不惑オヤジ(と娘)の将棋な日々

アラフォー親父と小学生娘の悪戦苦闘の記録

月別アーカイブ: 3月 2015

人間vsコンピュータの行方

巷ではまさに人間vsコンピュータの将棋対決「電王戦」が行われている真っ最中です。今の形の電王戦は今回で最後、次回以降は「電王戦タッグマッチ」としてリニューアルし、大型棋戦になるらしいですね。

正直、近年のコンピュータ将棋の進歩は著しく、人間代表であるプロ棋士の分がかなり悪くなってきているのはご存知の通り。

私は実はソフトウェアのプログラミングで飯を食っている人間なので、この対決は興味深く見守っています。チェス王者のガルリ・カスパロフがIBMのディープブルーに敗れ去った時の衝撃は、懐かしい思い出ですね。

いずれ、コンピュータ将棋は強さという点では完全にプロ棋士を超えるでしょう。これは避けられない必然の流れです。しかも、それほど遠くない未来にXデーは来るでしょう。私の予想では、あと10年はかからないんではないかと。

で、コンピュータが完全に人間を凌駕した時、プロ棋界はいったいどうなってしまうのかという議論も出始めてますね。

私に言わせれば何も心配することなどないと思うんですけどね。

人間がコンピュータに勝てなくなったとしても、プロ棋士の価値が損なわれることなどないと私は確信しています。

何故か?

それはプロ棋士の本来の価値とは「勝つこと」ではないからです。

そもそもプロ棋士って、奇妙な職業だと思いませんか? 将棋はゲームです。将棋がいくら強くなろうとも、社会の生産性には一切貢献しません。これは将棋に限った話ではなく、囲碁あるいは野球やサッカーなどのスポーツ選手でも同じです。このような「ゲームのプロ」という職業が存在するのは何故でしょう?

それは彼らが世間に娯楽を提供しているからにほかなりません。

私と同じ世代の人たちは、中学高校の倫理政経で「労働力の再生産」という概念を習っているはずです。日々の労働ですり減った勤労者の心身を癒し、労働力を回復させる役割を担う人達。社会的視点ではプロ棋士、プロ野球選手といった人たちはそういった職業カテゴリに属しています。娯楽を提供することこそが、彼らの使命です。

それに照らし合わせると、プロ棋士の本来の価値とは勝つことではない、といった先ほどの言葉が理解できると思います。

そう、プロ棋士の本来の価値とは「将棋を通してファンを楽しませること」に他なりません。

勝負事であるために勝って強さを示すことがファンを楽しませることに直結するケースが多いことと、勝つほどに収入が増える仕組みになっているため混同されがちですが、これらはきっちり区別しておかなくてはなりません。

この「ファンを楽しませること」がただ強いだけのコンピュータにできるはずがありません。そこに人間がいるから、ドラマになるのです。エンターテイメントになるのです。

振り飛車党の期待を一身に受けて、唯一の振り飛車党A級棋士として奮闘する久保九段。叩かれても叩かれてもひたすら棒銀にこだわり続ける頑固一徹、70歳を超えてもなおも現役で戦い続ける加藤九段。あるいは、史上最短記録の引退危機で踏みとどまることができるかどうかという魅せ方ができる棋士もいる。

こういうドラマが、ただ強いだけのコンピュータに生み出せるとは思えません。

強さだけがプロではないですし、強さだけではプロではない。強さしか持ち得ないコンピュータにプロ棋士の代わりは勤まりません。

だからコンピュータがどれほど強くなろうとも、プロ棋士の価値が損なわれることなど無いと私は確信しているのです。

ただ、逆にその視点から、昨今のプロ棋界には一抹の不安があるのも事実です。

あまりに勝利至上主義、効率重視になりすぎてやしませんかと。

勝つための最善を追求するあまり、本来は商売敵であるはずの他の棋士たちと「研究会」をしてみたり、過去のデータベースに頼った研究になってたり、勝つことだけを極限に追求した効率重視の将棋が横行しかかっているように思います。

