不惑オヤジ(と娘)の将棋な日々

アラフォー親父と小学生娘の悪戦苦闘の記録

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大橋流か伊藤流か

先週の将棋フォーカスの特集は、お便りでの質問コーナーでしたが、その中に駒の並べ順に関する質問がありました。

駒の並べ順と言えば、大橋流と伊藤流という二通りが知られていますが、この記事を読んでいるあなたはどちらでしょう。

私は昔から伊藤流の愛用者です。

  • 大橋流は何のひねりもない左右対称の並べ方で、面白味が全くない
  • プロ・アマ問わず、世の中の将棋指しの大部分が大橋流を使うので、他人と同じことをしたくない
  • 走り駒が相手陣を直射しないようにという気遣いが、礼に始まり礼に終わる将棋の精神と符合している気がする

といったあたりが理由です。特に二番目が大きいかな。

オフラインで対局する相手は、例外なく大橋流か、テキトー流なんですよね。私以外に伊藤流を使う人にお目にかかったことがありません。

ちなみに子どもたちはというと長女はやはり大橋流。次女は長女によると、家では伊藤流だけど教室では大橋流とのことらしい。家で伊藤流なのは間違いなく私の影響でしょうね。

ライバルたちは、今…

長い伸び悩みの末、今月ようやく道場で二段昇段を果たした私ですが、そういえば、一年ちょっと前にこんなことを書いてました

子供教室にはT二段、K初段、A1級という私が勝手にライバル視している3人の子供がいます。

この勝手にライバル認定していた三人の子供たち、今はどうなったか。

T二段(当時)は、あれから驚異的な成長を遂げ、もはや雲の上の人になりました。いまや角落ちでも勝たせてくれません。今は確か四段だったはず。もうライバルだなどとは烏滸がましくてとても言えない。勝って泣かせてしまったあの頃が懐かしい。泣く子は強くなるなんていいますが、彼がその典型かも。

K初段はあの記事を書いた直後くらいから、道場に来なくなりました。小耳にはさんだ話では、別の道場(私が以前通っていたところ)に移ったとかなんとか。大会とかでも見かけたことがないので、その後の消息は不明です。

A1級(当時)は、その後私より少し早く初段となってたと思います(私は当時3級で、2か月後に初段に飛びつき昇段)。その後は私と同じように伸び悩み、長らく初段停滞が続いていましたが、私と同じタイミングで二段に昇段したようです。今もほぼ互角の熱い勝負ができる好敵手です。子供教室の仲間たちに次々と先行されて忸怩たるものもあったでしょうけど、腐らず続けた努力が報われたのだと思います。彼の昇段は個人的にもちょっと嬉しかった。

T四段はもはやライバルと呼ぶには先へ行かれ過ぎましたが、A二段には先へ行かれないよう食らいつきたいですね。

子供教室出身者ではS初段やH初段といった、新しいライバルも出てきました。とくにH初段には最近分が悪いのでなんとかリベンジしたい…。S初段とは、最近なかなか時間が合わなくて指せてませんね….

大人の常連さんは、棋力はもちろん年齢的にも格上の人がほとんどなので、なかなかライバルという感じにはならないのですが、挙げるとすればN二段かなぁ…。

オフラインで指す将棋はこうした好敵手との戦いも楽しみですよね。

まあ、みんな私が一方的にライバル視しているだけですけどネw

谷川会長辞任

複数のメディアが将棋連盟の谷川会長辞任を報じてますね。

私は部下の不祥事の責任を上司や組織のトップがかぶるという風潮を好みませんが、今回の騒動については谷川会長は間違いなく当事者の一人ですから、辞任は当然です。むしろ遅すぎる。

なお、ファンの間では渡辺竜王を処罰すべし、という論調も多く見られますが、私はこれには賛同しません。詳しい理由は省きますが、ごく簡単に言えば、今回の騒動の責任は告発の渡辺竜王ではなく、告発に対して極めて不適切な対応に終始した連盟にすべてあると思っているからです。

