不惑オヤジ(と娘)の将棋な日々

アラフォー親父と小学生娘の悪戦苦闘の記録

棋具の材料表記に疑問

このブログタイトル部の写真に写っている盤と駒は、私が所有しているものを撮影したものです。

盤はヒバの2寸卓上版。駒はシャム黄楊の上彫り駒です。棋具としては安物ではありませんが、高級品というほどのものではなく、まあちょっと奮発してみたというくらいのグレードでしょう。

ところで、棋具ってやつはどうしてああも詐欺的な材料表記がまかり通っているのでしょうか。

先ほど、シャム黄楊の駒と書きましたが、この「シャム黄楊」という材料からしてまず曲者です。

将棋の駒の最高級品とされる材料は黄楊(つげ)の木であり、中でも国産の黄楊が最高とされています。価格も国産黄楊だと安くても1セット3万円は下らないでしょう。上を見るとそれこそ天井知らずです。数十万円なんて駒も普通にあります。

じゃあ「シャム黄楊」って何なのか?

「シャム」とは今のタイ地方の古い呼びかたなので、東南アジアで採取される安価な黄楊の木だと普通は思うでしょう。しかし実はこれが大間違い。そもそも「シャム黄楊」と呼ばれている木はアカネ科の植物であり、ツゲ科である国産黄楊とは全く種類の違うものなのです。

木味が似ているというだけの理由で、黄楊の仲間ですらない木に「シャム黄楊」などというそれっぽい名前を付けて、外国産の黄楊の木なんだ~、などと誤解させるのを狙っているとしか思えません。実際には黄楊の仲間ですらないのですから。

実際に比べたことがあるわけではありませんが、黄楊とシャム黄楊では使い込んだ時の色味の変化が全然違うそうです。当然、黄楊の方が良い色味になると言われてます。黄楊の色味を期待して何も知らずに廉価な「シャム黄楊」を掴まされると、失望することになりそうです。

同じことは盤にも言えます。盤の最高級品は榧(かや)の木、それに次ぐのが桂(かつら)と言われます。ところが、盤の販売店のサイトなどを見ていると「新榧」だとか「新桂」などという表記に出くわします。

調べてみると、新榧とはどうやら北米原産のスプルースの木のことらしいです。私もそうなのですが、日曜大工を趣味とする方であればこのスプルースという名前にピンと来る人もいるのではないでしょうか。ホームセンターでよく売っているSPF材、あれがまさにスプルースだったりします。もちろん、榧とは生物学的にも全く別の植物です。構造体用としてはいい材ですが、盤向けにはお世辞にも質のいい材とは言えない気がします。実際、新榧盤は価格的にもかなり廉価なところに位置します。

新桂は「アガチス」と呼ばれる南アジアからオセアニア方面に分布する木のことで、これまた桂とはまったく関係のない植物です。

本来関係ない植物にも関わらず、いかにも榧や桂の亜種ですよ、みたいな言い方をして売るのは果たしてどうなんでしょうね?

スプルースはともかく、アガチス(新桂)やアカネ(シャム黄楊)などは棋具として決して悪い材料ではないと思います。購入者を惑わせるような名前をわざわざ付けるのではなく、優れた特徴を持つ材料として、堂々と売ればよいのにと思います。

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