それって、人間がコンピュータの真似事をしているように思えて、私は心配です。

もちろん、勝負事のプロである以上、勝敗にこだわるのは必然ですが、それにしても行き過ぎてやしないかと。

人間だから間違いもしますし、人間だからこそ効率を度外視したこだわりがあったっていいと思うんです。そこにこそ、ドラマがあるはずじゃないですか。もっともっと、個性を大事にしてほしい。そうでないと、人の皮をかぶったコンピュータみたいな棋士ばかりになってしまいそうで心配です。「プロ棋士」という職業が死んでしまいます。

もっとも、「勝つほど収入が増える仕組み」になっている限り、効率重視の流れを止めるのは難しそうですけども…

コンピュータが強くなることでプロ棋士の価値がなくなるのではなく、プロ棋士が勝つためにみなコンピュータの真似をし始めて、ドラマを生み出せなくなったプロ棋界がゆるやかに死んでゆく…

もしかすると人間vsコンピュータの行く末って、そんな風になっちゃうのかもしれませんね…。そんなことにならないよう祈るばかりです。

[自戦譜]「接戦」とは何だろう

少し前まで、何かの投了図を見て、勝った側の玉も結構危ない状態に見えると「ああ、これは接戦だったんだなぁ」と認識していました。しかし、観戦記や感想戦の様子を見たりすると、私には接戦だった将棋に見えるのに、以外にも「大差」「完勝譜」みたいな論評が着くことがあって、違和感を覚えていたことがあります。

しかし、最近はなんとなくその当たりの感覚が理解できてきたような気がします。

それがなんとなく見えた自戦譜を今回はご紹介してみようかと。

将棋倶楽部24の対局で、後手が私です。

初手からの指し手
▲5六歩 △8四歩 ▲7六歩 △6二銀 ▲5八飛 △6四歩
▲5五歩 △6三銀 ▲4八玉 △4二玉 ▲3八玉 △3二玉
▲2八玉 △1四歩 ▲1六歩 △5二金右 ▲3八銀 △4二銀
▲7五歩 △8五歩 ▲5六飛 △4四歩 ▲7八金 △9四歩
▲6八銀 △4三銀 ▲5七銀 △3四歩 ▲7六飛 △4五歩
▲5六銀 △4四銀 ▲9六歩 △4二金上 ▲7七桂 △5四歩
(第1図)

2015-03-26a

先手が中飛車模様から三間に振り直してきました。第1図の局面では、△5五銀から素直に銀交換を強要しても一局だったと思いますが、後手の左金がせっかく玉とは反対の方へ行っているので、ここはあえて玉頭方面に勢力を張る方向で行こうかと△5四歩と突き出しました。これは▲同歩なら△同銀として二枚銀で中央を制圧しようという狙いです。本譜もその通りに進みました。

第1図からの指し手
▲同 歩    △同 銀    ▲6六歩    △5五歩    ▲6七銀    △6三金
▲7九角    △4三金    ▲8六歩
(第2図)

2015-03-26c

この▲8六歩がうまい手で、△同歩に▲8五歩で、次に▲8六飛から8筋を圧迫する筋が受けにくくなりました。したがって、ここで8筋方面は放棄し、より敵玉に近い中央方面の位から戦線拡大を図りました。これが、それなりにうまく行った。

第2図からの指し手
△同 歩    ▲8五歩    △3五銀    ▲8六飛    △4六歩    ▲同 歩    
△4五歩    ▲同 歩    △同 銀    ▲8四歩    △4六歩    ▲8三歩成  
△4二飛    ▲7二と    △同 飛    ▲8一飛成  △4二飛    ▲9一龍    
△5六銀    ▲同 銀    △同 歩    ▲6七金    △5三金左  ▲6五歩
△4七銀    
(第3図)

2015-03-26e

この△4七銀は第一感では△4七歩成だったんですが、それだと▲同銀△同飛成となったときに、▲4八香が見えて嫌だった。△6七竜と金は取れますが、後手玉の小ビンに香車が突き刺さった状態で手番を渡すことになるので怖すぎます。そこで、多少重めでも△4七銀とカチ込んで、いよいよ最終決戦です。