よって、谷川会長辞任をもって、この件はいったん落着として良いと思います。あとは三浦九段への補償をどうするかです。

後任には佐藤康光九段の名前なんかが挙がってますが、外部から有識者を招聘するという選択肢が一切検討もされないようなら、もう将棋連盟という組織に先はありますまい。

新会長は大変ですよ。今回の件でファンの将棋連盟という組織への信頼はどん底へ落ちたと言っていい。それを回復するというのは並大抵の苦労ではないはず。現役のトップ棋士には荷が重いと思いますよ、正直。

実際私自身、一連の騒動でプロ棋士には「将棋が強いだけのバ○」が少なからずいるということに気づいてしまったので、もう以前ほどプロ棋士に素直な尊敬の念を持てなくなりました。

悲しいことです…

もはや呆れ果てて言葉もない

王将戦が始まりましたね。挑戦者の久保九段が、まずは先勝ですか。

が、主催者でもある毎日新聞の記事などで報道されている事実がまたとんでもなかった。

 日本将棋連盟は将棋ソフトの不正使用対策として、昨年10~12月の竜王戦では金属探知機で手荷物などを検査。その上で、対局者はスマートフォンなどの電子機器を立会人に預けたが、今回の王将戦では、対局者の意向もあって金属探知機の検査は見送られた。両対局者は7日夜までに電子機器を預けた。同連盟の谷川浩司会長は前夜祭のあいさつで「昨年はご心配、ご迷惑をおかけして申し訳ない。年が変わって、王将戦で人間同士の真剣勝負をご覧いただきたい」と語った。【山村英樹】

郷田王将、そして挑戦者の久保九段、あなた方、ちょっとおかしいですよ。いやちょっとじゃない。もはや、バ○と呼ばれても仕方がないレベルです。

あれだけの騒動があって、改めて将棋界としてソフトを使った不正対策に取り組まなければという方向性になったはずなのに、そのそばから探知機を使わない意向を対局者が示すとか信じられません。そしてその意向を受け入れてしまう運営はそれ以上のバ○だとしか思えません。

こらからの将棋界は、棋士は間違いなく己の知力のみを頼りに真剣勝負をしているんだということを、ファンに明確に示していくことが不可欠なはず。これはファン対する義務と言っても過言ではないでしょう。探知機を使わない意向とか、そんなの対局者の一存で決められる段階はもうとうに終わっているのです。

ましてや久保九段は三浦九段を告発した当事者のひとりとも言える人物。他人に嫌疑をかけておきながらこの自覚に欠けた振る舞いは、棋士として以前に人としてどうかしてませんか?

こんなこと言いたくないけど、やはりプロ棋士という人たちは、将棋ばかり打ち込みすぎて、一般的な社会通念もロクに身についていない人たちばかりなのかと。あの騒動での連盟執行部の一連の稚拙な対応や、この記事とか見てると、そうとしか思えなくて悲しい。

なんか、あの一件以来、プロ棋士の先生方を素直に尊敬できなくなってきました…。

2016年を振り返る

本ブログで一年を振り返るのも、3回目になりますね。

ここ数ヶ月は仕事がキツくなってきたのと、とくに我々に目立った向上が無いということでなかなか更新頻度が確保できない状況でしたが、なんとかマイペースに続けて行けたらと思います。

さて、今年一年を振り返ると…

初めてオープン大会に出場したのが2月、道場で3級から初段に飛びつき昇級したのが3月。そんな最近の話でしたか。なんか感覚的にはもっと長かったような気がします。この間、ネット将棋でとくに大きな数字上の成果が出ていないことに若干の焦りを感じています。

10月から勉強法を根本的に変えるという大なたを振るいましたが、成果が出ているかどうかはまだ微妙。最近は将棋倶楽部24や81Dojoではなく将棋ウォーズや将棋クエストが多いのですが、レーティング値はじわじわ上がっているものの昇級圏で足踏みが続くという状況です。

