不惑オヤジ(と娘)の将棋な日々

アラフォー親父と小学生娘の悪戦苦闘の記録

いわゆる「ソフト指し」について思うこと

81Dojoのチャットでソフト指しの是非について激論が交わされていました。私はその議論には参加しませんでしたが、ソフト指しについては私なりに思うところがあります。今回はその話でも。

一応説明しておきましょう。「ソフト指し」とは将棋倶楽部24や将棋ウォーズなどのオンライン対戦で、指し手を自分で考える代わりに将棋ソフトに考えさせて指す行為を言います。

今時の将棋ソフトはプロ棋士相手にも互角以上に戦えるレベルになっていますので、アマチュアが集うオンライン対戦でソフト指しをやると、まず向かうところ敵無しと思ってよいでしょう。よってソフト指しをやると実際の実力以上の段級位やレーティング値を得られるため、ほとんどのオンライン対戦サービスではソフト指しをマナー違反、あるいはルール違反として排除しようとしています。

しかし、オンライン対戦では基本将棋盤しか見えず、相手がその裏で何をやっていてもわかりませんから、基本的にソフト指しを100%特定する方法は今のところ存在しません。これがソフト指し問題の面倒なところです。

ソフト指しを取り締まる側の人たちは、ソフト指しの疑いがあるアカウントの棋譜を、実際に有名どころのソフトの指し手と比較して一致するかどうか確認するという涙ぐましい努力をしています。しかし敵もさる者で、重要局面に限定してソフトの指示を仰いだり、一手ごとに自分が指す、といった数々の策を弄して取り締まりの網をかいくぐろうとするわけです。なので、現状ソフト指しする者と取り締まる側の戦いはいたちごっこと言っていいでしょう。

こういったソフト指しに関して議論になるのは、主に以下の2点です。

  • ソフト指しという行為を働く輩の人間性について。転じて、ソフト指しという行為そのものの是非
  • どうやってソフト指しを取り締まるか

で、私の意見ですが、まずはソフト指しという行為そのものに対する見解から。

結論から言えばやはり明確にマナー違反であろうと思ってます。

武術という殺し合いの技術にすら礼儀と心身の修練という要素を与えて「武道」としてしまう日本という文化で生まれた将棋というゲームには、やはり武道と同様の礼儀や修練といった概念をある程度取り込んでいるわけで、自分の力で指していないソフト指しはまったく将棋の「道」に反する行為と思います。

ソフト指しするような人たちも、道場などで面と向かって対局するときにソフトを起動して指したりはしないでしょう。それはソフト指しが本来マナー違反であるということを承知しているからであるはず。でもオンライン対戦ではソフトさしてもバレ無いと思っているから、マナー違反とわかっていてもやるわけです。

そもそも私から見ると、何が嬉しくてソフト指しするのかイマイチわかりません。ソフト指しでいくら段級位やレーティングを上げたところで、それは本人ではなくソフトの実力です。それで自分の実力が上がるわけでもありません。ソフト指しで無理矢理実力をかさ増ししたって残るのは虚しさだけ…な気がしますが。

で、もう一つ、いかにソフト指しを取り締まるかについてですが…

身も蓋もない言い方になってしまいますが、「いいじゃん、もう放っておけば?」というのが私の考えです。

前述の通り、ソフト指しを100%特定するのは現状では不可能です。そして、そのような不確かな手段で取り締まろうとすると、冤罪のリスクも必ず発生します。

それに、実際ソフト指しによる実害ってそれほどあるの? という疑問もあります。

「それを許すとオンライン対戦の棋力分布が崩れる」、つまり実際の棋力分布よりも強い方に偏ってしまうという意見も見られるのですが、本当にそうですかね。そもそもソフトを使って自分の実力をかさ増しして見せることに意味を感じる人がどれほどいるのでしょう?

将棋のおもしろさとは自分の持てる知力を総動員して相手と読み合いを戦わせるところにあるはずです。ソフト指しという行為はその将棋の一番にして唯一のおもしろさの部分をソフトに丸投げしているわけで、単に自己顕示欲を満たす以外のおもしろさなど得られないはずです。つまり、ソフト指しは将棋というゲームのおもしろさを自らスポイルしている。そんなどう考えてもおもしろさの乏しいソフト指しにわざわざ手を出そうとする人が、棋力分布に致命的な影響を与えるほど多数いるとはどうしても思えません。

そんな希少な人たちのために、わざわざ労力を使って取り締まるのはバカバカしいんじゃないかと思ったりするわけです。

レーティング300なのに実際戦ってみたら(ソフト指しで)1000の力だったというのはちょっと困りますが、レーティングが1000付近にあって、実際に1000程度の実力のソフトで指してくる人だったら、それはレーティング1000の人だと思って放置しておけばいい気がします。

だから、「ソフト指しはマナー違反」という啓蒙だけは常に欠かさず、それでもソフト指しをするような輩はもう放置でいいんじゃないかと。私としては、それを取り締まることに労力を使ったり、冤罪のリスクを冒すくらいなら、もっとサービスの質を向上する方向に労力を振り向けて欲しい。

私の結論をまとめると「ソフト指しはマナー違反だけど、過剰な労力をかけて無理に取り締まるのは無駄」となりますね。

とはいえ、「電王戦タッグマッチ」などという棋戦が立ち上げられつつある今、「ソフト指しはマナー違反」という私の見解自体が怪しくなってきている気がしなくもありませんが…

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いわゆる「ソフト指し」について思うこと」への1件のフィードバック

  1. 太田洋一郎 2017年4月3日 05:32

    プロ棋士がソフトの評価値や次の一手を気にしてる時点で彼らの負け。ソフトで研究してる。人間同士のゲームです。機械は既に開発を終えています。要するに極めて小さな世界であってもっと大事なことがいくらでもあるということです。将棋ソフトの研究など価値がないのだから今後やる訳がない。ゲームセットです。

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