第3図からの指し手
▲4八歩    △3八銀成  ▲同 金    △4九銀    ▲4五香    △同 飛    
▲5六金    △3八銀成  ▲同 玉    △4二飛    ▲5五歩    △4七金    
▲同 歩    △同歩成    ▲2八玉    △4六と    ▲4四歩    △5六と    
▲4三銀    △同 金    ▲5二銀    △4四金    ▲5四桂    △5二飛    
▲4一銀    △3三玉    ▲5二銀成  △5四金寄  ▲4三金    △2四玉    
▲1七桂    
(第4図)

2015-03-26f

うまい手順で飛車を剥がされ、狭い2筋方面へ追い詰められた第4図。この▲1七桂に対して、私は時間を使って十分な読みを入れ、後手玉に即詰みは無いと判断、△4七と と入り込みました。

第4図からの指し手
△4七と
(第5図)

2015-03-26g

何気ないと金入りに見えますが、これは△3九銀からの詰めろです。先手もそれに気づいていたのでしょう。▲3五角の強襲から無理矢理詰ましにかかりますが、かわしきって…

第5図からの指し手
▲3五角    △同 歩    ▲2五銀    △1三玉    ▲1四銀    △同 玉
▲1五飛    △2四玉    ▲2五飛    △3四玉    ▲4四金    △同 金
▲2三飛成  △同 玉    ▲2五桂    △3九角    
(第6図)

2015-03-26h

この△3九角でトドメを刺しました。

5図から6図の間、後手玉もかなり際どくかわし続けていて、結果接戦に見えるかもしれませんが…

私は第5図の時点ですでに後手玉が詰まないことを読み切っており、また、その際先手も飛車一枚ではあまり効果的な受けが無いことも見込んでいました。で、実際その通りになって後手玉は捕まらなかった、先手玉は詰んだ。

言ってみれば、第5図以降の展開はすべて私の想定の範囲内だったと言えます。

つまり、第5図以降、私は自分の想定通りに勝ったのであり、私の予定通りの結末となったわけです。これは、仮に投了図が1手違いになっていたとしても、それは接戦とは言わないんじゃないかと。なぜなら、「私が読んでいたとおりの展開をたどり」「私の想定通り」に1手違いで詰んだからです。後手の私の思惑通りの結果である以上、これは接戦ではなく「完勝だ」「大差だ」、と呼ばれることになるのかもしれません。少なくともこういうケースでは「接戦」は違うんじゃないかと。

正しいかどうかはわからんのですが、漠然とそんなことを考えていました。

以下、棋譜です。

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自己最高レーティングを更新(@将棋倶楽部24)

将棋倶楽部24で久々に自己最高Rを更新しました。

389->395

ものすごい微量ではありますが(笑)。それでもかなり久々の更新なんじゃないですかね。389の最高レートをたたき出したのがいつだったか、正直もう忘れてしまいました。半年以上は前だった気がする。その後250以下まで低迷するという地獄を味わって、300にも復帰できないという状態で長くもがいていたので。

その間に主戦場が81Dojoに変わり、将棋倶楽部24からはちょっと遠ざかっていました。将棋倶楽部24は、PCを立ち上げることができないときにAndroidタブレットを使って指す程度。落ち着いて考えるのが難しい環境では指さないようにしているので、タブレットだからって出先(たとえば電車の中や飲食店など)で指したりはしません。なので、81Dojoと将棋倶楽部24の利用比は8:2かそれ以上になっていたかもしれません。

そのあいだ、81Dojoでは4級から初段が射程に入るところまで上がっていたので、将棋倶楽部24の方でも自然にレーティングが回復し始めたということなのでしょうか。

実際、以前はR400超えの方には全く勝てなかったのですが、最近は結構勝てるようになってます。昨日も穴熊相手の寄せ合いに勝利し、これで最高レート更新を決めました。

今は成長曲線の上昇期なのかもしれませんね。次の停滞期までにどこまで上がることができるでしょうか。

棋譜並べで迷走中?