来年こそどこかで一気にブレイクスルーしたい…

長女

今年前半に、突然センスの良い手をビシバシ指し始め、「これは…」と期待させたものの、後半になるとアレは何だったんだってくらいにすっかり元通りになりました。

それでもテーブルマーク子供大会であわや予選突破というところまで健闘したりと、成果だけ見ると去年より確実に上がってはいるのですが、教室では一年以上11級に停滞してますし、私の感覚的には去年からそれほど変わっているようには見えません。

あまりうるさく言って将棋を嫌いになられても困るので、最近は向こうから言ってこない限り基本放置しています。

将棋教室通いはそれなりに楽しんでいるようなので、今はそれでよしとします。

次女

当然と言えば当然ですが、我々三人の中で今年一番伸びたのは次女でしょう(笑)

私との手合いは10枚落ちから8枚落ちに進み、まだ8枚落ちを卒業できてはいませんが、一局指しきるだけの棋力と集中力はなんとか整ったので、先月には将棋教室デビューもさせました。

来年はいつ12級をもらえるか、そして11級になるところまで行けるか、といったあたりが目標になりますかね。

個人的に、今後大きく伸びてくる可能性は次女の方があるかもと思ってます。次女は長女と比較して将棋に対して割と素直です。本で読んだことはすぐに実戦で試そうとしますし、私のアドバイスを素直に聞くのもどちらかというと次女の方です。長女は良くも悪くも自分流に対するこだわりが強く、それが向上の邪魔をしているようにも見えます。

二人揃って教えるときは長女には「うかうかしてると抜かれるぞ?」と危機感を煽り、次女には「お姉ちゃんを抜いてしまえ」と焚きつけてます。冗談ではなく、長女がもう少し意識を変えないと、その日は割と早く訪れるかもしれません。


というわけで、しばらくは更新ペースが落ちるかもしれませんが、来年もマイペースで続けていこうと思いますので、どうか今後ともよろしくお願いいたします。

それでは皆様、よいお年を…

連盟は今こそ「自浄作用」を発揮すべし

このブログの趣旨上、あまりこの話題ばかり追い続けるのもふさわしくはないと思うのですが、一度触れてしまった以上は最後までおいかけようと思います。

第三者委員会の報告を受け、連盟側、三浦九段側がそれぞれ会見を行いました。三浦九段側の会見内容は、まあ「そりゃそう言うだろうな」という予想の範囲内だったのでとくにコメントするようなことは無いです。ポイントはやはり連盟側の会見。

そして以下は本家のサイト。会見の要旨自体はここが一番詳しいようです。

今回の騒動に関して、私は騒ぎを大きくした責任のほとんどは(告発した渡辺竜王などではなく)連盟の不適切な対応にあると思ってます。そういう意味で、連盟側が不手際を全面的に認めた点は評価できるでしょう。

ただ、以下の点についてはやはり納得しがたいものがあります。

  1. 処分自体の正当性について
  2. 三浦九段への損失補填について
  3. 連盟執行部への処分について

処分自体の正当性について

一方、10月11日以降の一連の動きにつきましては、この時点で週刊誌に三浦九段に関する記事が掲載されることが確定的である、という重い事実がありました。
渡辺―三浦戦で竜王戦の七番勝負を行い、第一局の一週間後に記事が出ることになりますと、大きな混乱を招くばかりでなく、竜王戦の中止という最悪の結果となる可能性もありました。

時間が無かったことを言い訳に、不手際を正当化しているようにも受け取れる言いぐさです。

  • 渡辺vs三浦の竜王戦を強行。しかし、調査の結果三浦九段がクロであると明らかになって、竜王戦が中止になる。連盟は三浦九段を除名処分とし、竜王戦は中止。
  • 三浦九段から挑戦権を剥奪し、代理の挑戦者を立ててタイトル戦を行うも、三浦九段がシロであることが明らかになる

