不惑オヤジ(と娘)の将棋な日々

アラフォー親父と小学生娘の悪戦苦闘の記録

[棋譜並べ]市川太郎松vs天野宗歩 (右香落ち) 1856/7/20

※この棋譜並べシリーズは棋力初段レベルのブログ主が、自身の学習のアウトプットとして書いているものです。解説とかではない旨をご承知の上で、お読みください。

今回ご紹介するのは、1856年7月20日に行われた、市川太郎松vs天野宗歩の右香落ち戦です。

普通「香落ち」と言えば角側の香を落とす左香落ちですよね。奨励会などでは香落ちがよく指されるようですが、それももちろん左香落ちです。ただ、現存している宗歩の香落ちの棋譜は全て右香落ちのようです。昔は香落ちと言えば右香落ちだったってことでしょうかね。

△5四歩 ▲7六歩 △6二銀 ▲9六歩 △7四歩 ▲9五歩
△9二飛

2018-05-28a.png

宗歩の右香落ち棋譜を並べるのは実は本局で2局目。1局目は紹介するタイミングを逸してしまいましたが、そちらでも同様に下手が9筋を突き越して、上手が飛車で9筋を受けるという形になってました。右香落ちの定跡形なんですかね。

▲5六歩 △5三銀 ▲6六歩 △3四歩 ▲7八銀 △4二金
▲6七銀 △4一玉 ▲4八銀 △5五歩

2018-05-28b.png

宗歩は隙あらば歩交換を仕掛けるという印象を個人的に持っているのですが、ここでも角筋を使った歩交換。下手が▲4八銀としたため飛車が5筋に回れなくなったタイミングを突いているということでしょうか。

▲同 歩 △同 角 ▲5七銀 △3三角 ▲5八飛 △5四銀

2018-05-28c.png

銀が単機でせり出していく形。個人的には銀が浮いている状態なので漠然とした違和感がある手です。▲4六銀には△5五歩と抑えて何でもないよ、ってことなんでしょうが。

下手は銀二枚でやや分厚く構えようとしているので、先に中央を抑えてしまおうってことかな?

▲4八玉 △1四歩 ▲3八玉 △1五歩 ▲4六銀 △5二飛
▲9七角

2018-05-28d.png

直前の▲9七角は…いざというとき上手の飛車先を抑えてしまおうってことでしょうか。どちらにせよ、9一に香がいる平手では成立しにくそうに見える手です。

そこで△6五銀みたいな手は(▲同歩なら△9九角成狙い)…さすがにないか。▲5二飛成から飛車交換になると上手陣は飛車に対してスカスカですからね。

で、直後のこの△4四歩。中央を制している駒の一つである角の利きを何故わざわざ止めるのでしょう? 銀の退路を作ったということなのでしょうが…実際、この後下手は中央の制圧に成功します。

仮に放っておいて△3二玉とかの時に、角筋が通っていれば▲5六銀とはできないので(△6六角がある)、中央に色気を出すなら▲5五歩なのでしょうが…ソフトによると、素直に△5五同銀▲同銀△同飛▲同角となった局面(変化図1)は上手有利という判断。

2018-05-28e.png

飛車交換は陣形スカスカな上手不利…と思いますが、中央に角が陣取るこの形では意外と飛車打ちの隙が無い。隙があるとすれば▲9二飛ですが、△9一銀で飛車が即死。角筋のにらみも生かして▲4二飛成からの強襲はありそうですが、ソフトの判断ではやや無理気味、らしい。

例えば、▲9二飛△9一銀▲4二飛成△同銀▲5三銀に、△5一銀とかわす(変化図2)。

2018-05-28f.png

これが冷静なかわしで、▲4二金と露骨に打ち込んできてもギリギリ耐えているもよう。

とはいえ、下手陣にもすぐに攻めかかれるような隙が無く、少し上手有利な程度の、互角に近い将棋になっているらしい。

とまあ、△4四歩を突かないと、辛うじて踏みとどまっているとはいえかなり危ない目にあうっぽい。それを嫌っての△4四歩だったんでしょうか。

△4四歩 ▲5五歩 △4三銀 ▲5六銀 △3二玉 ▲6五歩
△2四角 ▲4八金 △3三桂 ▲6八飛 △4五歩 ▲5七銀
△5四歩 ▲同 歩 △同 銀 ▲6四歩 △同 歩 ▲同 角
△6二飛 ▲5五歩 △4三銀 ▲6三歩