最近、将棋が上達するための本質、というものがなんとなく見えてきました。

だからと言って、じゃあお前は実際強くなったのかというとそういうわけではありません。あくまで本質が「見えた」だけで、その本質に「到達する」にはやはり一朝一夕にはいきそうもないからです。ただ、何を目指して勉強/練習すればいいのか、という点はかなりクリアになりました。

私が見ている「本質」とやらは本当に正しいのかという問題はもちろんありますが、これについてはもう少し確信できるようになったら、いずれここで披露しようと思います。

で、それにからんで、最近「高速棋譜並べ」をやめました。あれは人によっては有効なケースもあるでしょうが、自分の性格、ものの考え方からすると本質に到達できる道にはならないと判断したためです。今やっているのは、高速ではない方の普通の棋譜並べです。

実は棋譜並べという勉強法には以前から疑問を持っていました。このブログでも何度か触れたような気がしますが、指し手の意味を理解する素地が無いのにプロの棋譜を並べて理解しようとするのは、掛け算の九九ができないのに微分積分を解こうとするようなものなのではないかと。

実際、棋譜を見ながら並べてみても、どこがポイントなのかもわからず、仮にポイントがわかってもそのポイントに対するプロの指し手が理解できず、なんとなく並べてなんとなく終わる。私がそれまでやってきた棋譜並べはこんな感じだったのです。

上記の棋譜並べに対する疑問を、オンライン教室の講師にぶつけてみました。で、実際に一緒に棋譜並べをしてもらいました。

その結果わかったことを言語化しろと言われても難しい部分があるのですが、多分、私は正解など無いはずのポイント局面で無意識に正解を求めていたのだと思います。だから、答えが示されることがない棋譜並べという勉強法にいまいち馴染めなかった。

この場面でこう指したらどうなる、こうなるんじゃないか、これならどうか、じゃあ本譜はどう指されたのか、どう進んだのか。たとえ正解がでなくても、こういったことを思考することに意味があるんだな、と思うようになりました。

「次の一手」問題とかは、急所を探る眼力を養うのに役立ちますが、実際の対局では「次の一手」に出てくるような鮮やかな手筋が決まる場面というのは、稀とまではいいませんが決して多くはない。ほとんどの局面では、未知の領域をかき分けて手探りで進んでいくことになります。

そのような時に、重要なものは何か。

「自分なりの基準」じゃないかと思うわけです。これは、とりあえず間違っていてもいい。間違っていてもいいので、まずは基準を持つ。基準が間違っているならあとから修正すればいいだけですが、基準を持っていないとこれを正すこともできず、良いのか悪いのかわからない手を漠然と指すしかない。

実際、プロが指す定跡の世界だって、それまで常識とされてきた手があるとき新手によって覆るということはしばしばあるわけじゃないですか。間違っていてもいいから、まずは自分なりの解を持っていることが大事なんじゃないかと。

棋譜並べとは正解を求めるのではなく、自分の考えを持つこと、そのための思考力を鍛えるものなのかな、と今は思ってます。だから九九ができなくても微積分やったって別に構わないってことですね。

そしてこの結論は、一応冒頭で述べた「本質」にも連なっているのですが、それについてはいずれ機会があればということで。

あと、棋譜並べは練習というよりも、対局を観戦するような感覚で楽しんでやるのがいいんじゃないかって気がしていますね。どうせ正解は無いのですから、あれこれ考えを巡らせることを楽しむようにすると、棋譜並べにも熱が入るようです。

4月からのEテレ 将棋フォーカス

乃木坂46の伊藤かりんさんが総合司会だそうですね。以前、「将棋アイドル」として同番組で紹介されていたのはこの伏線か…

ただ、

  • 総合司会の彼女の他に山崎隆之八段と中村太地六段が進行役として2週交代で出演
  • でも講座の講師は佐藤康光九段
  • 講座の聞き手も伊藤さんじゃなく藤田綾女流

といった情報が既に出ていて、どんな番組になるのか色々「?」です。

トピックスと講座の部分を完全に「伊藤&山崎、中村」と「藤田&佐藤」で分業制にしてしまうのかしら。それはちょっとどうだろうか…

伊藤さんはある意味貴重な「初心者」なのだから、講座の聞き手にした方が視聴者は共感しやすいと思うんですが、佐藤九段の講座の内容が伊藤さんレベルにはやや高度すぎる…とか? 山崎八段、中村六段の立ち位置もいまいちよくわからない。伊藤さん一人じゃ番組を仕切れないからサポート役…というのであれば山崎八段や中村六段も正直頼りになるのやら…。第一、なぜ佐藤九段じゃダメなの?理由としてはこんな↓ところ?まったくの邪推ですが…