それぞれ、三浦九段がクロだった場合とシロだった場合の最悪のシナリオですが、どちらが、まだファンやスポンサーの納得を得られるか。

私的には圧倒的に前者なんですが、どうなんでしょう。中止になった竜王戦は、それこそ丸山九段を繰り上がりの挑戦者として仕切り直すということもできたはずです。三浦九段は「不正を働いた」わけで、それを排除して丸山九段を代理に立てることに誰も異議を挟んだりはしないでしょうから。

実際の顛末は後者になってしまったのですが、それじゃあ渡辺vs三浦で竜王戦を仕切り直せば良いかといえば、それはそれでなんだかしっくりこないのではないでしょうか。丸山九段は連盟の要請で急な申し出を善意で受けたのに、それを後からひっくり返されることになってしまう。三者三様とも後味の悪いことになってしまいます。

今後も同様のことがあったら同じ事を繰り返すつもりなのでしょうか。出場停止処分ではなく出場停止措置が正しかったとか言ってますが、意味がわかりません。言葉遊びじゃないんですから。

NHKニュースによると、会見にテレビカメラが入ることを拒否したらしいですね。何故なんでしょうか…

三浦九段への損失補填について

連盟から発表された、具体的な補填の内容は以下でした。

  • 来期の順位戦A級の地位保全

…これだけです。いや、これももちろん大事ですけど、もっと大事なことがあるでしょうよ。

竜王戦への挑戦機会を奪われたことにどう落とし前をつけるんですか? 竜王戦は勝った側にはもちろんのこと、敗れた側にも1,600万円もの対局料がつくのです。今回の騒動のために、三浦九段は少なくとも1,600万円の損害を受けたと言ってもいいわけです。この竜王戦に対する補填について言及すらないというのは、さすがに許されることじゃないと思うんですが。

三浦九段への経済的な補償も検討するとし、「真摯に話し合いたい」と述べた。

日経の記事には上記のようにあるので、今後より具体的な補填の方法について論じられていくはずだと信じたいですね。

竜王戦のやり直しをするつもりはないそうなので、やはり金銭的補償を第一案として検討されているのでしょうか。

個人的には竜王戦はやりなおして欲しいと思いますが、まあ色々と大人の事情で現実的ではないのでしょう。

連盟執行部への処分について

第三者委員会が「処分は許容範囲」と認めていることを根拠に、執行部の辞職は無く、減給処分止まり。私には「処分は許容範囲」とはまったく思えないので、当然ながらこの処分にも納得はできません。

「自浄作用が疑われる」(第三者委員会)ことが物証無き処分を許容する理由なら、連盟執行部自体が、第三者委員会の見解にかかわらず、今回の不手際に対する「自浄作用」とやらを自ら発揮してはいかがなんでしょうか。

会長含む執行部総辞職でもおかしくない事案だと思いますよ? そして、できることなら会長ないし常務理事に半数くらいは外部の識者を入れるべきでしょう。やはり棋士が組織運営をするというのは無理が出てきてると思います。


今回の騒動で三浦九段は金銭的にはもちろんのこと、精神的にもかなりダメージを負ったのは想像に難くありません。1月から対局に復帰しても、出場停止前のようなパフォーマンスはもう出せなくなる可能性もある。

告発側に回った渡辺竜王や久保九段らとは今後も何らかの形で軋轢は残るであろうし、三浦九段を取り巻く状況は、なかなか簡単に旧来に復せるものではないでしょう。

実は三浦九段とは、去年のJT杯で札幌へ来られたときに、長女共々握手させていただいたことがあります。その時何気なく「頑張ってください、応援してます」と通り一遍の言葉をかけさせていただきましたが、今こそもう一度、同じ言葉をおかけしたい。