2018-05-28g.png

手筋のタタキ。うっかり△同飛と取ってしまうと、▲4二角成から飛車を素抜かれてしまいます。よくある手筋ですが、普段の対局でこういうのは見逃さないようにしたいところ。

△9二飛 ▲7五歩 △同 歩 ▲6六飛 △7二金 ▲6二歩成
△同 金 ▲9一角成

2018-05-28h

これも手筋なんですが(△同飛なら▲6二飛成)、歩が4枚あるので本譜のように受かります。そこを読み間違えたんですかね…。

△6五歩 ▲同 飛 △7三桂 ▲6八飛 △6七歩 ▲同 飛
△6六歩 ▲同 飛 △6五歩 ▲8六飛

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馬を諦めて飛成にかけた飛車回りですが、素直に▲9二馬△6六歩と飛車交換するほうがマシだったのではないでしょうか。本譜は馬を犠牲にしても飛車を捌かせまい、ということだと思いますが、さすがにその代償が馬では厳しそうな…

△9一飛 ▲8三飛成 △7二角 ▲7四龍 △8一飛 ▲7八金
△6三金 ▲7五龍 △8三角

2018-05-28j.png

個人的に、この一局のこの一手を選べと言われたら私はこれを選ぶかもしれないです。

△7二角と打ち込んだときはただの守備の角。しかし、この1手でたちまちカツが入った感じ。下手玉を間接的に遠くから睨んでいるのがポイントで、これが後々効いてくるのです。

▲7七桂 △3五角 ▲7六龍 △7四金 ▲9四歩 △同 歩
▲同 香 △7五歩 ▲9六龍 △8四金

2018-05-28k.png

個人的には疑問の一手。どうせ歩切れで9筋は受からないわけですから、同じ角筋を通すなら中央方面へ利かせる△6四金の方が勝るような。

▲9二香成 △7四角 ▲9七龍 △6一飛 ▲8二成香 △6六歩
▲7二成香 △7六歩 ▲6一成香 △7七歩成 ▲同 金 △6五桂打

2018-05-28l.png

ずいぶんアッサリと飛車に見切りを付けたな大丈夫か、と思ったら、桂を入手してのこの継ぎ桂が異様に早かった。

▲6六銀 △7七桂成 ▲8六龍 △5六角 ▲7七龍 △4六歩
まで107手で上手の勝ち

2018-05-28m.png

いやしかし、8図の△8三角からまさかこうなるとはビックリです。改めてこうしてブログ記事にまとめてみると、この将棋は非常に面白かったです。

開始日時:1856/07/20
棋戦:江戸時代の古典棋譜
戦型:その他の戦型
手合割:右香落ち
下手:市川太郎松
上手:天野宗歩

△5四歩    ▲7六歩    △6二銀    ▲9六歩    △7四歩    ▲9五歩
△9二飛    ▲5六歩    △5三銀    ▲6六歩    △3四歩    ▲7八銀
△4二金    ▲6七銀    △4一玉    ▲4八銀    △5五歩    ▲同 歩
△同 角    ▲5七銀    △3三角    ▲5八飛    △5四銀    ▲4八玉
△1四歩    ▲3八玉    △1五歩    ▲4六銀    △5二飛    ▲9七角
△4四歩    ▲5五歩    △4三銀    ▲5六銀    △3二玉    ▲6五歩
△2四角    ▲4八金    △3三桂    ▲6八飛    △4五歩    ▲5七銀
△5四歩    ▲同 歩    △同 銀    ▲6四歩    △同 歩    ▲同 角
△6二飛    ▲5五歩    △4三銀    ▲6三歩    △9二飛    ▲7五歩
△同 歩    ▲6六飛    △7二金    ▲6二歩成  △同 金    ▲9一角成
△6五歩    ▲同 飛    △7三桂    ▲6八飛    △6七歩    ▲同 飛
△6六歩    ▲同 飛    △6五歩    ▲8六飛    △9一飛    ▲8三飛成
△7二角    ▲7四龍    △8一飛    ▲7八金    △6三金    ▲7五龍
△8三角    ▲7七桂    △3五角    ▲7六龍    △7四金    ▲9四歩
△同 歩    ▲同 香    △7五歩    ▲9六龍    △8四金    ▲9二香成
△7四角    ▲9七龍    △6一飛    ▲8二成香  △6六歩    ▲7二成香
△7六歩    ▲6一成香  △7七歩成  ▲同 金    △6五桂打  ▲6六銀
△7七桂成  ▲8六龍    △5六角    ▲7七龍    △4六歩

まで107手で上手の勝ち
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