  • 佐藤九段も正直あまり滑舌が良い方には見えないので、司会素人と思われる伊藤さんと組ませると番組にならんかもという危機意識が働いた?
  • 棋界でもイケメンとの呼び声高い山崎八段&中村六段でないと現役アイドルの伊藤さんとつり合いとれないと考えた?(失礼ながら私的には山崎八段はともかく中村六段がイケメンかと訊かれると首をかしげますが…)

個人的にはつるのさんの司会好きだったので彼の卒業は残念です。新年度からいったいどんな番組になるやら…

余談ですけど、お隣の囲碁フォーカスの方では2014年度から戸島花さんという女性タレントが司会をされてましたが、この人誰?と思って調べてみると、実は元AKB48だったという。

すごいねAKBグループ、囲碁と将棋まで席巻ですか(^^;

1級に昇級しました(81Dojo)

81Dojoで1級に昇級しました。

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実は以前にも何度か1級に上がってはいたんですが、瞬間風速だったようで、すぐに降級していたんですね。なので、ある程度1級に安定するようになってからここで報告しようと思ってました。で、10戦以上1級に居座っており、位置的には初段も射程に入っていることから(昇級圏も二度経験)、1級昇級と報告して良いかなと。

なかなか成長が実感できない、ということをこのブログで結構言い続けていますが、去年の11月頃には4級停滞からようやく3級昇級を果たした、みたいなことを言っています。今は1級安定なので客観的にも棋力は上がっていると思っていいのでしょう。実際、最近は将棋の質も少し変わってきたかな、という実感もわずかではありますが感じています。

一応、4月いっぱいまでに81Dojoで初段、というのを目標に掲げていますが、達成できる見込みは出てきたかもしれません。

できれば、単に初段を達成したというだけでなく、初段で安定しました、と報告したいところですけど。

[検証]シリーズ:角交換四間飛車対策検証3 飛車交換打診型4

最近、角交換四間飛車を相手していると、下図のように飛車交換を打診した後筋違い角を打ってくる指し方によく遭遇します。

2015-03-12a

この筋違い角の狙いは明白で、例えば▲7八金などと悠長に玉を固めていると、△3五歩(A図)と突かれてとたんに苦境に陥ります。

2015-03-12c

▲同銀や▲4七銀は△2七歩が炸裂して2筋の収拾がつかなくなります。▲2七銀も△2五飛と走られ、▲2六銀△2二飛▲2五銀にやはり△2七歩(B図)で収拾つきません。

2015-03-12d

従って課題図では悠長に玉を整備している暇は無く、5四-2七の筋違い角のラインを早急になんとかする必要があるわけです。

課題図の対局では私は▲4五歩(C図)と突いて行きました。

2015-03-12e

△同歩と取らせて角道を遮ろうという意図ですが、▲2六飛(D図)と単純に浮いてしまう手の方が今思えばわかりやすくて有力な気がしますね。

2015-03-12f

ここから先の指し方は今まで検証してきた方針に合流するのでここでは割愛します。

橋本八段の呪い炸裂!?

普段NHK杯のことはあまり取り上げないのに、こんな事件があった時だけ取り上げるとかどんな野次馬根性だよ、とか言われそうですが…

昨日のNHK杯準決勝、行方八段vs橋本八段の一戦で、橋本八段がまさかの二歩反則負けを喫しました。いやー、リアルタイムでプロ棋士の反則負けを見たのは初めてです。

ただ、考えてみたらNHK杯って録画放送なわけです。対局と放映までは1か月くらいのタイムラグがあったはずです。つまり、実際は橋本八段はこの反則負けを1か月前にやっちゃってたわけです。

反則負けをやらかしてから放映日までの1か月の間、橋本八段の心境たるやどのようなものだったのでしょうね…。

実際、橋本八段自身がtwitterでこんなことをおっしゃってます。

だってこの反則で、初優勝は幻と消え賞金も失い、その後1ヶ月間会う人には次のNHK頑張って下さい楽しみにしてますよと言われ、こんな事で人生初のYahooトップに出て、こんなキツイ事そうそうありますかね?(笑)でも俺はめげないよ、だってめげちゃったら次のNHK杯優勝できないでしょ。