復帰後は様々な逆境があるかもしれませんが、ぜひとも周囲を黙らせるような活躍を期待したいですね。

状況証拠すら全否定とは…

昨日のエントリで「第三者委員会仕事してるのか?」と書いたそばから、本日発表がありましたね。第三者委員会の皆さん、スミマセン。

見ての通り、第三者委員会の結論は「三浦九段シロ」でした。

毎日新聞のサイトに第三者委員会の調査報告書がそのまま載っていたのでそれを元に見ていきますが…

注目すべきは報告書の「第3 結論に至った理由」でしょう。その中で重要なのは以下の3点だと思います。

  1. 竜王戦決勝トーナメントの対久保戦において不正の根拠とされていた、夕食休憩時30分離席の事実がない
  2. 竜王戦挑決3番勝負の2戦、3戦において、夕食休憩後、連盟が三浦を監視していたにも関わらず不審な行為はなかった
  3. A級順位戦(対渡辺)の対局において、不正の根拠とされたソフトとの一致率については根拠とはなり得ない

1.に至っては、いったい告発した連中は何を見ていたんだというレベルの話で、これが事実なら(録画映像からの分析らしいので事実なのでしょうが)もう呆れる他はありません。不審な行為が不正の根拠となりうるかどうか以前に、そもそもその不審な行為自体が無かったと言っているのですから。

2.についても何というか…1.と2.を合わせると、告発側が状況証拠として提示していた「不審な行為」とやらはいったい何だったんだ、という話です。

3.については、「一致率等は計測ごとにばらつくもの」「同程度の一致率は三浦の他の対局でも、他の棋士でも認められる」「連盟所属棋士に対するヒアリングで、『自力で指した手として不自然ではない』との証言多数」としています。週刊文春で渡辺竜王が「棋士なら(カンニングが)わかるんです」と語っていたのは、いったい何だったのか。

要するに、物的証拠どころか、三浦九段の不審な行動、ソフトとの一致率といった、渡辺竜王側が不正の根拠としていた状況証拠すら全否定する内容です。

一言で言えば「三浦九段完全勝利」と言っていい報告内容。

さすがに物的証拠は出てこないだろうとは思ってましたが、まさか状況証拠すら完全否定されるとは予想外でした。てっきり、「不正を疑いうる状況証拠は認められるが、物的証拠は無い」くらいのニュアンスを予想してました。

しかし、これだけ疑惑全否定の報告内容であるにも関わらず、「結果論ではなく、処分当時における必要性および緊急性を見る必要がある」として、処分自体は許容されるとしています。

これはいささか納得しかねます。これは下手をすれば、「タイトル戦で苦手な挑戦者が出てきたら、ソフト指し疑惑をタイトル戦直前にでっち上げてやれば、挑戦者を変えることができるぞヤホーイ」的な前例を認めてしまったということになりかねない、極めて危険な判断だと考えます。

渡辺竜王にそのような意図があったとまでは思いませんが、「疑惑を持った棋士とは戦えない。タイトルを剥奪されても構わない」という旨の発言を渡辺竜王がしたという話もあります。最大最高峰とされる竜王戦を、王者がボイコットするなどとなれば、将棋連盟はスポンサーに対して申し訳が立ちません。この発言が事実なら、渡辺竜王はタイトル戦を人質にして三浦下ろしをゴリ押ししたとも言えます。「処分は許容」という判断は、このようなゴリ押し行為を正当化しかねない。

「処分当時における必要性および緊急性」を見ても、物的証拠がない以上、あそこはやはり挑戦者三浦九段のまま七番勝負決行の一手だったと思います。そして不正行為の告発に対しては並行で調査を進め、クロとなればタイトル剥奪を含む処分を改めて下すのが正しい手続きなのではないでしょうか。「連盟の自浄作用が疑われ、当該棋戦に対する信用失墜につながるおそれがあった」としてますが、物証が無いにも関わらず、一方の当事者の告発のみに基づいて挑戦権剥奪&出場停止処分することが「自浄作用」だとは、私は思いません。むしろそれは異常なことです。

さて、不正疑惑自体は三浦九段全面勝利で収束しそうです。

次の注目は、連盟が今回のエラーに対してどうオトシマエをつけるかに移るでしょう。27日に会見が行われるそうなので、そこで何らかの発表があるのでしょう。

注目しましょう。

連盟はどうするつもりなんだ?

