛り上げる、という方針も出てました。

まあsafiniaさんによれば「この形は何をされても自信あり」とのことなので、当然対策も用意されているのでしょうが、本譜がいかにも筋悪なのは確かですね。

あと、決定的に形勢をおかしくしたのは、55手目のこれっぽいですね。

2019-08-04g.png

55手目は▲8九飛と引くのが良いとのこと。その後△6六角なら、▲3六歩と突く。△同銀なら▲4六歩と銀バサミにし、△4四銀と引くなら▲3七銀と盛り上げていくと。

よくよく見ると後手は角と銀が窮屈ですし、歩越し銀の悪形とも言えるので無理に接近戦を挑む必要はなかったんですかねぇ…

なかなか、こういった見極めが身につきません。

以下、棋譜です。

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