太字の強調は私が入れました。

放映日までその対局内容に関する箝口令は徹底していますから、橋本八段も「いや実は…」などということもできず、一か月間悶々としていたことは想像に難くありません。いやもう、心からお疲れ様です…

私はこの対局を娘と見てましたが「プロの人でも二歩するんだ~」と娘が呟いていたのが妙に哀愁を誘いました…

まあ、実際はプロでも結構二歩を始め反則負けはやらかすんですよね。もちろん、アマチュアとは比べ物にならんほど少ないですが、それでもゼロではない。プロ棋士も人間、ということでしょう。

それでも、放映直前にこんなツイートを流すサービス精神を忘れない橋本八段はさすがです。感想戦でもいつものとおり、視聴者にわかりやすいような配慮が見えましたし。

ところで、明日は私のNHK杯の放映日です。その時間帯は飛行機に乗っておりますが、何やらトンデモない事が起きる!?

将棋さえ勝っていればいいんだという意識が透けて見える棋士も少なくない中、地味に見られがちな将棋界に少しでも注目してもらおうと、あれやこれやと奮闘する橋本八段。この二歩までパフォーマンス、なんてことはさすがに無いでしょうけど、私はやっぱりこの人が好きですね。これにめげずに頑張ってほしい。

ところで上記のセリフを呟いた娘はその直後に高熱を出して寝込んでしまったんですが、これって橋本八段の呪いですか?(汗

[検証]シリーズ:角交換四間飛車対策検証3 飛車交換打診型3

前回の続き。

2015-03-05a

向かい飛車へ振り直してから△2四歩▲同歩△同飛の飛車交換打診に対して、▲2五歩と交換を拒否。その後、▲3六歩から▲3七桂に整えるのは、△1三桂からの強襲に対して、決定的に悪くなるわけではないもののいまいち展開としては面白くないということで、▲3六銀と上がってどうか(課題図)、というのが今回のお題です。

ここから初志貫徹とばかりに△1三桂と跳ねて△2四歩から再度の飛車交換を試みるのはおそらく無筋で、▲1五歩(A図)で先手優勢になりそうです。

2015-03-05b

A図から予定通り△2四歩なら▲1四歩と突っ込めば端の突破が確定します。

ちょっとややこしいのがA図からいきなり△2五桂と跳ねる手で、▲同銀で単純な先手の桂得になるんですが、△1五歩と手を戻されると、1筋強行突破もちらつかされ、歩切れの先手は一見、手に困ります。ただ、ここで▲6六角とする手がうまそうです。

2015-03-05c

これに対して△4四角と合わせる手には、▲4五桂と打ち込めば後手は困るはず。放置すれば▲3三桂成で後手陣崩壊ですし、かと言って△4二銀と引くと▲2四銀と飛車先を潰されます。後手は△4二金と銀に紐を付けるくらいでしょうが、それでも▲3三桂成とし、△同金(C図)となった局面は先手の銀得な上、再度の角交換から▲3一角みたいな手も見えており、先手十分の局面でしょう。

2015-03-05d

B図に戻り△4四歩と角道を止めた場合は、それでも▲4五桂と歩頭に打ち込みます(D図)。

2015-03-05e

△同歩とは取れませんし、△4二銀と引くのも▲4四角で酷いことになる。△4二金くらいでしょうが、ここでも▲3三桂成△同金としておきます(E図)。

2015-03-05g

先手はこの後▲4五歩とあくまで飛車の小ビンを狙うことになるでしょう。後手の立場としては既に銀損ですから、△2四歩みたいな局面が収まりかねない手は指しにくいでしょう。先手が指しやすそうです。

ここまでの検討から、初志貫徹の飛車交換を狙っての△1三桂はやはり無理筋だったと言えそうです。

では、課題図に戻って、出る杭は打てとばかりに△3五歩はどうか。これは素直に▲同銀と取り、△3四歩ならば素直に▲2四歩と突きだしてしまえば(F図)優勢です。△3五歩で一時的に銀損しますが、▲2三歩成からすぐに取り戻せます。

2015-03-05i

というわけで、向かい飛車への振り直しから飛車交換を打診してくる形には、▲2五歩で交換を拒否してから▲3六銀と上がっていく手が、今のところは有力に見えます。