相変わらずネタが無い…このブログでネタが無いということは、私も娘達も目立った進歩も無いままいたずらに時が過ぎているということなので、ある意味由々しき事態と言えるのですが、まあ進歩しないものは仕方がない。

で、年末ですねぇ…

年末と言えば、例のソフト指し疑惑問題、三浦九段の出場停止がそろそろ満了するんですけど、調査の進展に関する発表が連盟から一切無いというのはどういうことなのでしょう。

まさか何事も無かったかのようにしれっと三浦九段の出場停止を解除して、それで有耶無耶に終わらせるつもりじゃないでしょうな。

ソフト指し疑惑が晴れないまま、三浦九段はどういう心持ちで今後の対局を戦っていけばいいんですか? 対局相手だってやりづらいでしょうに。

竜王挑戦権という将棋界でも最高レベルのタイトルに挑む機会を奪われたばかりか、出場停止期間中の順位戦は不戦敗にされ、これが原因となってのA級陥落なんて事態も現実味を帯びているわけですが、これで物証が出てこなかったら連盟幹部はどう落とし前をつけるつもりなんでしょう。谷川会長以下、理事総辞職でも足りないくらいの不祥事になりますよ、これは。

さすがに、年末ギリギリになってでも何らかの発表があるものと信じたいですが….

本当に「第三者委員会」とやらは仕事しているんですかね。なんかあちらこちらから漏れてくる情報を照合する限り、まともに調査しているようには見えないんですが。

このまま出場停止を解除するというのは、事実上連盟側の敗北宣言ですから、早急に三浦九段が今回の件で被った不利益を補填する必要があると思うのですが、どうするのでしょうね。三浦九段は次期竜王戦を無条件で1組一位通過扱い、順位戦は今回の降級対象から除外、そのくらいはせんとだめでしょうよ。竜王戦については7番勝負のやり直しをやったっていいくらいですわ。

逆に物的証拠が出てきたら三浦九段は棋界追放ものでしょうけどね…。

まさか白黒ハッキリさせないまま出場停止だけ解除、なんて阿呆なことだけはしないと思いたいけど….今回の騒動の顛末で連盟という組織の未熟さというか幼稚さが浮き彫りになっちゃったからなぁ…やりかねないわ…

「歳を取ると将棋はキツい」

ネタな無くて、気が付くと二週間たってました…

二週間たってもネタが湧いて出たわけではないので、ふと先週思った戯言みたいなものを書いてみます…

先週、いつものように道場で指していたある将棋が、かなりギリギリの終盤戦になりました。相横歩取りのかなり激しい形だったこともあって、どちらが優勢か最後までわからず、手番を握ってはいたものの一手間違うと即座に殺られる…そんな将棋でした。

結局、なんとか自玉の不詰みを読み切って、相手玉を必死にかけてギリギリ勝利したのですが、終局すると胃がキリキリしていることに気づきました。明らかに緊張感からくる一時的な胃酸過多です。

「歳を取ると将棋はキツイ」と言われている意味が、少し分かったような気がしました。

将棋は、ある意味とても理不尽なゲームだと思います。序中盤でどれだけ優勢を築いても、一手のミスで瞬く間に優劣がひっくり返ってたちまち敗勢、なんてことが当たり前のようにあります。たった一手のミスで優勢がパーになる。将棋以外のボードゲームでも多かれ少なかれそういうことはあるのでしょうが、将棋はゲームの性質上、それがよりシビアだと思います。

例えば囲碁と比べてみましょう。囲碁は一言で言えば陣取りゲームですが、たとえば10:5程度の勢力差が、たかだか一手のミスで瞬く間にひっくり返るというのは、ゲームの性質上なかなか起こりにくいと思います。おまけに盤面が広いので、どこかでミスをしても、別の場所で取り返しが効くとも、よく言われます。

それに対して、将棋も勢力争いの側面はありますが、囲碁は勢力争い自体が目的なのに対し、将棋の勢力争いは、玉を追い詰めやすくする手段でしかありません。なので、どれだけ優位な勢力を築いても、負けるときは負けるのが将棋です。

解りやすい例は頓死でしょう。どれだけ圧倒的な優勢を築いても、ひとたび頓死を食らったら有無を言わさず逆転負けとなるのが将棋です。一方で囲碁はゲームの性質上、頓死なんて概念はありません。

将棋は玉を寄せる道筋さえ見つければ、それまで築いた勢力を惜しみなく切り捨てていくような戦術も当たり前です。最終的にどれだけ勢力差で負けていても、玉を討ち取りさえすれば勝ちなのですから。ですから将棋の「優勢」は、おそらく囲碁のそれほどアテにはならない。何かの拍子で簡単にひっくり返る危険を常に孕んでいる。

では同じ系統のゲームであるチェスなんかと比べてみるとどうか。これには「持ち駒」のルールが大きく関与しそうです。チェスは取った駒の再利用が出来ないため、ゲームが進むにしたがって生じる戦力差の開き方は比較的緩やかです。ビショップが1個取られたら、ビショップの戦力差は1 vs 2です。一方で将棋はよく言われるように、例えば銀1枚を取られると、自分の銀が1枚に対し相手の銀は3枚になり、またたくまに1 vs 3の戦力差となってしまう。なので戦力差の振れ幅が、将棋の方がダイナミックであると言えます。

言い換えると、チェスと将棋を比べると、一度劣勢に陥った時に、相手のミスで挽回できるチャンスが多いのは将棋の方だと言えると思います。チェスでは緩やかにしか勢力差が動きませんが、将棋ではよりダイナミックに動くので、ひとつのミスで形勢が大きく動きやすい。

将棋は囲碁やチェスなどと比べても、その性質やルール上、逆転の起こりやすい要素がてんこ盛りであると言えそうです。これはつまり、常に逆転の恐怖に晒されながら最善手を指し続けなければ、優勢な将棋も勝ちきれないということであり、勝負へのプレッシャーがより大きなものであると言えると思います。

「将棋は逆転のゲーム」とはよく言ったものだと思います。

これが、「歳を取ると将棋はキツイ」といわれる由縁なのかもしれないと思いました。強くなるほど、そして真面目に勝負にこだわるほど、実に胃に優しくないゲーム、それが将棋ですw。

これは確かに歳を取るとキツそうですわ…。年齢が上がると囲碁の方が好まれるというのも、わかる気がします。

週刊文春買いました

北海道は関東より雑誌類の発売が二日ほど遅れるため、昨日ようやく入手することができました。(こっちではジャンプは月曜日、マガジンが木曜日発売だと明かすと関東の人は大抵驚きます(笑))

私が本件に関する前回の記事をアップしてから、昨日文春を手に入れるまでの間に、

  1. 三浦弘行九段が報道各社へのFAXで疑惑を全否定
  2. 週刊文春発売
  3. 文春記事に対する三浦九段の再反論

というところまで事態は進んだようです。

文春の記事に関しては、「やはり状況証拠しか出ていないのか」というのが第一の印象。

  • 指し手が明らかに三浦九段の棋風ではない
  • ソフトとの一致率が異様に高い
  • 三枚堂四段にスマホでPCを遠隔操作する方法を尋ねていた
  • 三浦九段は証拠としてのスマホの提出を拒否した

といったあたりが、「三浦クロ」の根拠であるようですが、いずれも物的証拠はやはり何も無い様子。

羽生三冠のメールに書いてあったという「限りなくクロに近いグレー」というのはその通りなのかもしれない。しかし、グレーはあくまでグレーであってクロではない。現代社会の原則では、グレーを罰してはいけないのです。その理由は、前回の記事に書いたとおり。

先ほどの事態の進展状況の1.と2.の間ですら両者の主張が既に食い違っています。

1.の三浦FAXでは、

  • PCは、自主的に証拠提出した。スマホについても全アプリの画像を提出した

という主張になっていて、文春の記事と明らかに食い違う。

(もっとも、アプリの「画像」の提出が、遠隔操作ソフトを使わなかったことの証明にはならないと思いますが…アンインストールなんて簡単にできるんだし)

そして、3.の三浦九段の再反論では、さらに以下のような食い違いがあります。

  • 10月11日の三浦九段聴取の席に渡辺竜王が同席した件について、文春記事は「三浦九段が同席を求めた」。三浦九段は「むしろ同席させないでくれと言った」
  • 三枚堂四段に遠隔操作アプリについて尋ねていた件について、三浦九段は「詳しい話を聞いたわけではない」。これについては文春記事からも、詳しい使い方を根掘り葉掘り聞いたという感じには読めない。

やはり両者の主張は対立していますね。

個人的には印象では、文春記事には以下の2点で違和感を感じました。


1点目「プロならカンニングがわかる」

文春記事での渡辺竜王の言によれば、「一致率が40%でも急所のところでカンニングすれば勝てる。一致率や離席のタイミングなどを見れば、プロなら(カンニングはわかるんです)」とのこと。

どこかのブログ記事では、問題となっている棋譜を並べてみれば、アマ有段者なら誰でも(棋譜の不自然さが)わかるはずだ、みたいなことも言ってました。

ならば、仮に三浦九段がクロだったとして、当然三浦九段本人も「こんな手をそのまま指したらカンニングを疑われる」のがわかるはずでは? アマチュアでも見抜けるような不正をトップ棋士の一角でもある三浦九段がそのままやらかした…と?

2点目 三浦九段はそんなにPC、スマホ、インターネットに明るいのか

文春の記事では明確には記載されていませんでしたが、三浦九段がスマホを操作して自宅のPCで動かしている将棋ソフトを操作して不正を働いた、というのが想定のシナリオのようです。

しかし、なんだかさらっと書いちゃってますけど、これって実は、デジタルデバイスやインターネットの、かなり高度な知識を必要とするやり方です。

私は本業がIT屋であり、この分野に関しては一応プロの末席に連なる身ですので、そういう環境を作れと言われたら作れます。

アマチュアでもやろうと思えばできないわけではありませんが…リモートデスクトップアプリの存在や使い方を他人から教わるような知識レベルの三浦九段に、このような環境構築ができるのかというと、甚だ疑問です。

誰か他の詳しい人にセットアップしてもらったという可能性もありますが…


勘ぐりすぎかもしれませんが、以上が私が文春の記事に対して感じた違和感です。

連盟は一転して調査の継続を決定したようですが、この期に及んで「仲間内で泥仕合をしていてはいけない」などと、なあなあで済ませようとする棋士が「意見が分かれる」ほどいるとは驚きです。危機意識がメルトダウンしているとしか思えない。

驚きと言えば、9月26日に「対局場への電子機器の持ち込みと、対局中の外出禁止」が合意されたというのに、施行が12月14日からになっているのはどういうことなのか。

なんで即日施行にしなかったんですか

連盟バカジャネーノ? と本気であきれ果てました。即日施行にしていれば、今回の三浦九段の件にも適正な処分が下せていたはずなのに。

持ち込み禁止のせ施行が12月14日ならば、今回三浦九段を処分した根拠はやはり状況証拠しかないということになる。これ、訴訟になったら、連盟が負けるんじゃないですか?

三浦九段に疑われるような行動があったのは事実なのでしょう。だから、そもそも疑われるような行動そのものを禁止するような規定を早々に作るべきだったのです。

現状そのような規定が無く、不正の物的証拠も無いというなら、今回の件については不問とするしかないでしょう。そして、今後は12月14日の規定改正などによって、そのような不審な行動自体を禁止していくしかないと思います。

どうして、こうも対応が後手後手なのか。

ひとまずは、追加調査の結果待ちですかね…